薬を安全に投与する方法! 6Rと副作用チェックのコツ

与薬の基本と看護師の役割
与薬とは、患者の病気の症状に合わせて、医師が処方した薬を投与することです。
看護師は、指示内容を理解したうえで、
- 患者にとって安全か?
- 自身が実施可能な処置か?
を判断し、責任をもって与薬する役割を担います。
与薬の際には、一連の過程を通して、「6R(six rights)」と呼ばれる安全確認ポイントを確実に守ることが求められます(図1)。正しい「患者、目的、薬剤、用量、用法(経路)、時間(タイミング)」を確認して、注射・点滴・経管投与など、どの経路でも6Rを守ることが、安全な投与につながります。
また、投与後の患者観察も重要な役割です。副作用などの異常があれば、速やかに対応しなければなりません。
このように、与薬は看護師にとって重要かつ責任の重い業務です。安全な与薬のためには、
- 適切な判断
- 確実な与薬技術
- 治療方針の理解
- 薬剤の知識
が必要となります。
与薬エラーを防ぐために
日本病院機能評価機構のヒヤリ・ハット事例収集・分析報告(2024年1月~9月)によると、薬剤関連の事例は6,637件で、全体の35.2%を占め、最も多いことが報告されています1)。このような与薬エラーを減らすためには、6Rの徹底と、次のような安全確認の強化が必要です。
与薬の安全確認のポイント
- 指差し確認
- 声出し確認で、意識的にチェックする
- 6Rの確認を各段階で確実に実施する
①指示内容・薬剤の確認
②薬剤の取り出し・準備時
③ベッドサイドでの与薬直前 - ダブルチェック(2人以上で確認)を行う (多くの施設で採用、図2)
- 何かおかしいと感じたら必ず立ち止まり、確認・相談を行う
副作用のチェックと観察のポイント
副作用を早期に発見し、適切に対応するためには、「全身状態」「局所症状」の観察が重要です。
全身状態の観察ポイント
- バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸)の変化
- 意識レベルの変化(ぼんやりする、意識消失など)
- 皮膚の変化(発疹、かゆみ、腫れなど)
- 消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など)
- 呼吸器症状(呼吸困難、喘鳴、咳など)
- 精神症状(興奮、錯乱、幻覚など)
局所症状の観察ポイント
- 注射部位(腫れ・発赤・疼痛)
- 点滴部位(血管痛・腫脹・漏れ)
- 内服薬による口腔内の異常(口内炎、味覚異常など)
効果的な観察方法
- 投与前後の比較(投与前と後で患者の状態を比較し、変化がないか)
- 患者への聞き取り(体調の変化や気になる症状があるか質問)
- 薬の特性を理解(副作用のリスクや注意すべき症状を事前に把握)
- 適切な観察時間の確保(薬によって副作用が出現しやすいタイミングが異なるため、投与後30分以内や数時間後など時間を決めて観察)
- 多職種連携(薬剤師や医師と情報共有し、安全な薬物療法を提供)
- 記録(観察した内容や患者の訴えを正確に記録)
特に注意が必要な副作用
- アナフィラキシーショック
-呼吸困難、血圧低下、意識消失などを伴う重篤なアレルギー反応
-投与後30分以内に起こることが多いため、特に注意が必要 - スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死融解症(TEN)
-皮膚や粘膜に水疱やびらんが生じる重篤な皮膚障害
-早期発見・早期治療が重要
与薬の安全を守るため、6Rの徹底と副作用の早期発見を心がけましょう!
また、6Rの遵守は基本ですが、ヒューマンエラーを完全に防ぐことは容易ではないため、近年では AI技術を活用した与薬管理システムや自動払出システム、電子カルテとの連携など、テクノロジーを活用した安全対策も進んでいます。6Rに加えて、これらを活用することで、人的ミスのリスクを低減し、より安全な薬物療法の提供が可能になります。看護師の確認負担を減らしながら、より安全に与薬を実施できる環境を整えることが期待されています。
また、6Rの遵守は基本ですが、ヒューマンエラーを完全に防ぐことは容易ではないため、近年では AI技術を活用した与薬管理システムや自動払出システム、電子カルテとの連携など、テクノロジーを活用した安全対策も進んでいます。6Rに加えて、これらを活用することで、人的ミスのリスクを低減し、より安全な薬物療法の提供が可能になります。看護師の確認負担を減らしながら、より安全に与薬を実施できる環境を整えることが期待されています。
監修/執筆
社会医療法人純幸会 関西メディカル病院
感染管理室 副室長 管理師長
感染管理認定看護師/特定看護師
勝平真司
社会医療法人純幸会 関西メディカル病院
感染管理室 副室長 管理師長
感染管理認定看護師/特定看護師
勝平真司
参考文献
公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部.“ヒヤリ・ハット事例収集・分析・提供事業”.医療事故情報収集等事業.第79回報告書(2024年7月~9月).21.https://www.med-safe.jp/pdf/report_79.pdf






