ステロイドで眠れない患者さんへの対応について

看護師:ステロイドで眠れない患者さんへの対応
バナー広告
バナー広告
患者さんの治療法によって、薬の副作用でさまざまな症状が出ることも多くあります。
中でも今回は、ステロイドパルス療法をする患者さんの副作用についてご紹介します。
ステロイドパルス療法の副作用から、夜入眠できない患者さんに対して看護師ができることまでをまとめました。ステロイドの副作用が知りたい方や、患者さんの睡眠ケアでお悩みの方は参考にしてください。

ステロイド|代表的な6つの副作用

ステロイド点滴の代表的な6つの副作用についてご紹介します。

①眠れない(不眠、興奮、抗うつ)

夜になると眠れなくなり、気持ちが興奮したかと思うと鬱状態になるなど、不安定な状態を繰り返すことがあります。夜になると不安になる患者さんも多いので、言動などにも注意が必要です。周りに危険な物がないかなども看護師は注意していきましょう。

②易感染(感染症にかかりやすい)

ステロイド点滴によって免疫が抑制されているため、さまざまなウイルスに感染しやすくなります。感染予防のため、患者さんの外出時にはマスクや人混みを避けるなどの注意が必要です。手洗い・うがいはもちろん、担当する看護師自身も体調管理に気を付けましょう。

③骨粗鬆症(骨が脆くなりやすい)

ステロイド点滴によって、骨が脆くなります。転ぶ、つまずくなどのちょっとした事でも骨折しやすくなります。特に、背骨や手首、また太ももの付け根などが骨折しやすい場所なので注意しましょう。骨折すると、骨折部分に強い痛みを感じます。

④糖尿病(血糖値が上がりやすい)

ステロイド点滴によって、肝臓からの糖放出が進んでしまうこと、インスリンの分泌が抑えられてしまうことにより糖尿病になりやすくなります。糖尿病の既往歴のない患者さんでも、しっかりと血糖値の測定をしていきましょう。

⑤消化管症状(粘膜が弱くなる)

ステロイド点滴によって、消化管の粘膜が弱くなります。消化管の粘膜が弱くなると、潰瘍ができやすくなるため、胃の粘膜を保護する薬を医師に処方してもらうこともあります。

⑥不整脈、高血圧(急変に注意)

ステロイド点滴によって、不整脈や高血圧になりやすくなります。特に、急速な投与では不整脈が出現しやすくなります。投与の方法や適切な時間を守って投与しましょう。

ステロイドの副作用で眠れない時に看護師ができること

では次に、ステロイドの副作用で眠れない患者さんに看護師ができることをご紹介します。

・睡眠薬・抗不安薬の処方

ステロイドの副作用で、不眠や不安定になる患者さんは多くいます。事前に心配な患者さんの場合には、医師に睡眠薬・抗不安剤を処方してもらいましょう。担当看護師は、薬の管理をして、患者さんが夜安心して眠れるように決められた時間に薬を飲むよう確認しましょう。

・アロマセラピー

アロマの香りをかぐと嗅覚が脳を刺激し、自律神経を司る部分にまで達すると言われています。気持ちをリラックスさせる効果があるのでステロイドの副作用で眠れない患者さんにもおすすめです。しかし、入院中の患者さんの場合には、他の患者さんにも香りが広がってしまうことがあります。香りの好みは人それぞれなので、周りの方へ配慮しながら行いましょう。

・足浴

特に冷え性の患者さんにおすすめなのが、足浴です。末端の血流がよくなることにより、体全体の体温が上がり、眠りやすくなります。リラックス効果があるので、患者さんにも人気の足浴ですが看護師の人手不足によって対応ができないことも多いようです。

ステロイドによる副作用を知り、患者さんの看護をしましょう

今回は、ステロイドの副作用と看護師ができる不眠ケアについてご紹介しました。
ご紹介したように、ステロイドパルス療法においては、さまざまな副作用が出る可能性があります。患者さんの変化に素早く気付けるように看護していきましょう。
看護師・准看護師・助産師・保健師へ就職・転職をお考えの方は、ぜひ看護師ワーカーにご相談ください!
電話で相談バナー