看護師の転職におすすめのタイミングはいつ?病院の規模別・施設別・月別に解説!

看護師さんが転職を考えるなら、自分にとって転職しやすいタイミングを見計らって、転職計画を立てるのがベストの方法です。転職しやすいタイミングは、病院の規模や勤務先、月などによって異なります。そこで、病院の規模別・施設別・月別におすすめの転職のタイミングをご紹介しましょう。
【医療機関の規模別】転職好機
大規模病院・公的病院
大学病院や総合病院などの大規模病院や、国立病院・県立病院などの公的病院は、新卒だけでなく中途採用も4月入職(前年4月募集)が多い傾向にあります。
たとえば2023年4月入職であれば、2022年4月頃に募集開始となり、5月~7月頃に採用試験が行われます。内定が出るのは8月頃なので、それから退職の希望を出し、引継ぎをして退職。2023年4月に入職という流れになります。
ただし、大規模病院や公的病院は、新卒の看護学生を4月に一括採用することが多く、転職者の募集は少ないので入職は狭き門です。まれに病院の事業拡大などのタイミングで、中途採用の募集を行うこともあるので、転職者はそういう機会をねらうのも方法のひとつです。
民間病院
民間病院の場合は、病院の方針などによっても募集時期が異なりますが、大病院と違って4月に大量採用というケースはあまりありません。欠員が出たときに募集をかけたり、通年募集している病院も数多くあります。
特に夏や冬のボーナスが出た後などは、多くの民間病院が募集をかけています。また、開院に伴って大量募集をする病院もあります。
民間病院への転職を考えている人の中には、まずは自分が行きたいと思う病院を見つけ、その病院の募集に合わせて転職活動を行っている人もいます。
クリニック
地域のクリニックは不定期に募集していることが多いので、人員が足りていれば募集はかけませんし、欠員の予定が出れば募集が出ます。病院のように看護師の人数が多くないので、欠員募集を待っていても、なかなか出ないこともあります。
クリニックの勤務を希望する人の多くは、「できるだけ家から近いところに勤めたい」という希望を持っているので、どうしても選択肢の幅は狭くなります。常に求人には目を通し、良いところがあればすぐに応募できるよう、応募書類や面接の準備は万全にしておきましょう。
【医療施設別】転職好機
急性期病院
24時間体制で治療を行う急性期病院は、4月の大量募集とは別に、定期的な中途採用募集も行っているケースが数多くあります。なぜかというと、急性期病院の現場はかなり忙しいため、常に十分な人数の看護師を確保しなければならず、欠員が出たとき以外にも随時募集する必要があるからです。
その中でも求人が多いのは、夏以降です。4月の時点では募集枠はほぼ埋まっているのですが、夏以降になるとボーナスが出てから辞める人や、新卒の看護師さんの中から退職する人が出てきたりします。
そのため、急性期病院への転職を考えるなら、夏以降の中途採用募集を注意して確認するようにしましょう。
慢性期・療養期・ケアミックス型病院
慢性期病院や療養期病院、ケアミックス型病院は、通年募集をしているところが多く、時期を問わずに転職活動を行うことができます。
そのため、転職先よりはむしろ「自分が勤務している病院を辞めるタイミングはいつがいいか?」を考えた方が賢明です。繁忙期や人が少ない時期を外すなどして、適切な転職時期を考えるといいでしょう。
介護施設
介護施設は看護師の数があまり多くないため、求人も欠員が出たときに募集することが多く、不定期なので求人募集は常にチェックしておく必要があるでしょう。
病院の看護師から介護施設の看護師に転職する場合は、仕事内容や職場の雰囲気もかなり変わってくるため、事前に調べておくことが大切です。施設によっては、看護師と介護士の仲があまりよくなかったり、看護師が介護士の仕事をやっていることもあります。
また、介護施設には特別養護老人ホームもあれば、介護老人保健施設や介護付き有料老人ホームなどもあります。それによって看護師の仕事内容も変わってくるので、施設見学などもしっかりと行い、どんな職場なのかをしっかりと確認した上で転職先を考えましょう。
訪問看護施設
訪問看護師の多くは、訪問看護ステーションに転職しますが、欠員が出たときや利用者が増えたときなどに募集がかかります。
