新卒の看護師が志望動機を書くときのポイントは?例文を入れてわかりやすく解説

新卒の看護師さんが履歴書を書くときに、「志望動機をどう書いたらいいかわからない」と悩む人は少なくありません。採用試験の書類選考の際に、志望動機の内容は重要なチェック項目となっており、面接のときにも志望動機は必ず質問されます。では、心に響く志望動機を書くには、いったいどうしたらいいのでしょうか?この記事では、新卒の看護師さんが志望動機を書くときに「これだけは押さえておきたい」というポイントを、例文を入れてわかりやすく解説します。
新卒の看護師の志望動機に入れたい内容
看護師になろうと思ったきっかけ
新卒の看護師さんが応募する場合、これまでのキャリアをアピールすることはできませんが、看護師になろうと思ったきっかけを書くことで、看護師としての適性や仕事への意気込みを伝えることができます。
たとえば次のようなきっかけを書いた場合、「この応募者は看護を通して患者さんを癒し、安心して入院生活を送ってほしいと思っているのだな」と、イメージしてもらうことができます。
【事例】
私が看護師を目指した理由は、病気への不安や悩みをかかえる患者さんの助けになりたいと思ったからです。私は中学生のときに喘息の発作を起こし、病院に入院したことがあります。そのときに担当の看護師さんが、私が不安を感じないように毎日何度も声をかけてくださり、私は家にいるときのように安心して入院生活を送ることができました。自分もあのときの看護師さんのように、患者さんに安心と癒しを与えられる存在になりたいと思い、看護師の道を目指しました
応募先の病院で働きたい理由
自分がなぜその医療施設を応募したのか、その理由を、志望動機に必ず書く必要があります。「残業がないから」「給与が高いから」といった本音の理由も、もちろんあるでしょう。しかし、履歴書に書きたいのは、そういった自分目線の志望理由ではありません。
応募する医療施設から、「この人を採用したい」と思われるような、採用担当者に共感を与える志望動機です。思いつかないときは、自分がその医療施設の一員となったときに、生き生きと活躍している姿を想像してみましょう。
たとえば、「看護師として働くなら、患者さん一人ひとりに寄り添った、まごころの看護を行いたい。この病院なら、患者さん一人ひとりと丁寧にコミュニケーションをとりながら、自分の理想の看護ができると思った。勉強の場も充実しているので、看護研究をしっかりとやって、より良い看護を追求していきたい!」と思ったとします。その場合は、次のような志望理由が考えられます。
【事例】
私は患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添った、質の高い看護をしたいという希望をもっております。貴院は看護研究を積極的に実践されており、人員配置にも余裕があって、患者さん一人ひとりに丁寧に対応されています。私の望む看護を、貴院なら実現できると確信し、応募させていただきました。
応募先に貢献できる自分の強み
自分が応募先に対して貢献できる強みを見つけ、志望動機に書くことが大切です。「この看護師さんを採用すると、うちにとってこんなメリットがあるのか」と実感させるような内容を考えることが大切です。
看護師経験がある人は、これまでのキャリアが大きな強みとなりますが、新卒の場合はキャリアをアピールすることができません。そのため、自分の性格的な長所や、医療に対する情熱の強さが、アピールポイントとなります。実習中のエピソードなどを、入れるのもいいでしょう。たとえば、次のような事例が考えられます。
【事例】
私は子どもたちの健やかな発達に少しでも貢献したいという思いから、小児科の看護師を目指しております。看護実習では貴院の小児病棟で実習をさせていただきましたが、そのときの医療スタッフの皆様の対応が素晴らしく、感動いたしました。入院中の子どもたちが寂しさを感じずに入院生活を送れるよう、看護師の方々がきめ細かな配慮をされている姿を目のあたりにし、小児医療の理想的な姿を見た思いがしました。貴院のように、子どもたちの心を何よりも大切に考える病院で、ぜひ働かせていただきたいと思い、志望させていただきました。
今後のキャリアアップへの意欲
看護師は人材不足のため、せっかく採用をしても、より条件のいい医療施設に転職してしまうケースが少なくありません。そのため、医療施設としては「長く働いてくれる看護師さんにきてもらいたい」という気持ちを強くもっています。
そこで、「私なら貴院で長く働き、しっかりとキャリアを積んで貢献できる人材になれます」ということを志望動機でアピールするのは、非常に効果的です。たとえば次のような事例が考えられます。
