救命救急看護師の給料はいくら?救命救急看護師の役割・救命救急看護師に向いている人を徹底解説

救急車のイメージ画像
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救命救急看護師とは、救命救急センターや救急外来で働く看護師のことを言います。
日本救急看護学会では救急看護を以下のように定義しています。
「さまざまな状況において突然に生じた傷害または急激な疾病の発症や急性増悪等によって、医療を必要とする人々に対する迅速かつ適切な看護実践をいう」

緊急性の高い患者さんが多く搬送される救命救急センターや救急外来では、仕事量も多いイメージがあります。
そんな激務な救命救急看護師の給料は、いくらなのでしょうか。
今回は救命救急看護師の給料、救命救急看護師の役割、救命救急看護師に向いている人について解説します。
ぜひ参考にご覧ください。

救命救急看護師の給料

まず、救命救急看護師の給料について紹介します。

厚生労働省の発表によると看護師の平均年収は、508万1300円(平均年齢40.7歳)です。
また、新卒を含む20〜24歳の平均年収は354.9万円です。
最も高い平均年収は55〜59歳で、541.0万円です。

救命救急看護師の給料は、特殊業務手当が付くため看護師の平均給料よりも高い傾向にあります。

特殊業務手当

救命救急看護師の特殊業務手当について、紹介します。
救命救急看護師の特殊業務手当は、月額平均約1万円付与されると言われています。
他の診療科に比べ、集中力や体力が必要となるため、特殊業務手当が支給されます。

オンコール手当

救命救急看護師のオンコール手当について、紹介します。
オンコールは、いつでも対応できるよう待機している状態のこと。
オンコール手当は、一回1,000円から3,000円ほどだと言われています。

救命救急看護師の役割

救命救急看護師の役割を紹介します。
救命救急看護師になる方法や仕事内容について、見ていきましょう。

救命救急看護師になるには

救命救急看護師になるには、救命救急センターや救急外来に就職する必要があります。
救命救急センターや救急外来には、新卒で就職することも可能です。
あるいは、現在の診療科から救命救急センターや救急外来に転職することで、救命救急看護師になることができます。

救命救急看護師の仕事内容

救命救急看護師の仕事内容を紹介します。
救命救急看護師の仕事内容は、以下の通りです。
・心肺停止の患者の救急蘇生の処置
・骨折の応急処置
・頭部外傷など緊急性の高い患者さんの処置
・患者さんとその家族のサポート
・採血、点滴、酸素投与
・人工呼吸器や心電図モニターの管理
・トリアージ

救命救急看護師のやりがい

救命救急看護師のやりがいは、看護師としてスキルアップできることや、緊急時の対応ならではの達成感です。
患者さんの生命に直結する仕事なので、やりがいも大きいです。
一般病棟へと転棟できるまでに回復する患者さんを見られることも、大きなやりがいです。
また、患者さんやそのご家族から直接感謝されることも多いでしょう。

救命救急看護師の仕事で身につくもの

救命救急看護師の仕事で身につくものは、緊急時の対処方法です。
心肺停止の患者の救急蘇生の処置や、外傷への対処など、病院内外での緊急時にも役立つスキルを身につけることができます。

救命救急看護師の大変さ

救命救急看護師の大変さは、いくつかあります。
今回は、ミスが許されない・体力的にきつい・プライベートとの両立が難しい・緊張状態が続くといった理由について紹介します。

ミスが許されない

救命救急看護師の大変さは、ミスが許されないことです。
患者さんの生死に関わる場面では、特にミスは許されません。
現場は独特の緊張感があり、医師や先輩看護師から厳しい目を向けられることもあるでしょう。
新人看護師の場合には、特にプレッシャーを感じてしまうかもしれません。

体力的にきつい

救命救急看護師の大変さは、体力的にきついことでしょう。
いつ患者さんが搬送されてくるか分からない、救急の現場では、体力面できついと感じることも多いでしょう。
夜間にも緊急の呼び出しやオンコール業務があり、ハードになりやすいという特徴があります。
自己研鑽の時間も重要となるため、時間に追われることも多いかもしれません。

プライベートとの両立が難しい

救命救急看護師の大変さは、プライベートとの両立が難しいことでしょう。
先程も紹介した通り、夜間にも緊急の呼び出しなどがあるため、プライベートの時間が確保しづらいという特徴があります。
ご家族やお子さんがいる場合には、特に周囲の方からのサポートが重要となります。

緊張状態が続く

救命救急看護師の大変さは、緊張状態が続くことです。
救命救急看護師は、精神的な負担の大きな仕事です。
精神的な負担は、業務終了後も継続することがあります。
ショッキングな光景や、患者さんを救えなかったことへの後悔などを、自宅に帰っても考えてしまい、緊張状態が続く可能性があります。

救命救急看護師に向いている人とは

救命救急看護師に向いている人とはどのような人なのでしょうか。
救命救急看護師に向いている人の特徴を紹介します。

向上心がある

救命救急看護師に向いている人は、向上心がある人です。
救命救急看護師は、さまざまなスキルや医療機器の使用方法などをマスターしておく必要があります。
先進医療は、日進月歩です。
新しい機器も頻繁に増えるため、学習が欠かせません。
向上心がある人は、日々学習を進めることができ、知識をアップデートできるでしょう。