ひと言で訪問看護ステーションといっても、規模の大きなところもあれば、数人程度の小規模なところもあり、待遇や福利厚生なども職場によって違います。人気のある訪問看護ステーションは、募集がかかりとすぐに決まってしまうことも多く、求人は常に確認しておくことが大切です。
企業がバックになった大規模な訪問看護ステーションの中には、毎年4月入職の募集をかけるところもあり、その際は前年の8月頃から転職活動を行います。
【月別】転職好機
1月
1月は看護師さんの転職にとって、穴場ともいえるおすすめの時期です。なぜかというと、年末のボーナスをもらって離職した人が多く、求人が多いにもかかわらず、年始ということもあって求職者がさほど多くないからです。
欠員によって経験のある看護師を補充したいと考える病院も多く、転職者にとっては有利な時期といえるでしょう。もし「希望する病院があるけれど、人気が高くて採用のハードルが高い」という病院があれば、この時期に転職に挑戦するのも方法のひとつです。
2月
2月は1月ほどの求人はありませんが、1月に離職する人の補充で募集は比較的多く、おすすめの時期のひとつです。冬場は患者さんも多いので、医療機関としては看護師の募集をかけたい時期でもあります。
3月
3月は4月入職の関係もあって、求人はあまり多くありません。冬のボーナスをもらって辞めた人の補充も一段落し、まったく募集がないわけではないのですが、できれば2月にピンポイントで探すのは避けた方がいいでしょう。
4月
4月は新卒の入職で忙しい時期なので、中途採用を募集する病院は少なく、転職活動をするにはあまり向きません。3月と同じく、できれば避けた方がいい月です。
5月
5月はゴールデンウィークがあり、4月に新卒で入職したスタッフの研修で忙しいこともあって、採用活動はあまり積極的に行いません。3月・4月に続き、5月も看護師さんの転職時期としてはあまり向かないため、できれば3月~5月の3カ月間を外して転職活動を行うことをおすすめします。
6月
6月は夏のボーナスをもらってから退職する人がいるので、医療機関もそれを見込んで募集が活発になるため、転職活動に向いている時期です。夏場に転職を考えるなら、6月は有力候補のひとつに入れておくといいでしょう。
7月
7月はボーナスをもらって辞めた人を補充する必要があるので、求人は多めにあります。6月から7月にかけて求人を探すのは、夏場の転職活動としてはおすすめできます。
ただし、7月は夏の長期休暇がある関係で、病院側としては6月ほど活発に採用活動は行いません。あくまで6月にいい求人がなかったときの抑えとして、見込んでおくのが無難です。
8月
8月は夏の長期休暇があるので、人手不足になる病院も多く、意外と求人は多くなります。ただし、人手が足りない中での採用なので、忙しくて選考がなかなか進まないこともあり、転職時期として最適とはいえません。
9月
9月は長期休暇も終わり、病院側としても採用に向けて積極的になれるタイミングです。特に即戦力になる経験者の採用に力を入れるので、転職時期としてはおすすめです。病院の中には、9月に管理職候補を大量採用するケースもあります。
10月
10月は9月の採用が一段落するため、求人は少なめになります。ただし、年末に離職するスタッフや異動するスタッフへの対応を考えて、10月下旬以降は求人が増えてきます。そのため、10月下旬から11月にかけての求人をねらうのもひとつの方法です。
11月
11月は年内に辞める人を見込んで、採用活動が活発になります。求人数も多いので、秋に転職活動を行うなら、11月は最もおすすめの月です。
12月
12月は冬のボーナスをもらって辞める人が増えるものの、年末年始への対応で病院側が非常に忙しく、採用活動はあまり活発に行いません。冬場に転職を考えるなら、1月に求人が出るのを待つ方が賢明です。
まとめ
看護師さんの転職の好機が、病院の規模や施設、月によってかなり違うことが、おわかりいただけたかと思います。
看護職は有効求人倍率が高いので、転職活動そのものは1カ月ほどあれば決まることも多いのですが、問題なのは辞めるタイミングです。人手不足もあって、勤務している病院に退職願を出しても、引き留められるパターンは少なくありません。
看護師さんが転職を考える際には、その点にも十分考慮して、転職活動を行うことが大切です。





