堺市医療圏

堺市医療圏

01 - はじめに

大阪府には8つの二次医療圏があり、堺市医療圏は大阪府の中南部に位置しています。大阪市の南側に隣接する堺市がこの医療圏に該当します。大阪府に二つある政令指定都市のうちの一つで、堺市堺区、堺市中区、堺市東区、堺市西区、堺市南区、堺市北区、堺市美原区の7区から成り立つ医療圏となっています。人口はおよそ83万9000人で、山梨県・佐賀県・福井県・徳島県・高知県・島根県・鳥取県を上回っています。人口密度は5,601.70人/k㎡(平成27年度国勢調査より)。大阪府下でも古い歴史を持つ地域で、安土桃山時代には鉄砲の生産が盛んで、自治都市として栄えました。現在でも地場産業として刃物の生産が行なわれており、大阪湾岸部では工業地帯が広がっています。現在の人口の増減率は安定しつつも、やや減少ぎみとなっています。

02 - 堺医療圏の持つ特徴

堺市医療圏の総面積はおよそ150平方キロメートル。堺市という一つだけの自治体から構成されているので、他の医療圏と比較すれば総面積そのものは規模がそれほど大きくはありません。面積は狭いですが全国20か所の政令指定都市の一つという事もあり、人口密度は大阪府下でもかなり高い地域です。沿岸部では堺泉北臨海工業地域が形成され、大規模な工場や倉庫が林立しています。中南部では泉北ニュータウンの開発より住宅地が広がり、大阪のベッドタウンとしての役割を果たしています。また東部では昭和の初期からの住宅開発から、高級住宅街が広がっています。急激に市街地化が進んだ中百舌鳥などの地域には商業ビルが立ち並ぶ都市として発達しています。近年、堺市には大阪市や堺市内の工業用地およびビジネス街に勤める方々のベッドタウンも多くあます。そのため夜間人口に比べて昼間人口が極端に低く、典型的な日本的衛星都市といえる自治体でしょう。商工業と住宅地が発達している一方で、歴史的にも重要な文化財も多くあります。小学校の社会の教科書でもお馴染みの、世界一巨大な墓『仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)』があるのも堺市堺区です。市内には古い歴史を持った神社仏閣も多数あり、線香や刃物などの伝統産業も今もなお息づいています。このように工業資源にくわえ、観光資源も豊富に有している地域なのです。
堺市医療圏の北部は大阪市に隣接し、東は南河内医療圏、南部は泉州医療圏に隣接し、西部は大阪湾の臨海地域となっています。大阪という臨海都市の構造上、大阪湾寄りの西部と中央部は平地ですが、東部はやや勾配のある地形です。主要な交通機関はJR阪和線・南海高野線・南海本線です。そして北部の中百舌鳥まで大阪市営地下鉄(御堂筋線)が1987年に開通しています。鉄道網が充分に発達しているので、自動車等の交通手段がなくてもある程度は移動が可能です。大阪府北部の豊能医療圏に該当する地域(豊中市・吹田市あたり)まで通勤する事も可能でしょう。
道路網も便利で、阪和自動車道・阪神高速4号湾岸線・泉北有料道路・阪神高速15号境線が市内を通り抜けています。無料道路も国道や府道が網の目のように敷かれ、大阪府内や他府県の地域とのアクセスも簡単です。空の玄関口である関西国際空港へも市内から自動車で30分もかからず到着できるでしょう。

03 - 堺市医療圏の医療体制の現状

堺市療圏内に病院が43か所、一般診療所(クリニック)が691か所あります(平成27年10月1日現在)。この地域の人口と総面積からすると充分と言える数です。療養病床および一般病床の数は、大阪府が医療計画で策定した基準病床数は8039床。それに対して既存病床数は9344床あり、病床は足りている状態と言えるでしょう。基準病床数を上回っているので、当面のあいだは新たな病院の開設や増床はあまりないと思われます。
中核になる大きな医療機関で言えば、堺市立総合医療センター(堺区)、ベルランド総合病院(中区)、大阪労災病院(北区)などの総合病院があります。以前は救命救急センターが無く、急患は他の医療圏の病院へ搬送しなければならないという点が問題視されていました。しかし平成27年に市立堺病院が堺市立総合医療センターとして生まれ変わり、その役割を担うようになりました。人口の増加と地域の都市化に伴って、堺市医療圏の医療環境も充実してゆきます。看護師の需要も病院の数と規模に比例して増加し、看護師の求人サイトを確認すると市内でも150件近い募集がありました。堺市医療圏は道路・鉄道ともにアクセスが良いので、通院通勤が困難という事はないでしょう。

04 - 堺市医療圏の医師数・看護師数の概要と特徴

堺市医療圏の医師数は2,749人、歯科医が650人、薬剤師が710人。人口10万人あたりの平均割合で見てみると、全国の医師数は245.93人に対し、三島医療圏では327.53人。医師数は全国の平均を大きく上回っているのです。三島医療圏は全国的に見ても医師の多い地域と言えるでしょう。しかし大阪府全体の平均と比較すると、やや少なめとなっています。堺市の人口密度を考えると、なかなか足りているとは言いづらい数字です。
堺市医療圏には周産期医療の設備の整った医療機関が少なく、分娩する際に他の医療圏の病院に頼らなくてはならないケースが少なくないようです。一つの医療圏内で出産を完結させるためには周産期医療機関を増設し、その機能を整える事も視野に入れなければなりません。するとさらに看護師・助産師の増員と質の向上も必要になってきます。この件は自治体でも課題となっており、今後も産科医療の新規参入が予想されます。それによって看護師の需要も高まってゆくでしょう。

参考資料:大阪府保健医療計画(平成25年度から平成29年度)