ナース必須! バイタルサインの正確な測定方法と異常チェック

バイタルサインとは
バイタルサインとは「生命徴候」のことで、一般的には意識、体温、血圧、脈拍、呼吸数の5つを指します。
意識レベルの評価
意識状態の評価にはGlasgow Coma Scale(GCS)図1とJapan Coma Scale(JCS)図2が用いられます。
GCSは運動機能の詳細な評価が可能ですが、意識状態の詳細な評価はできません。
JCSは覚醒状態の詳細な評価のみ可能です。
このように各スケールの特徴を理解して使い分ける必要があります。
JCSは覚醒状態の詳細な評価のみ可能です。
このように各スケールの特徴を理解して使い分ける必要があります。
意識レベルのアセスメントでは、最初に痛み刺激は与えず、覚醒状態を観察するのが原則です。次に声かけを行い、反応や会話の内容を確認します。
声かけを行っても開眼などの反応がなければ、痛み刺激を加え、GCSまたはJCSを用いて記録・比較(悪化 or 改善を判断)し、異常があれば即時に報告・緊急対応をとります。
意識に問題がなくても、表情の曇りがあれば何かある!(異常のサイン)として考える習慣を付けましょう。
意識に問題がなくても、表情の曇りがあれば何かある!(異常のサイン)として考える習慣を付けましょう。
スケールの使い分け
- GCS:開眼・言語・運動の3項目を数値化し、状態の変化が追いやすいため、救急搬送時・外傷・意識障害の重症度評価などに有効です。
- JCS:シンプルで迅速、病棟での日常的な評価に適しています。
体温の測定と発熱の鑑別
体温はほぼ一定の温度の約37.0℃に保たれています。
測定部位により変化し、口腔温、鼓膜温、腋窩温の順に低くなります。腋窩温は患者にとって簡便ですが、環境や測定方法に左右されるため、腋窩の最深部に体温計の先端を当てるように差し込み、できるだけ密着させて測ります。
汗があると体温が低く出ることがあるため、事前に乾いたタオルなどで十分に汗を拭き取ることも大切です。
測定部位により変化し、口腔温、鼓膜温、腋窩温の順に低くなります。腋窩温は患者にとって簡便ですが、環境や測定方法に左右されるため、腋窩の最深部に体温計の先端を当てるように差し込み、できるだけ密着させて測ります。
汗があると体温が低く出ることがあるため、事前に乾いたタオルなどで十分に汗を拭き取ることも大切です。
発熱の原因は多岐にわたり、大部分は感染症ですが、2週間以上持続する発熱は非感染性疾患(膠原病や悪性腫瘍など)も考慮が必要です。
院内発熱の原因鑑別に使われるのが「院内発熱8D 」です。
- Device デバイス
- C.difficile 偽膜性腸炎
- Drug 薬剤熱
- Decuvitus 褥瘡
- DVT 深部静脈血栓症
- Pseudogout 偽痛風
- Deep abscess 深部膿瘍
- Debris 胆泥
スペルのDを考えながら院内発熱を考えていきます。
このほか、肺炎、尿路感染症、手術部位感染症、うつ熱も考慮します。
また高齢者では体温調節機構の低下によって発熱がなくても感染症の場合があるため注意が必要です。
病態によって特徴的な熱型を呈することがあり、その熱型によって疾患を推測することができます(表1)。しかし抗菌薬や解熱薬、ステロイドなどを投与している患者は典型的な熱型を示さない場合もあるので注意が必要です。
病態によって特徴的な熱型を呈することがあり、その熱型によって疾患を推測することができます(表1)。しかし抗菌薬や解熱薬、ステロイドなどを投与している患者は典型的な熱型を示さない場合もあるので注意が必要です。
血圧の測定と評価
血圧は日内変動があり、夜から覚醒前の朝にかけては低く、覚醒直後から日中は高くなり、午後の早い時間には少し下がり、夕方からまた高くなります。
また、精神状態(食事、運動、緊張など)、体位、気温、時間帯などの影響を受けて変動します。
そのため、血圧を測定する時は、緊張をほぐす、室温調整を行うことも大切です。
また、精神状態(食事、運動、緊張など)、体位、気温、時間帯などの影響を受けて変動します。
そのため、血圧を測定する時は、緊張をほぐす、室温調整を行うことも大切です。
一般的には右上腕で測定し、腕と心臓を同じ高さに保ちます。
腕を心臓より上げると、血流に重力の抵抗が加わるため血圧は低くなります。
逆に腕を心臓より下げると、血流に重力が加わるため血圧が高くなります。
