1. 専門看護師 北村愛子さんインタビュー

迷わず走れ、そして飛び込め

わずか7人しかいない「急性・重症患者看護」専門看護師

特定の看護分野で深い知識と高い技術を身につけた看護師だけが認定される「専門看護師」。その中でも、特に命を脅かすような危機的な状態の患者と向き合うのが「急性・重症患者看護」専門看護師。その第1号メンバーの一人として認定を受け、全国の医療現場から注目を集めるのが、大阪府りんくう総合医療センター市立泉佐野病院の急性期ケア推進室室長・副看護局長の北村愛子さんです。医療ワーカーのアドバイザースタッフが北村さんに自身の看護に対する思いなど貴重なお話を伺いました。

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「看護師がいない世界なんて考えられない」

私の看護師を続けていく一つの源は患者さんの元気な顔です!!たとえ元気にならない時でも人間が人間のお世話することは絶対必要ですし、看護婦がいない世界なんて考えられない。仕事は褒めてもらおうとは思っていないし、患者さんが元気になれなかったら悲しいですけど、それは看護婦のエゴイズムだと思うんです。本来、傷ついてるのは患者さんですし、元気になれなくて死んでいくのも患者さんですし・・・勿論、それで悲しいのは私たちも同じですが、それは人を失うことへの悲しみに対してですよね。本当に健康になるための手助けをしている職業であるということだけを見失わなければどのような事象があってもやっていけると思います。

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「自分なりの看護ができる場所を探すことができればそれでいいんだと思います」

短期間で仕事を辞めてしまうということも聞きますが、でも辞めるとしても、自分の事をあきらめているわけではないと思うんです。それに、だからといって、看護の仕事をあきらめているわけでもないと思うので、自分なりの看護ができる場所を探すことができればそれでいいんだと思います。そして看護の仕事を続けてくれるならそれでいいと思います。それに、その短期間で自分の可能性を閉じてしまっているのかといったらそうではないでしょうし、もしも、閉じて辞めてしまうような心の動きがあるんだったらそれは休憩をすれば可能性は広がっていくものだと思います。もともと素晴らしい一人の人間なのですから、仕事のタイミングやあり方だけで物事を決めずにもともと看護の仕事は人間だからこそできる仕事なので、経験されるのが重要な事だと思います。看護師でいたいという気持ちさえあれば数ヶ月で成長するとか、1,2年とか言わずに10年20年とかでやっと一人前になることってたくさんありますよ。

「だからこそピカイチのサポーターになりたい」

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一人の患者さんが、声も出ないのに手を合わせてくれるんです。心が突きぬけますよね。 申し訳ないと思いますよ。少しでも、早く元気になって、ICUを出たいという、そのお気持ちだけは私たちも分かっていて一生懸命にそのための計画を練ってプランを立てているよって。 その場を離れるときに伝えたら、頑張る!!って御本人の同意を頂いて、私はまた明日も来ますから、午後からはこういう風に過ごしていてくださいねって伝えると、一生懸命拝むようにしてありがとうって言われた瞬間には・・。 私に言ってくださっているお礼ではないんですよね。 もう、医療全部に、うちのチーム全体にですし、その本質自体が医療界すべてに感謝していると思うんです。元気にするのが仕事って思うプロ意識のある私にとっては、その私とプロに手を借りながら努力して自分を一生懸命に生きている患者さんというのは自分の人生を主役として努力されているので、私たちは強力なサポーターですよね。サポートすることが仕事ですよって。 だからと言ってドライな感覚ではないんですけどね。人を支援することに一生懸命になれる人々というのは、おそらくここまでの事くらいしか基本的に考えることはないので。だからと言って人に手を合わせることはそんなに容易ではないですね。苦しみすぎていて人のことを羨んでも当然ですし、自分が情けなくなっても当然ですし、でも、決して自分には殆どもう何もいうことなんてないっていう世界の中で、人に感謝できる人間の偉大さを目の当たりにつきつけられると、恐ろしくちっぽけな人間だと自分の人格を思うし、その人格に責任を持って仕事をするともなれば患者さんに負けていられないぞって思いますし、だからこそピカイチのサポーターになりたい、どうすれば必ずや元気になれるかって問題解決に頑張ります!!どんなに新人さんで最初はサポーターとしても健康のサポーターとしても戦力が発揮できない段階であったとしても、 看護は実践の科学といわれる領域だけにどんどん良い経験を積んで、たとえそれが転職であっても、自分が挫折することがあっても楽しくて前に進むことがあっても、自分の事をよく気づきながら仕事に意識をもってさえいれば、 患者さんのお役に立てるのではないかと思います。

