応援ナース・トラベルナースとは?応援看護師のメリット・デメリットを徹底解説!

看護師の働き方は、昨今多様化が進んでいます。
病院で働いているイメージの強い看護師ですが、実はさまざまな働き方が可能です。
今回は、自由な働き方が魅力の応援ナース・応援看護師・トラベルナースについて紹介します。
応援ナースのメリット・デメリットも徹底解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
応援ナースとは
応援ナースとは、医療機関で一時的な人手不足を解消するために働く看護師のことです。
アメリカでは一般的な働き方ですが、日本では認知度が低くあまり浸透していません。
さまざまなメリットがある働き方で、多様なビジネススタイルを好む方から支持されています。
応援ナースは、トラベルナース・応援看護師とも呼ばれます。
次章以降で応援ナースになる方法や働き方について詳しく解説します。
応援ナースになるには
応援ナースの雇用形態は、アルバイト・契約社員などの非正規雇用が一般的です。
応援ナースになるには、派遣会社に登録して派遣スタッフとして病院で働く形や、人材紹介会社から紹介された病院に直接雇用されて働く形があります。
直接雇用で働く場合は、社会保険に加入できるのも嬉しいポイントです。
基本的に即戦力が求められるため、ある程度看護師としての経験があると有利です。
職場によっては、「臨床経験が何年以上」と応募の際に規定を設けている場合もあります。
応援ナースの契約期間
応援ナースの契約期間は、基本的に半年間です。
ただし、まれに3ヶ月などの短期での募集もあります。
あるいは、1年などの長期の場合も。
契約期間は、双方の同意によって柔軟に変えられるケースもまれにありますので、面談の際には自分の意思をしっかりと伝えましょう。
応援ナースの勤務先
応援ナースの勤務先は、さまざまです。
病院が一般的ですが、介護老人施設や障害者支援施設などでの募集があるケースも。
救急外来・ICUなど、専門色の強い職場に回されることもあります。
都市部や地方、全国各地の医療機関から希望条件に合わせて勤務先を選択できますので、自分に合った職場を希望しましょう。
応援ナースの一日のスケジュール
次に、応援ナースの一日のスケジュールを紹介します。
これは一例ですので、実際のスケジュールとは異なる場合があります。
8:00 業務開始
8:30 ミーティング、カンファレンス、申し送り
9:00 患者さんの検温
9:30 採血
10:00 診療の補助
11:00 見回り
12:00 休憩
13:00 患者さんの身体ケア
14:00 患者さんへの教育的支援
15:00 看護カルテの記入
16:00 申し送り
17:00 勤務終了
病院によっては、早番、遅番など勤務形態が複数ある場合もあります。
また、診療時間の長い病院やクリニックでは、交代制をとっていることもあります。
応援ナースの有給休暇・希望休暇
次に、応援ナースの有給休暇・希望休暇について解説します。
応援ナースは基本的に、有給休暇は取得できません。
有給休暇は半年以上勤務すると取得できますので、契約期間が長い場合には取得できる可能性もあるでしょう。
希望休暇の取得は可能です。
病院は多忙な場合が多いので、希望休暇の取得に関しては申請時期など確認しておきましょう。
応援ナースのメリット・デメリット
続いては、応援ナースのメリット・デメリットを解説します。
どんなメリット・デメリットがあるのかを知っておくことは働く上での参考になりますので、ぜひご確認ください。
応援ナースのメリット
まずは、応援ナースのメリットから見ていきましょう。
好きな場所で働ける
応援ナースのメリット1つ目は、好きな場所で働けることです。
全国各地、求人があればどこでも働くことができます。
馴染みのある土地や、全く新しい土地、憧れの土地など、自分の好きな場所を選べます。
移住して働くことで、各土地の伝統文化も感じることができますよ。
旅行気分で働くこともできるでしょう。
看護師不足の地域での募集が多いですが、最近では都心部での求人も増えています。
また、定期的に働く場所を変えることで、日本を一周することもできるかもしれません。
収入が良い
応援ナースのメリット2つ目は、収入が良いことです。
給与の高い職場を優先的に選ぶことで、高収入を目指せますよ。
また地域によっては、今の職場よりも収入が高い場合も。
ただしボーナスの支給はないため、基本給が高い職場を選択する必要があります。
自由な働き方ができる
応援ナースのメリット3つ目は、自由な働き方ができることです。
病院ごとにさまざまな労働条件があり、希望の勤務先を選ぶことで自由に働くことができます。
基本的には残業もないため、自分の時間を大切にできるでしょう。
また、病院の係や研修、委員会、プリセプター制度、看護研究などへの参加義務がないケースもあるので、役割に縛られずに働けるのも嬉しいポイントです。
看護業務だけに集中することができます。
契約期間が終了したら長期休暇を設けて、ゆったりと休みを満喫することもできるでしょう。
海外旅行が好きな方にも、応援ナースはおすすめです。
また、副業をしたい方にとっても応援ナースはおすすめです。
病院によっては正社員は副業禁止、というケースもありますが、派遣として働く応援ナースならば制限なく副業を行えます。
ただし、応援ナースとしての出勤に支障をきたさない範囲で行いましょう。
さまざまな診療科を経験できる
応援ナースのメリット4つ目は、さまざまな診療科を経験できることです。
病院に正社員として就職すると、長く一つの診療科で働くことになります。
ですが、応援ナースであれば、さまざまな診療科を転々とできます。
学びも多く、看護師としての知識もたくさん吸収できるでしょう。
また、応援ナースは病院以外でも働くことができます。
介護老人施設や障害者支援施設など、病院とは違った経験もできるでしょう。
いろいろな分野を体験することで、仕事の幅も広がります。
将来のキャリアについても視野が広がるでしょう。
