【看護師】オンコール勤務とは?過ごし方や手当の相場、向いている人を徹底解説

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看護師にはさまざまな勤務形態があります。
日勤、夜勤などの勤務は一般的ですが、中にはオンコール勤務がある場合も。
オンコール業務は、その名の通りで電話の電源をオンにして待機していなければならない勤務です。

今回は看護師のオンコール勤務について詳しくご紹介します。
オンコール勤務の過ごし方や手当の相場、向いている人を徹底解説していきたいと思います。

看護師のオンコール勤務

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看護師のオンコール勤務とは、緊急時に備え看護師を自宅等で待機させること。
勤務先から連絡があった際は、いつでも通話に応じて指示を出したり、勤務先に駆けつけなければなりません。
オンコール勤務が取り入れられている理由や、勤務の体制について詳しく見ていきましょう。

オンコールが取り入れられている目的

オンコール勤務は、日中に多くのスタッフが必要な手術室などで多く行われています。
24時間管理体制をカバーするために取り入れられており、夜間に発生する不測の事態や、災害時の対応に備えます。

オンコールの勤務体制

オンコールはいわば待機勤務です。
宿日直業務規定の適応除外許可申請について厚生労働省は以下のように規定しています。

ア,常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務のみ認めるものであり、定期巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可の対象となります。

イ,原則として、通常の労働の継続は許可されません。したがって、本来の業務の始業又は就業時刻に密着した時間帯に、顧客からの電話の収受又は盗難・火災防止を行うものについては許可の対象になりません。

ウ,医師・看護師の場合、通常の勤務時間の拘束から完全に解放されたものであり、従事する業務は一般に宿日直業務以外には以下のような特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限ります。

(※参考:断続的な宿直又は日直勤務に従事する者の労働時間等に関する規定の適用除外許可申請について−厚生労働省https://jsite.mhlw.go.jp/iwate-roudoukyoku/content/contents/syukunittyoku031025.pdf

このことからオンコール業務は、労働基準局の許可を受けた労働時間の除外要項に該当します。
監視分断業務として労働時間規制の適用には当たりません。
つまり所定労働時間には数えられませんので、日勤等のあとに連続して行われるケースもあります。

オンコール担当になったときの過ごし方

考える看護師さん
オンコール担当になり、自宅待機をする際には過ごし方にいくつかの注意点があります。
普段どおり過ごしていると、緊急の電話に対応できない可能性も。
オンコール担当になった際の過ごし方を見ていきましょう。

必ず出勤になるわけではない

オンコール勤務だからといって、必ずしも出勤要請がかかるわけではありません。
電話も鳴らずに一晩が過ぎることもあるでしょう。
ですが、いつ連絡が来るか分からない不安感で、精神的な負担が生じることもあります。
いくつかの注意点を押さえた上で、上手に休息を取りながら過ごしましょう。

常に電話に出られる状況にする

オンコールでは、待機している間いつでも電話に出られるように準備しておく必要があります。
電話の電源は常にオンにし、呼び出し音が出るように設定しましょう。
充電切れで電話に出られないと困るので、十分にバッテリーを蓄えておくこともお忘れなく。

飲酒は控える

オンコール待機中は急な呼び出しで、車を運転して勤務先まで向かわなければいけないことも。
また、勤務先に到着したら冷静に指示を出し、勤務に当たらなければなりません。
飲酒は避け、呼び出しに備えましょう。

遠出せずに待機する

オンコール待機中は、遠出はせずに待機しましょう。
休日は出かけたい気持ちになりますが、遠方に外出していると、急な呼び出しがあった際に勤務先への到着が遅れてしまいます。
自宅あるいは、近所への買い物程度の外出で済ませましょう。

十分な休息がとれずに呼び出されることも

オンコールは通常の勤務後に連続して行われることもあります。
ですので、十分な休息を取る前に呼び出しがかかり緊急業務に当たる場合も。

また、夜間や休日に呼び出しによって業務を行った場合は、必要十分な休息が行えるよう勤務を調整するのが理想的です。
ですが、起きて待機していたが呼び出しが無かった場合は、実労働とはみなされず翌朝通常業務に就かなければいけません。
精神的に緊張状態が続き、十分な休息が取れないまま勤務に赴くことになってしまいます。

オンコールを担当したときの手当の相場

給与明細と紙幣
法律上、オンコール待機への手当の支払いは義務付けられていません。
本来は自由に過ごせるはずの時間を、待機に当てなければならないので支払われるのが理想的ですが、給与を与えなければいけないという法律は無いのが現状です。

