看護師の給料は頭打ち?50歳代でピークを迎え給料が増えない理由・看護師の給料を上げる方法とは?

給料が下がっていくイメージ画像
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みなさんは看護師の給料は高い、というイメージをお持ちではないですか?
中には看護師の給料は頭打ちだ、という意見もありますが、実際の看護師の給料は高いのでしょうか。
今回は、看護師の給料は頭打ちなのか、50歳代でピークを迎え給料が増えない理由、看護師の給料を上げる方法について解説します。
ぜひ参考にご覧ください。


看護師の給料は頭打ち?

看護師の給料は頭打ちなのでしょうか。
結論から申しますと、看護師の給料は多くの場合、頭打ちです。
看護師の給料が頭打ちと言われる理由について、次章以降で詳しく紹介します。

看護師の給料は頭打ちと言われる理由

公益社団法人日本看護協会の看護職員の処遇改善に向けた見解を紹介します。

2022年11月18日に、改正人事院規則が公布され、国家公務員医療職俸給表(三)級別標準職務表が見直されました。

医療職俸給表(三)は、歴史的な経緯から、国のみならず、自治体立・公的、民間と、広範な医療機関の看護職員の賃金制度・賃金水準に一定の影響を及ぼしています。このたびの医療職俸給表(三)見直しを契機に、より多くの看護現場で、看護の専門性と役割の重要性に見合った賃金体系の導入と処遇改善が進むことを期待しています。
看護職員の皆様、特に看護管理者の方々は、この改正を良い契機と捉え、自施設の看護職員の処遇改善に向けて行動を起こしましょう。

看護師の給料が頭打ちと言われる理由は、医療職俸給表(三)に大きな影響を受けていることが挙げられます。
医療職俸給表(三)は、法律で定められた国家公務員の給与体系で、基本給はなだらかにしか上昇しません。
看護師長になり、医療職俸給表(三)の3級以上に昇格できるのは約1割ですので、給料のアップの難しさがわかります。

看護師の給料は50歳代で頭打ち

看護師の年収は、経験年数に大きく左右されるため、年齢ごとに異なるという特徴があります。
年齢層別看護師の平均年収を紹介します。
20~24歳 354.9万円
25~29歳 429.5万円
30~34歳 435.9万円
35~39歳 466.2万円
40~44歳 490.1万円
45~49歳 522.4万円
50~54歳 523.4万円
55~59歳 541.0万円
60~64歳 461.5万円
65~69歳 379.3万円
70歳~ 383.6万円

看護師の平均年収は55〜59歳が一番多く、541.0万円です。
541.0万円までは緩やかに上昇していることがわかりますが、その後は減少傾向です。
この情報からも、看護師の給料は50歳代で頭打ちであることが分かります。

看護師の給料について

続いては、看護師の給料について紹介します。
看護師の給料の実情を見ていきましょう。


看護師の平均年収

先程の紹介した通り、看護師の平均年収は、年齢によって異なります。
厚生労働省の発表によると看護師の平均年収は、508万1300円(平均年齢40.7歳)です。
また、新卒を含む20〜24歳の平均年収は354.9万円です。

看護師の手取り

次に、看護師の手取りについて紹介します。
看護師の手取りは、平均年収から税金や社会保険料を引いて計算した額です。
看護師の手取り年収は、平均380万〜405万円程度だと言えるでしょう。

看護師のボーナス

次に、看護師のボーナスについて紹介します。
厚生労働省の発表によると看護師のボーナスは、平均86万2100円です。
(参考:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査

看護師の夜勤手当

次に、看護師の夜勤手当について紹介します。

看護師の給料の法定割増賃金率は以下の通りです。
深夜勤務割増給は、25%以上(22時〜5時の勤務)。
時間外勤務+深夜勤務は、50%以上(25%+ 25%)。
休日労働+深夜労働は、60%以上(35%+ 25%)。

看護師の残業代

次に、看護師の残業代について紹介します。

看護師の給料の法定割増賃金率は以下の通りです。
時間外勤務給は、時間外勤務給1カ月45時間までの場合は、25%以上。
1カ月45時間を超え60時間未満及び年360時間超える場合は、25%を上回る割増賃金率(努力義務)。
60時間を超える(中小事業所※については現在猶予中)場合は、50%以上。

厚生労働省によると、病院の看護職員の月当たりの時間外労働時間は、0時間超~5時間以下が29.9%と最も多くを占めています。
月に約1万円前後の残業代が発生していると言えるでしょう。
(参考:厚生労働省 看護職員需給推計関係資料


看護師の給料が低い理由

続いては、看護師の給料が低い理由を紹介します。
なぜ看護師の給料は低いという意見があるのでしょうか。

地方看護師の給料は安い

都道府県別看護師の平均年収を紹介します。
1位から10位まで見ていきましょう。
1位 東京都 564.1万円
2位 奈良県 545.8万円
3位 兵庫県 541.5万円
4位 埼玉県 541.2万円
5位 富山県 535.0万円
6位 岐阜県 531.9万円
7位 和歌山県 530.2万円
8位 新潟県 529.8万円
9位 大阪府 529.5万円
10位 神奈川県 527.9万円
(参考:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査

このように10以内の上位には、東京・大阪などの大都市圏の県が多くランクインしていることが分かります。
このことから、地方看護師の給料は低い傾向が少なからずあることが分かります。

看護師の給料は割に合わない

看護師の給料が低い理由に、看護師の給料は割に合わないというものがあります。
残業代を請求しにくい、責任が重いこと、時間外の勉強が多いことなどが、看護師の給料は割に合わないと考えられている理由です。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