気持ちを切り替えられる

救命救急看護師に向いている人は、気持ちを切り替えられる人です。
救命救急の場面は、独特の緊張感が漂っています。
そして、日々さまざまな出来事が絶え間なく起こります。
患者さんを救えないことや、ご家族から気持ちをぶつけられることもあるでしょう。
精神的に負担となることが多くあり、気持ちを切り替えないと働き続けることは難しいかもしれません。
辛い気持ちや落ち込んだ気持ちを切り替えることができる人は、救命救急看護師に向いていると言えるでしょう。

チームプレーが得意

救命救急看護師に向いている人は、チームプレーが得意な人です。
救命救急では、円滑なチームプレーが求められます。
医師との関係性や、他病棟や手術室との調整など、さまざまな職種の方々とも連携を取る必要があります。
コミュニケーション能力が高く、周囲と円滑に関係を築ける人は、救命救急看護師に向いています。

覚悟がある

救命救急看護師に向いている人は、覚悟がある人です。
救命救急に興味があることや、人を救うことに覚悟があることは、救命救急看護師として働くために必要なことです。

救命救急看護師におすすめの資格

救命救急看護師におすすめの資格を紹介します。
今回は、クリティカルケア認定看護師・急性、重症患者看護専門看護師・ICLS・JPTECについて見ていきましょう。

クリティカルケア認定看護師

救命救急看護師におすすめの資格の1つ目は、クリティカルケア認定看護師です。
クリティカルケア認定看護師は、2020年度から開始された新たな認定資格です。
救急看護認定看護領域と集中ケア認定看護領域が統合されています。

クリティカルケア認定看護師の教育目的は、以下の通りです。
1.クリティカルケア分野において、個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論能力と病態判断能力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践できる力を育成する。
2.クリティカルケア分野において、看護実践を通して看護職に対し指導を行える能力を育成する。
3.クリティカルケア分野において、看護職等に対しコンサルテーションを行える能力を育成する。
4.クリティカルケア分野において、多職種と協働しチーム医療のキーパーソンとしての役割を果たせる能力を育成する。

急性・重症患者看護専門看護師

救命救急看護師におすすめの資格の2つ目は、急性・重症患者看護専門看護師です。
急性・重症患者看護専門看護師は、2004年度に特定された専門看護分野です。
急性・重症患者看護専門看護師は、危機的状況にある患者に対し、最善の医療が提供できるよう支援する役割を担います。

急性・重症患者看護専門看護師について、一般社団法人日本専門看護師協議会は以下のように述べています。

急性・重症患者看護専門看護師は、緊急度や重症度の高い患者に対して集中的な看護を提供し、患者本人とその家族の支援、医療スタッフ間の調整などを行い、最善の医療が提供されるように支援しています。
患者・家族、看護師や多職種や組織に対して、専門看護師の6つの役割(実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究)を用いて活動しています。患者の速やかな全身状態の安定や、クオリティ・オブ・ライフの尊重に根ざしたケアの提供に努めています。
活動の場は地域の中核病院や大学病院など医療施設の救命救急センター、ICU・CCU・救急外来、看護部管理室、また大学・大学院などの教育機関など多岐に渡っています。
様々な場で看護実践や相談、チーム医療とケアシステムの構築、社会活動、研究活動など、より質の高い看護を提供するために多様な活動を行っています。

活動内容は、個人、家族及び集団に対する直接的な看護実践。
看護職を含むケア提供者に対する相談(コンサルテーション)。
必要なケアが円滑に行われるための保健医療福祉に関わる人々の間の調整。
患者・家族及び集団の権利を守るための倫理的な問題や葛藤の解決をはかる倫理調整。
専門看護分野におけるケアを向上させるための看護者に対する研修会、研究指導及び講演会等での活動を含む多様な教育的機能。
専門知識及び技術の向上ならびに開発を図るための実践の場における研究活動などを行っています。

ICLS

救命救急看護師におすすめの資格の3つ目は、ICLSです。
日本救急医学会によると、ICLSとは以下の通りです。

医療従事者のための蘇生トレーニングコースです。緊急性の高い病態のうち、特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を習得することを目標としています。講義はほとんど行わず、実技実習を中心としたコースです。受講者は少人数のグループに分かれて実際に即したシミュレーション実習を繰り返し、約1日をかけて蘇生のために必要な技術や蘇生現場でのチーム医療を身につけます。

 日本救急医学会では、一定の基準を満たしたコースに対して「コース認定」を行っています。コースの指導者を養成するためのワークショップ開催や、指導者の学会認定も行っています。

JPTEC

救命救急看護師におすすめの資格の4つ目は、JPTECです。
日本赤十字社医療センター救命救急センターによると、JPTECとは以下の通りです。

Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care(JPTEC:ジェイピーテック)は、我が国のすべての病院前救護にかかわる人々が習得すべき知識と体得すべき技能が盛り込まれた活動指針として定められました。
病院前の重症外傷患者を主として扱っていますが、重症患者観察のプロセスは内科外科疾患全般に応用可能です。

病院前救護に関わる救急隊や医療従事者を対象としたプロバイダーコース、ミニコースおよび非医療従事者を対象としたファーストレスポンダーコースが設定されています。

まとめ

今回は、救命救急看護師について紹介しました。
救命救急看護師の給料、救命救急看護師の役割、救命救急看護師に向いている人について、理解していただけたでしょうか。
救命救急センターや救急外来で働くことは、責任が重く、体力的にもきつい傾向にあります。
向上心がある人や、覚悟がある人にはやりがいも大きいでしょう。
救命救急看護師を志している方には、資格の取得もおすすめです。
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