オンコールの勤務時間全体、つまり実働がなく待機だけでも労働時間に値するかどうかは、難しい問題です。
厚生労働省では待機時間が労働時間に値するかどうかは、オンコール待機中の義務態様により、判断する必要があるとしています。

・呼び出しの頻度
・呼び出された場合に、どの程度迅速に病院に到着しなければならないか
・呼び出しに備え、オンコール待機中の行動がどの程度制限されてしまうか
(※参考:オンコールの取り扱いについて−厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000720677.pdf)
などを踏まえ、オンコールの待機時間全体が、労働から切り離されることが保障されているかどうかによって、判断する必要があります。
オンコール待機中のルールは、医療機関によってさまざまです。

労働基準法の一般の宿日直の許可基準(※参考:労働基準法の施行に関する件−厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb1896&dataType=1&pageNo=1)では

・通常の勤務形態からは完全に開放されていること
・夜間に十分な睡眠が取れること
などの規定があります。
これらの規定を満たしていない場合は時間外労働として、賃金が発生します。
勤務形態や実情を、許可基準に基づいて確認しましょう。
問題点がある場合は改善を提案し、より良い職場環境を目指しましょう。

一方、待機時間中に呼び出され実働があった場合には、時間外勤務として手当が支払われます。
金額は看護師1時間あたりの時給と、時間帯割増分が与えられます。
また、22時から翌朝5時までの深夜に勤務を行った場合には、深夜割増も加算されます。

オンコール勤務が向いている人・向いていない人

OKポーズの看護師さん
続いてはオンコール勤務が向いている人、向いていない人を紹介します。自分の適性を見極め、ストレスのない勤務形態を選択しましょう。

オンコールが向いている人には以下のような特徴があります。
・オンコールについてポジティブに考えられる
・休日には人と過ごす時間が確保でき、ストレスを発散できる
・勤務先に協力し合えるスタッフがいる
・自分にあったリラクゼーション方法を知っている

一方、オンコール勤務が向いていない人には以下のような特徴があります。
・勤務先から遠い場所に住んでいる
・緊張感やストレスを感じやすい

勤務先から遠い場所に住んでいる場合、呼び出しがあってもすぐには勤務先に到着できません。
また、休息が十分に取れていない状況で長時間運転しなければいけない可能性も。
勤務先とよく相談し、自分にあった勤務形態を検討しましょう。

看護師のオンコールに関するよくある質問Q&A

Q&Aが浮かぶ青い背景
最後に看護師のオンコール勤務に関するよくある質問をまとめました。オンコール勤務に関する疑問にお答えしていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

宿直、当直勤務との違いは?

宿直、当直、オンコール、どれも似たような響きで、混同されやすい勤務形態です。
ですが、それぞれ細かな勤務内容は異なっています。

宿直や日直は当直の中に含まれます。
一般的に、通常の勤務時間以外に当番や交代で働くことを、当直と呼びます。
通常勤務のような労働は行わず、定期的な巡視や電話の収受、非常事態に備えての待機等を行う勤務です。

当直は勤務先に泊まり込んで不測の事態に備えます。
一方、オンコールは自宅待機です。宿直とオンコールの違いは待機場所だと言えるでしょう。
また、当直も労働基準法上では監視分断業務にあたります。所定労働時間の対象外となります。

オンコール勤務のある施設とは?

オンコール勤務のある施設は
・病院
・検査部門
・分娩の待機
・特別養護老人ホームなどの介護施設
・訪問看護ステーション

など。
病院では特にオペ室などの比較的忙しい病棟でオンコール業務が多い傾向にあります。

オンコール勤務の頻度は?

オンコール勤務の頻度は医療機関によって異なります。

オンコールを細かく規定している基準はありませんが、労働基準法上では、宿直勤務は1回/週以下、日直勤務は1回/月以下と定められています。

オンコール勤務がつらいときは?

オンコール勤務がつらいときは、十分な休息が確保できていない可能性があります。
忙しすぎる過酷な勤務は体調のみならず、心の健康を害する可能性も。
勤務形態に問題がある可能性もありますので、十分な休息を取れるよう体制の見直しを行う必要があります。

まとめ

受話器を取る笑顔の看護師さん
今回は看護師のオンコール勤務についてまとめました。
看護師のオンコール勤務は、いつでも出勤できる準備をしておかなければならない、責任感が求められる仕事です。
オンコール勤務中には、飲酒を控え、遠方に出かけずに待機しましょう。
手当の金額やオンコール勤務の頻度は、医療機関によって異なります。

医療現場は24時間の稼働が求められます。
後期高齢化が進む日本で、オンコール勤務はなくてはならない仕事です。
やりがいのある仕事であり、今後よりニーズが高まる勤務形態だと言えるでしょう。
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