未経験の看護師が働ける職場とは?転職のコツについても解説

「看護師の資格は持っているけれど、臨床経験がほとんどない場合、働ける職場はあるのだろうか?」と悩んでいる人は必見!臨床経験がなくても、看護師の資格を活かして働ける職場について解説します。
臨床経験なしの看護師でも、働ける職場はある?
臨床経験がない看護師でも、働ける職場ははたしてあるのでしょうか?結論から言うと、たとえ未経験でも、看護師の資格があれば
医療機関などに採用してもらえるチャンスはあります。それはなぜかというと、現在医療業界は深刻な看護師不足で、未経験でも一生懸命やってくれる人がいれば、採用したいと考える職場が結構あるからです。
特に教育体制や研修体制が整った病院は、未経験者を一から育てる環境が整っているので、採用してもらえる可能性が十分にあります。逆に臨床経験のない看護師は、医療に対する考え方ややり方が固まっていないため、育てやすいと考える医療施設もあります。
そうした柔軟性や素直さは、未経験者のアピールポイントでもあるので、自信を持って転職活動を行いましょう!
未経験の看護師におすすめの職場
未経験の看護師を受け入れる病院や施設が多いとはいえ、どこにでも転職できるかというと、そういうわけではありません。やはり未経験の看護師が転職しやすい職場というものがあるので、そちらを中心に探すとスムーズに転職できます。
小規模病院やクリニックの外来
規模の小さな病院やクリニックの「外来勤務」は、病棟勤務に比べて緊急対応が少なく、難しい医療行為もあまりありません。夜勤もないので、子育て中の人でも社会復帰しやすく、無理なく働くことができます。
業務内容としては、問診・身体測定・検査補助・採血などが中心なので、未経験者でもサポートを受けながら着実に覚えることができます。
回復期リハビリテーション病棟
脳血管疾患などの後遺症をもつ患者さんのリハビリを行う「回復期病棟」「リハビリテーション病棟」は、医療行為が少なく、未経験の看護師さんでも働きやすい職場です。患者さんの身体機能を回復させ、在宅復帰できるようにするための施設なので、患者さんの介助業務やメンタル面のケアなどが業務の中心となります。そういう点では看護師としてのスキルよりも、患者さんをいかに励まして前向きにリハビリに取り組んでもらえるかが重要になるので、臨床経験のない看護師さんでも力を発揮することができます。
慢性期病棟
「慢性期病棟」や「療養型の病院」などは、急性期病棟に比べて難しい医療行為も少なく、未経験の看護師さんでも落ち着いて働くことができます。
重症の患者さんが少なく、緊急対応もさほどないので、先輩からしっかりと教育を受けることもできるでしょう。
健診・検診センター
「健診・検診センター」は、検査が目的の施設なので、緊急対応や難しい医療行為は一切ありません。そのため、臨床経験のない看護師さんでも、十分に務めることができます。業務内容としては、問診や身体測定、検査補助・採血などが中心です。ただし、採血だけはスキルが必要なので、復職支援研修で採血の方法を学んでおく必要があります。
健診・検診センターは予約制なので、残業も少なく、子育て中で働き方に制限のある人でも安心して働くことができます。
訪問入浴
「訪問入浴」も、臨床経験のない看護師さんが働きやすい仕事のひとつです。看護師1人に介護職員2名がチームを組み、利用者さんの自宅を訪問します。業務内容としては、まずバイタルチェックを行い、入浴可能であれば介護士さんと一緒に入浴の介助を行います。
訪問入浴は予約制なので、残業や緊急対応などは少なく、夜勤もありません。ただし、ごく稀に利用者さんの体調が急変することもあり、その際は看護師さんが1人で判断をしなければなりません。臨床経験のない看護師さんにはその判断は難しいので、最初は先輩に同行してもらうか、何らかのサポートをしてもらう必要があるでしょう。
介護施設
「介護施設」は、利用者さんの健康管理とともに経管栄養や喀痰吸引、インスリン注射、褥瘡ケアなど、ある程度の技術を要する医療行為がいくつかあります。そのため、臨床経験のない看護師さんは、ベテランの看護師さんがいる介護施設を選んだ方がいいでしょう。
利用者さんの容態が急変する可能性も十分にあり、そのときにどう対応したら良いかも、ベテランの看護師さんに付いてしっかりと学んでいくことが大切です。
介護施設には特別養護老人ホームから、介護付き有料老人ホーム、介護老人福祉施設など、さまざまあります。それによって業務内容もかなり違ってくるので、自分の適性に合った施設を選ぶことも大切です。
未経験の看護師が転職するときのコツ
未経験の看護師が転職する際には、気を付けておきたいポイントがあります。看護師は人の命を預かる職種なので、その辺の重要性も認識しつつ、心して転職活動に向かいましょう。
教育・研修制度が整っている職場を選ぶ
臨床経験のない看護師さんが転職する場合は、教育・研修制度の整った病院や施設に転職するのが、ベストの方法です。新人研修をしっかりと行い、その後もプリセプターがしっかりと付いてサポートしてくれるような職場を選べば、安心して働き始めることができます。
職場見学や面接などの際に、臨床経験のない看護師を採用したことがあるか、ある場合はその人がどのようにしてスキルを身につけていったかを、確認してみるのもひとつの方法です。
復職支援研修を受ける
看護師を辞めてから長いブランクのある方や、臨床経験がほとんどない看護師さんに対して、地方自治体のナースセンターが復職支援研修を行っています。この研修を受講すると、採血や点滴などの技術演習をはじめ、アセスメントや感染症予防などの講義、病院や施設の体験学習などが受けられます。
たとえば東京都ナースプラザでは、「病院体験コース」や「施設体験コース」「学校に戻って体験コース」など、復職を考える看護師さんのためにさまざまなコースを用意しています。こうした研修を受けることで、再就職する際にも自信を持って臨むことができるでしょう。
未経験で転職に成功した看護師からの声
10年のブランクから復職を果たした看護師さんの事例
Aさんは看護専門学校を卒業後、病院に勤務しましたが、すぐに結婚・退職。その後は子育てに専念していましたが、もう一度看護師として働きたいと考え、復職支援研修を受けて地元の回復期リハビリテーション病院に転職しました。
最初は戸惑いもありましたが、先輩看護師さんに手厚くサポートしてもらいながら、少しずつ業務を覚えていくことができました。今では経験豊かな看護師さんたちと同じように、テキパキと働いています。
未経験の看護師さんが介護施設に転職した事例
Sさんは准看護師の資格を取得したものの、病院には就職をせずにすぐ結婚し、自宅近くのコンビニで働いていました。しかし、子どもが小学校に上がったのを機に、看護師として働きたいと考え、転職活動を始めました。未経験可の看護師求人を探していたところ、新しくできる介護保険老人施設で看護師を募集していることがわかり、面接をしたところ採用してもらえることになりました。
現在はベテラン看護師のサポートのもと、利用者さんとコミュニケーションを取りながら、やりがいを持って働いています。
まとめ
臨床経験の少ない看護師さんが再就職を考えるのは、とても勇気のいることです。「仕事でミスをしたらどうしよう」「周囲に迷惑をかけるかもしれない」など、いろいろ考えると悩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、心配することはありません。復職支援研修などを受けながら、未経験でも無理なく働ける職場を選べば、安心して働き始めることができます。未経験の看護師さんが復職することは、社会的にも望まれていることなので、まずは勇気を持って一歩を踏み出しましょう!