【事例】
私は5年前に、祖父が貴院の緩和ケア病棟でお世話になったことがあります。その際に、患者さんに対する医療スタッフの皆様の優しさに深く感動し、私自身も看護の道に進みたいと決意しました。そして看護学校に入り、卒業後は貴院で働かせていただきたいと、ずっと思っておりました。将来的には、認定看護師の資格も取得したいと考えております。貴院は認定看護師の実務研修施設でもあり、私もぜひ認定看護師に挑戦して、看護のプロフェッショナルとして貢献できたらと考えております。
新卒の看護師が志望動機を書くときのコツ
志望動機を書く前に、自己分析や情報収集をして、しっかり準備をした上で書くことが大切です。これらをやることによって、自分が心から納得できる志望動機を書くことができ、面接の際にも自信をもって臨むことができます。
応募先の医療施設について詳しく調べる
就職先を考えるときは、まず応募を考えている医療施設がどんな職場なのかを、詳しく調べる必要があります。特に新卒の看護師さんは、実際の職場経験がないため、より入念に調べた方がいいでしょう。
どのようなポリシーで仕事をしていて、人間関係はどうか、職場環境はいいか、スタッフは足りているかなど、学校からの情報やインターネットの口コミなども含めて、できるだけ詳細に調べることが大切です。その上で、自分はなぜその医療施設を希望するかをじっくりと考え、血の通った志望動機を書きましょう。
自己分析を行い、自分の強みをみつける
志望動機を書く前に、自分自身の棚卸をして、自分がどういう人間なのかをしっかりと理解しておきます。自分の長所や短所、取得した資格、周囲から褒められたこと、悩んだことなど、すべて書き出しましょう。そうすることで、いままで気付かなかった自分自身のアピールポイントを、明確にすることができます。
自己分析によって自分がどんな強みをもっているかを把握したら、今度はその強みがあることで、自分が応募先にどのように貢献できるかを考えます。
たとえば、「私は子どもの頃から運動が好きで、学生時代にバレーボール部のキャプテンをしていた。チームをひとつにまとめるために、一生懸命努力をしてきた経験は、病院のチーム医療にも活かせると思う。体力には自信があるので、夜勤の多い救急医療のスタッフとして、十分やっていける」という強みがあれば、それを志望動機として伝えることで、説得力が増します。
採用担当者の心に響く志望動機の事例
救急看護師を目指す人の志望動機例
私は10年前に父が交通事故で救急外来に運ばれ、医療スタッフの方々の賢明な努力によって一命を取りとめた経験があり、救急医療の重要性を実感して救急看護師の道に進むことを決めました。救急看護の世界は肉体的にも精神的にもハードかと思いますが、私は学生時代にバスケットボールの部活動で鍛えており、体力と精神力には自信があります。貴院は地域の救急医療の中核として、最先端の救急医療に取り組まれています。私もその一員として、ぜひ地域の救急医療に貢献したく、応募させていただきました。入職後はスキルを積み、救命処置に関する知識と技術を深めるとともに、災害時にも対応できる看護師になりたいと思っています。
病棟看護師を目指す人の志望動機例
私は母が総合病院の内科病棟の看護師をしていたため、入院患者さんのために真摯に働く母を尊敬し、私も母のような看護師になりたいと思って看護学校に入りました。私の強みは、一人ひとりの患者さんに親身になって対応できることです。看護実習では内科病棟を経験しましたが、経験は浅いながらも患者さんに誠心誠意尽くすことで、感謝していただけることを実感しました。卒業後は母と同じ病棟看護師を目指し、私の生まれ育った地域で質の高い医療を実践される貴院で長く働きたいと考え、応募させていただきました。今後は自分が本当にやりたい医療分野を見極め、認定看護師の資格も取得して、より高い専門性をもつ看護師になりたいと思っています。
まとめ
新卒の看護師さんが志望動機を書くときは、職場経験がないだけに、自分をアピールしづらいと悩む人も多いようです。
でも大丈夫!最初は書きづらいと思える志望動機ですが、応募先の調査や自己分析などをしっかりと行うことによって、自信をもって書くことができるようになります。履歴書で志望動機を明確にしておけば、面接で質問されたときにも、迷わずに答えることができるでしょう。
志望動機は、応募先が採用を決定する上において、最も重要な項目といえます。時間をかけてじっくりと考え、自分が心から納得できる内容にすることが大切です。