逆を言えば、さまざまな診療科に適応する能力がなければ、応援ナースとして働くことは難しいでしょう。
豊富な知識を有し十分なスキルがないと、即戦力として働けません。
応援ナースの応募資格は看護師資格だけですが、最低でも3年以上の臨床経験があるとスムーズに業務をこなせるでしょう。
人間関係に悩みづらい
応援ナースのメリット5つ目は、人間関係に悩みづらいことです。
看護師は人間関係で悩むことが多い職業です。
先輩看護師との関係がうまくいかないこともあるでしょう。
ですが応援ナースは、定期的に職場が変わるため、苦手な人がいてもすぐに離れることができます。
あまり人と親密な関係になるのが苦手な方にも、応援ナースはおすすめです。
仕事上必要なコミュニケーションさえ取っていれば問題なく働けます。
応援ナースのデメリット
次に、応援ナースのデメリットを紹介します。
勤務先が多忙
応援ナースのデメリット1つ目は、勤務先が多忙ということです。
基本的に人手不足な病院に派遣されるため、勤務先は多忙な傾向にあります。
忙しすぎて「こんなはずじゃなかった」と思うことも。
好きな場所で働けたのに、旅行気分どころではない可能性もあります。
助っ人として働くことになるため、てきぱきと業務をこなさなければなりません。
即戦力としてスキルがある方が採用されるので、重症患者さんを任されるケースも多いでしょう。
看護師としての経験年数が少ない方にとっては、かなりハードかもしれません。
新しい環境に順応しなくてはいけない
応援ナースのデメリット2つ目は、新しい環境に順応しなくてはいけないことです。
定められた期間ごとにさまざまな職場に派遣されるため、新しい環境に素早く適応する能力が求められます。
新しい土地にも新しい職場にも、すぐに順応して働き始める必要があります。
職場の構造や物品の保管場所、仕事内容も新しく覚え、すぐに業務に慣れる必要があります。
仕事内容を十分に把握するためには、周囲の方との連携も重要です。
病院や施設によっては、築年数がかなり古い可能性も。
あまりきれいでない職場で働かなければいけないときもあります。
「仮眠室や休憩室の設備が整っていない」「雨漏りしている」など、不満を感じることもあるかもしれません。
スーパー・コンビニが近くにない地方に派遣される可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
キャリアアップしづらい
応援ナースのデメリット3つ目は、キャリアアップしづらいことです。
応援ナースとしての働き方は、キャリアアップにはあまり向いていません。
看護師のキャリアアップでは、その病院での勤続年数なども重要視されます。
定期的に職場が変わる応援ナースでは、管理職の募集要項に適さないことが多いでしょう。
看護師として上の立場を目指している方は、一つの職場で長く働くほうが有利かもしれません。
職場の人と仲が深まらない
応援ナースのデメリット4つ目は、職場の人と仲が深まらないことです。
契約期間のみの勤務ですので、なかなか職場の人たちと中を深めることは難しいでしょう。
ただし、応援ナースとして働くためには業務上必要なコミュニケーションを取っていれば大丈夫なので、過度に心配する必要はありません。
また、中には応援ナースに厳しい看護師もいます。
応援ナースは研修や勉強会に参加する必要がなく、また残業も少ないです。
そのため不平等だと考える看護師もおり、応援ナースに厳しい態度を取る人も。
ですが、一定期間勤めたら二度と会わないと考えれば、あまり気にする必要はないでしょう。
引っ越しが大変
応援ナースのデメリット5つ目は、引っ越しが大変なことです。
新しい職場が決まれば、今の家から引っ越さなければなりません。
荷物が多い人は毎回毎回まとめる必要があり、引っ越しが大掛かりになることも。
ただし、応援ナースは基本的には病院の寮や、定められたウィークリーマンションなどに住むことになります。
家具や家電付きの住居を案内してもらえることも多いので、必要最低限の荷物で引っ越せるでしょう。
確定申告が面倒
応援ナースのデメリット6つ目は、確定申告が面倒なことです。
応援ナースは基本的に自分で確定申告をすることになります。
不慣れな人には、確定申告は面倒な作業です。
定められた期間内に、正しく書類を揃え税務署に提出する必要があります。
確定した所得税は、正確に納めなければいけません。
また年末調整の時期に、どこかの医療機関に配属されている場合には、対応してもらえるケースもあるそうです。
応援ナースに向いている人
応援ナースに向いている人には、以下のような特徴があります。
今回は2つの特徴について解説します。
好奇心旺盛な人
応援ナースに向いている人の特徴は、好奇心旺盛なことです。
「新しいことを学びたい」「まだ住んだことない場所で暮らしてみたい」そんな好奇心で溢れている人は、応援ナースに向いています。
好奇心旺盛な人であれば、楽しみながら応援ナースとして働けるでしょう。
コミュニケーションが得意な人
応援ナースに向いている人の特徴は、コミュニケーションが得意なことです。
応援ナースは、新しい場所でさまざまな人達と円滑にコミュニケーションをとる必要があります。
適度にコミュニケーションをとれないと、なかなか職場に慣れることができません。
業務上必要な会話は欠かせないでしょう。
ですので、応援ナースはあまり人と話すのが得意でない人にとっては、難しい働き方かもしれません。
まとめ
今回は応援ナース・トラベルナースに関する情報をまとめました。
応援ナースとして働くメリットは、好きな場所で働けること、収入が良いこと、自由な働き方ができること、さまざまな診療科を経験できること、人間関係に悩みづらいことです。
また、応援ナースとして働くデメリットは、勤務先が多忙なこと、キャリアアップしづらいこと、職場の人と仲が深まらないこと、引っ越しが大変なこと、確定申告が面倒なことです。
メリットとデメリットを比較して、自分に合う働き方を目指しましょう。






