「精神科の夜勤は他の診療科目の夜勤よりもラク」
そんな考えで精神科の夜勤バイトを探されている看護師さんもいらっしゃるのではないでしょうか。副業で夜勤バイトをしようと思ったら、少しでも負担は軽いほうが良いですよね。
精神科の病院は医療行為が少なめで、患者さんとのコミュニケーションや精神的ケアを重視しているのでゆったりした雰囲気の病院が多い、という想像をされている方も多いと思います。
でも実際はどうなのでしょうか?
そこで、精神科の夜勤バイトについて実態を調べてみました!
精神科の夜勤の仕事内容
<精神科の夜勤 一例>
申し送り
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夕食の食事介助
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配薬・口腔ケア・オムツを使用されている患者さんに夜間用のオムツを装着・ポータブルトイレの設置
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当直医の回診に付き添う
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配薬
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21時消灯、看護記録、薬の準備
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おむつ交換
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0時~交代で3時間ほど仮眠
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検温・朝の配薬の準備
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早出の出勤者に申し送り
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朝食の配膳・食事介助・口腔ケア・配薬
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日勤者への申し送り
精神病の患者さんは夜になると精神が不安定になる傾向があります。自傷行為をしてしまう患者さんもいるので、患者さんの危険行為を未然に防ぐ為にこまめな巡回が必要になります。また、高齢の患者さんが多いとおむつ交換も頻繁に行わなければいけません。
病棟によって違う精神科の雰囲気・仕事内容
精神科病院=物々しい雰囲気というイメージがありますが、実際には病棟によって雰囲気が全く違い、仕事内容も異なってきます。精神科にも慢性期と急性期があり、慢性期のくくりには閉鎖病棟や、開放病棟、高齢者・認知症病棟があります。
【慢性期病棟】
・医療行為は少なめで、介助や服薬管理がメイン。
・急性期病棟と違ってゆったりしている。
(1)閉鎖病棟
・出入り口は鍵でしっかりと施錠されている。
(2)開放病棟
・軽度の精神疾患の患者さんで、一般病院と変わらない雰囲気である。
(3)高齢者・認知症病棟
・看護業務より介護業務の比重が大きいので、体力が必要。
・おむつ交換が多い。
【急性期病棟】
・入退院のサイクルは大体3ヶ月。
・精神疾患をはじめ、アルコール依存症、過食症、パニック障害など様々な患者さんがいる。
・慢性期と比べて激務である。
・高齢の患者さんは合併症を患っている場合も多いので、一般病院の看護業務とさほど変わらない。
ここがツライ!精神科の夜勤バイト
●患者さんから暴力を振るわれる事がある。
●患者さんからの暴言がツライ。
●「死にたい」「苦しい」というマイナスな言葉を聞くと、自分の精神がやられそうになる
●高齢化が進みADLが低下している患者さんが多く、介助業務が大変。
●今まで感じたことのない独特な雰囲気や患者さんの叫び声にびっくりしてしまった。
●とにかく扱う薬が多くて覚えるのが大変。
ここは良かった!精神科の夜勤バイト
●病棟によっては仮眠がしっかり取れる。
●一般病棟に比べてゆったりしているので、人間関係が良い。
●男性看護師も多いので、女だらけの職場より人間関係が良かった。
●コミュニケーション力がかなり磨かれる
ここが違った!精神科のお仕事
●医療行為は少ないと思っていたが、合併症を持っている患者さんが増えたので、心電図、気道吸引などの医療行為が意外と多かった。
●患者さんにとことん付き合うので、一般病院とは違いゆったりした時間が流れている。
精神科の夜勤バイト選びで大事なこと
<地域の特性に注意>
治安が悪い地域は、覚せい剤、アルコール中毒の患者さん、暴力をふるう患者さんも多く、救急搬送の件数も多い傾向にあります。精神科病院で副業をする際、どういった患者さんが多いのか、地域の特性をきちんと把握しておくと良いでしょう。
<病棟選び>
病棟によって仕事内容や忙しさが変わるので、精神科病院だからというくくりで夜勤バイトを探すと「思っていたのと違った!」となりかねません。「慢性期の開放病院の夜勤バイト」としっかりと狙いを定めてバイト探しをするのをお勧めします。
精神科の夜勤バイトについてまとめ
精神科の夜勤バイトは、病棟や重症度によっては一般病院と比べ多少ゆとりがあるかもしれません。しかし、精神科病院の入院患者の高齢化に伴い、医療行為や介助が必要な患者さんも増えてきました。精神科だから〇〇という概念はもはやなく、病院によって働き方が全く異なるようになりました。これから精神科の夜勤バイトを始めようとお考えの看護師さんは、念入りな下調べがWワーク成功のカギとなります。精神科病院の内情を知りたいという方は看護師専門の人材紹介会社に登録して、キャリアアドバイザーに色々教えてもらうのも良いかもしれません。