血圧計と心臓の高さは同じにしなくても計測値には影響はありません。
腕を心臓より上げると、血流に重力の抵抗が加わるため血圧は低くなります。
逆に腕を心臓より下げると、血流に重力が加わるため血圧が高くなります。
血圧計と心臓の高さは同じにしなくても計測値には影響はありません。
マンシェットは上腕の3分の2(上腕周囲の40%幅)を目安に、指2本分の余裕をもって巻きます。
幅が広すぎると血圧は低く、狭すぎると高く測定されます。
位置はマンシェットのゴム袋の中央は正中に、マンシェットの下端は肘より2〜3cm上にくるようにします。
- 成人の正常血圧:収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧は85mmHg未満、
- リスク(脳・心血管リスクや死亡率)が高い数値:収縮期血圧180mmHg以上、収縮期血圧110mmHg以上
起床後の血圧が高い場合は、心筋梗塞のリスクが高くて危険です。 - 脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差):60mmHg未満が正常
血圧が80mmHg以下で脈拍が弱く呼吸も浅く促迫している場合や、収縮期血圧が90mmHgでも脈泊120/分以上・尿量減少があればショック症状のため要注意です。
脈拍の評価と循環の観察
脈拍は血圧と並ぶ循環動態の指標です。
橈骨動脈に触れて1分間測定し、脈拍数とリズムを観察します。
循環不全に陥る場合は、血圧が低下する前にまず、頻脈(100回以上/分)になります。
また頻脈だけでなく、徐脈(60回/未満)の原因も覚えておく必要があります。
橈骨動脈に触れて1分間測定し、脈拍数とリズムを観察します。
循環不全に陥る場合は、血圧が低下する前にまず、頻脈(100回以上/分)になります。
また頻脈だけでなく、徐脈(60回/未満)の原因も覚えておく必要があります。
- 頻脈の原因:感染症、痛み、脱水、不穏、心不全など
- 徐脈の原因:迷走神経反射、薬の効きすぎ、低体温など
ほかのバイタルサインも参考に緊急性を判断しましょう。リズム不整を認めるときは12誘導心電図で確認を行います。
また、脈拍の触知から、おおよその血圧の目安を推測できます。
また、脈拍の触知から、おおよその血圧の目安を推測できます。
- 橈骨動脈:80mmHg以上
- 大腿動脈:70mmHg以上
- 内頸動脈:60mmHg以上(内頸動脈が触れない場合は、心肺蘇生を開始する)
呼吸数の評価と以上の察知
呼吸数は、1分間に何回呼吸しているかを示す、重要なバイタルサインです。
呼吸数はさりげなく目視で1分間測定します。成人の正常値は12〜20/分です。
呼吸数はさりげなく目視で1分間測定します。成人の正常値は12〜20/分です。
- 頻呼吸(25回以上/分):敗血症や肺疾患が原因。20/分を超えたら注意。
- 徐呼吸(10回未満/分):糖尿病性昏睡や脳梗塞などが原因。
低酸素状態では、拡散障害、肺胞低換気、V/Qミスマッチ、シャントが原因として考えられます。Spo2が低下した場合は、①まずは呼吸数をチェックして、②聴診をして呼吸音を確かめ、③ほかのバイタルサインからショック徴候の有無などを確認してください。
「バイタルサインの崩れは呼吸から」といわれるほど、呼吸数は最も早く変化が出るバイタルサインであり、急変する徴候をいち早く察知するため、日ごろから呼吸数を正確に測定できるようにしましょう。
監修/執筆
社会医療法人純幸会 関西メディカル病院
感染管理室 副室長 管理師長
感染管理認定看護師/特定看護師
勝平真司
社会医療法人純幸会 関西メディカル病院
感染管理室 副室長 管理師長
感染管理認定看護師/特定看護師
勝平真司
引用・参考文献
1)青柳智和.診療の補助の強化書.ラプタープロジェクト.2024. 2)公益社団法人日本訪問看護財団監修.訪問看護のフィジカルアセスメントと急変対応.中央法規出版,2016,343p. 3)しゅーぞー.1年目ナースの強化書.東京,ナツメ社,2024,224p.
1)青柳智和.診療の補助の強化書.ラプタープロジェクト.2024. 2)公益社団法人日本訪問看護財団監修.訪問看護のフィジカルアセスメントと急変対応.中央法規出版,2016,343p. 3)しゅーぞー.1年目ナースの強化書.東京,ナツメ社,2024,224p.








