中河内医療圏

中河内医療圏

01 - はじめに

大阪府には8つの二次医療圏があり、中河内医療圏は大阪府の東部、主として大和川の流域にある地域に位置しています。該当する地域は柏原市、八尾市、東大阪市の3市から構成されています。人口はおよそ84万3000人で、人口密度は6,541.10人/k㎡(平成27年度国勢調査より)。大阪府下でも古い歴史を持つ地域で、古事記によると大和朝廷の時代からこの辺りの地名が登場します。現在の人口の増減率は安定しつつも、やや減少ぎみとなっています。

02 - 中河内医療圏の持つ特徴

中河内医療圏の総面積はおよそ129平方キロメートル。三つだけの自治体から構成されているので、総面積そのものは割と小規模となっています。この地域には戦後より多くの中小工場が稼働しており、大阪でも有数の第二次産業地帯でした。いわゆる下町の工場街です。しかし近年では別の一面も見られるようになりました。大阪市営地下鉄が繋がっているので、大阪市内の企業に勤める方々のベッドタウンとして開発が進みました。こうして大阪市内のベッドタウンとしての役割も果たしています。
中河内医療圏の東部は奈良県に隣接しています。古くから奈良とのかかわりが深く、大阪市内よりも奈良の方がアクセスの良いエリアも多々あります。大阪という臨海都市の構造上、市内に近い西部は平地ですが、奈良側の東部は生駒山の裾野のため山岳地域となっています。
主要な交通機関はJR関西本線と、近鉄奈良線・大阪線です。あとJR片町線が東大阪市にも通っているので、北部の北河内地域との行き来も可能です。そして八尾市には大阪市営地下鉄谷町線が通っているため、そこから大阪市内の各地へアクセスする事が可能です。鉄道網は充実していて、いちど大阪市内へ出てしまえばそこから大概の主要地域へは電車だけで行けます。
道路網も発達していて、近畿自動車道が南北を縦断しています。そのまま北上して名神高速道路に乗り継げば、京都方面へもさほど時間は掛かりません。

03 - 中河内医療圏の医療体制の現状

中河内療圏内に病院が38か所、一般診療所(クリニック)が636か所あります(平成28年10月1日現在)。この地域の人口と総面積からすると不足はしていないと言える数です。療養病床および一般病床の数は、大阪府が医療計画で策定した基準病床数は5799床。それに対して既存病床数は5857床あり、いちおう基準数はクリアしている状態と言えるでしょう。人口の変動と需要しだいでは新たに医療機関が増設する必要があると思われます。
大きな医療機関で言えば東大阪市立総合病院や八尾市立病院などがあり、それらが専門によって医療内容を分担して中核病院の役割を果たしています。大阪府全体で見ても、中河内医療圏では生活習慣病に死亡率が高くなっています。そのため自治体では住民に定期的な健康診断を勧めたり、生活習慣の改善を呼びかけたりもしています。
一般診療所の数が非常に多くあり、医療圏の各地域に分散しています。看護師の募集も中規模の病院や一般診療所での勤務が多くなっています。地域別の募集数を見てみると、自治体の面積と人口に比例して東大阪市が最も多く、八尾市・柏原市と続きます。
中河内医療圏でも近年、患者の容体・快復状況によって適した医療機関に転院する『地域連携クリティカルパス』が実施されました。生活習慣が原因となる糖尿病のパスに特に力を入れています。これによって大病院と開業医との患者の情報交換ネットワークが強化され、患者を専門の病院で治療する事が出来ます。一つの医療機関が抱える負担を分割し、大病院・一般診療所の両者にとっても労働環境の向上が見込まれています。

04 - 中河内医療圏の医師数・看護師数の概要と特徴

中内医療圏の医師数は1,835人、歯科医が636人、薬剤師が612人。人口10万人あたりの平均割合で見てみると、全国の医師数は245.93人に対し、中河内医療圏では217.75人。医師数は全国の平均を下回っているのです。中河内医療圏は全国的に見ると医師の少ない地域と言えるでしょう。
中河内医療圏の人口の増加を考えると、医師と看護師の数が不足している状態です。さらには病床数では10万人あたりの全国平均と比べて4分の1程度しかありません。医療関係者と病床の不足。これが中河内医療圏の抱える大きな問題の一つでしょう。
交通の便が発達中の地域なので、今後は人口の流入が考えられます。そうなれば医療機関の不足は顕著に表れるでしょう。一つの医療圏内で治療を完結させるためには医療機関を増設し、受け入れ態勢を整える事も視野に入れなければなりません。するとさらに看護師の増員も必要になってきます。

関連リンク

中河内医療圏に所属する市区町村の求人
大阪府の二次医療圏

参考資料:大阪府保健医療計画(平成25年度から平成29年度)