看護師の転職についてどう思われますか?「最大の利益は自分のプロとしての能力」

プロの仕事というものは、どんなに場所が変わっても内容・能力は変わるものではなく、より一層積み重ねられるものですよね。単なる環境で好き嫌いややりたいやりたくないそういうことを全て飛び越えている。能力と才能と力がなければ仕事って成立しないと思うんです。 場を変える(転職をする)ことによって自分を見つけることをたくさん経験されることになると思うし、 少なくとも自分が場を変える毎に自分ってどんな仕事をする人間かということが痛切に分かるし、どんな能力があるのか、あるいはどんな看護をするだけの力があるのかっていうことをとても実感すると思うので、それをプラスに変えてプロとして本当に人の健康を高める職業人として目指していけばいいのではないかと思うのです。だから条件だとか、利益とか確かに自分の生活にとって必要なものはたくさんあると思うんですが、 選択するときはそのことも多くの色々な要素に入る中でも最大の利益は自分のプロとしての能力がどこに行っても培われるという、それだけは残りますね。

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インタビューを終えてアドバイザーより一言

チャーミングな笑顔の中に強く一点を見据える強いまなざしを感じました。私も長くクリテイカルケアの現場で仕事をしていました。その中で彼女の存在は自然にずっと憧れの人としてありました。そのことを告げると「私のどこに憧れるの?」「憧れるって何なのかなあ(笑)」と。一瞬、「そうだ、何だろう」と考えてしまいました。ただ看護師という仕事をしていて看護という趣味を持っている。 でもだからといってドライな感覚ではなく純粋にひたむきに他に迷わされる事なく、患者さんと自分自身に向き合っている人だという印象を受けました。看護師としてハッと気づかされる事も多々あり・・お仕事に対する考え方や看護観・ライフスタイルというのは人それぞれだと思います。 「一人一人大事で素敵なひとなのですから」という北村さんの言葉にそうだなあと。私もみなさんが一人一人そのひとらしく看護師として気持ちよく、安心してお仕事をして頂けるようにがんばってお手伝いさせて頂こうと思います。医療ワーカーアドバイザー一同がんばりますので、宜しくお願い致します。でも、今回お話を伺っていてどんな事があっても、忘れてはならないことがあるんだと我に返ったインタビューでした。

病院情報 りんくう総合医療センター

りんくう総合医療センターの一つとして平成9年に新築移転した市立泉佐野病院は、大阪府南部の基幹病院です。3大成人病(がん、心疾患、脳血管疾患)に対し高度専門医療を実践すること、救急災害医療を充実することが病院の基本構想になっています。看護においても急性期・救急・災害に対応できる質の高い看護を提供することを理念としています。

名称りんくう総合医療センター市立泉佐野病院
所在地大阪府泉佐野市りんくう往来北2-23
ベッド数388床(うち、泉州救命救急センター:30床、感染症センター:10床)
診療科目総合内科・感染症内科、内分泌代謝内科、腎臓内科、血液内科、肺腫瘍内科、神経内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、外科、脳神経外科、心臓血管外科、整形外科、人工関節センター、形成外科、呼吸器外科、小児科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、口腔外科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、救急科、救命診療科、国際診療科
診療センター心臓センター、脳神経センター、がん治療センター、周産期センター、消化器センター、呼吸器センター
看護配置7:1

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