残業代を請求しにくい

看護師の給料が割に合わない理由の1つ目は、残業代を請求しにくいことです。
公益社団法人日本看護協会は、サービス残業について以下のように述べています。

業務上必要な業務前の情報収集や研修などは業務とみなされ、超過勤務手当をつける必要があります。
まずは業務の見直しをすることが必要です。効率化を図る努力をしても、どうしても時間内に収まらない業務に対しては、きちんと超過勤務手当が支給される必要があります。
また、意識改革も求められます。長時間勤務による過労死を出さないためにも、まずは管理者・職員ともに労働法の理解と法令順守を心がけましょう。

管理職の残業手当
師長は管理職。このため残業手当は必要ないと思っていませんか?
「師長になり管理職手当が付きました。管理職は超過勤務をしても超勤手当が付かないため、残業をしていた師長になる前の給与のほうが高かった。」という話を耳にすることがあります。
労働基準法では、管理監督者に対する時間外および休日労働に対する手当支給の義務は定められていません。管理監督者とみなされるかどうかの判断ポイントとしては、①労務管理上の権限(採用・配置・人事考課など)、②経営方針決定への参画、③出退勤時間の裁量があり、さらに管理職としてその地位に相応しい待遇(給与額等)がなされているかどうかが問われます。
師長は管理職と呼ばれることも多いですが、これらの要件を満たしていなければ、時間外勤務手当や休日勤務手当の支給が必要です。

このようにサービス残業は不当な労働ですので、勤務環境の見直しが必要だとされています。

責任が重い

看護師の給料が割に合わない理由の2つ目は、責任が重いことです。
看護師は患者さんの命を預かる仕事です。
常に緊張感があり、緊急時にはより重い責任を背負うことになります。
このような精神的な負担に、給料が見合っていないという指摘があります。

時間外の勉強が多い

看護師の給料が割に合わない理由の3つ目は、時間外の勉強が多いことが挙げられます。
より良い看護を提供するため、勤務時間外でも勉強を求められる場合があります。
日進月歩の医療業界で、日々勉強を進めていくことは重要ですが、時間外も仕事のことに縛られるのは、あまり健康的なことだとは言えません。

看護師の給料は手取りが少ない

先程も紹介した通り、看護師の手取りは、平均年収から税金や社会保険料を引いて計算します。
看護師の手取り年収は、平均380万〜405万円程度だと言えるでしょう。
税金や社会保険料が占める割合は大きく、手取り額が十分ではないという意見もあります。

診療報酬で病院の利益が左右される

公益社団法人日本看護協会は、病院財政と診療報酬について以下のように述べています。

病院・施設は、収入(そのほとんどが診療報酬)の中から人件費、材料費、その他の経費などを支払っています。人件費の中身は、給与費+法定福利費+研修費+退職金費などです。
一般的に病院・施設はほかの企業に比べて収入に占める人件費の割合(人件費率)が高いと言われています。
よって、病院・施設には、診療報酬という固定的な収益の中で経営戦略を立て、適切な給与制度により職員を雇用管理していく事が、質の高い医療提供のために求められていると言えます。

管理者・組織の技量

管理者・組織の技量も看護師の給料が低くなる原因の一つです。
管理者・組織が、固定的な収益の中で経営戦略を立てて、適切な給料を看護師に支払うことが大切です。

看護師の給料を上げる方法

続いては、看護師の給料を上げる方法を紹介します。

楽な職場に転職する

看護師の給料を上げる方法の1つ目は、楽な職場に転職することです。
仕事に責任が大きい場合には、今よりも楽な職場に転職することもおすすめです。
体感的に給料を上げることができるでしょう。

病棟以外に転職する

看護師の給料を上げる方法の2つ目は、病棟以外に転職することです。
病棟以外に転職することで、残業を避けながら働くことができるかもしれません。

病院以外に就職する

看護師の給料を上げる方法3つ目は、病院以外に就職することです。
病院以外に就職することも、時間外労働を少なくできる可能性があります。
病棟には患者さんが入院しているため、夜遅くもさまざまな仕事があります。
ですが、クリニックであれば営業時間外の仕事は少ないと言えるでしょう。

バイト・派遣社員になる

看護師の給料を上げる方法4つ目は、バイト・派遣社員になることです。
バイト・派遣社員になることで、今よりも効率的に稼げるかもしれません。
特にサービス残業が多い勤務先で働いている場合には、バイトや派遣社員のほうが給料が上がる可能性があります。

副業する

看護師の給料を上げる方法5つ目は、副業することです。
看護師の資格を活かしながら副業を行うことで、月収を上げられます。
ただし、副業に関しては病院ごとに規定があるため、確認しておきましょう。

訪問看護ステーションを起業する

看護師の給料を上げる方法6つ目は、訪問看護ステーションを起業することです。
訪問看護ステーションを開業することで、独立して働けます。
保健師又は看護師は、訪問看護ステーションの管理者になることも可能です。

まとめ

今回は、看護師の給料について紹介しました。
看護師の給料は高い、というイメージをお持ちの方もいると思いますが、実際はどうだったでしょうか。
看護師の給料は頭打ちであるという意見もあり、実際に50歳代でピークを迎え給料が増えづらい傾向にあります。
看護師の給料を上げる方法はいくつかありますが、自身のペースを大切に仕事を行うことが重要です。
無理して働くことは、看護師の仕事に影響を与えたり、心身のバランスを崩す原因となります。
自分のペースを大切にしながら、看護師の給料のアップを目指しましょう。
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