看護師の仕事内容とは?働き先ごとの仕事内容・勤務体制・給与について徹底解説!

病院で働いている看護師は、いつも忙しそうなイメージです。実際の看護師の仕事内容は、どのようなスケジュールなのでしょうか。
今回は、看護師の勤務先ごとの仕事内容、働き方、勤務体制について紹介していきます。看護師を目指している方、必見の記事となっています。ぜひ参考にご覧ください。
看護師とは
そもそも看護師には、2種類の資格があります。
1つ目は看護師です。
看護師とは、保健師助産師看護師法によって下記のように定義されています。
第五条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。(昭二六法一四七・平一一法一六〇・平一三法一五三・一部改正)
このように、看護師資格は厚生労働大臣の許可を得た免許だということが分かります。
一方、准看護師は保健師助産師看護師法によって下記のように定義されています。
第六条 この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。(昭二六法一四七・平一三法一五三・一部改正)
准看護師は厚生労働大臣ではなく、都道府県知事の免許を受けた資格です。また、看護師の指示を受けて、業務を行える職業だと言うことが分かります。
看護師と准看護師の違いは免許だけでなく、基礎教育内容も異なっています。看護師は高校卒業以上で、3年以上の基礎教育を受ける必要があります。単位数は102単位以上です。
准看護師は中学校卒業以上で、2年以上の基礎教育を受けることで資格を取得できます。学習時間数は1,890時間以上で、准看護師試験を受けることができます。
看護師の仕事内容とは
続いては看護師の仕事内容を紹介します。
看護師の仕事内容は大きく分けて、療養上の世話と医師の診療補助の2つです。それぞれの業務内容を詳しく見ていきましょう。
療養上の世話
先ほど紹介した保健師助産師看護師法にもある通り、看護師の業務内容は「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話」です。
では、療養上の世話とは具体的に何をするのでしょうか。日本看護協会は、看護師の療養上の世話について、下記のように述べています。
対象者の全身状態を総合的に把握した上で、安全に、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話(以下、「療養上の世話」と記載)及び診療の補助を実施する責任がある。 対象者の全身状態を観察し、変化や反応をとらえながら、必要な場合には、ケアの途中でも自らの判断で方法等を変更・中止*し、対象者にとって最も負担が少なく、最良の看護を提供する。(*診療の補助については医師に報告・相談し、改めて指示を受ける) -准看護師への療養上の世話の指示を適切に行う責任がある。
医療機関には、精神や身体に何かしらの異変を抱えている人が来ます。看護師は、患者さんにどのような問題があるのか全身状態を観察し、最も侵襲の少ない方法でケアをする必要があります。これは療養上の世話を行う上で基本的な考え方となります。
実際に患者さんに提供するケアとしては、
・環境整備 ・入浴介助 ・排泄介助
・歩行介助 ・移乗介助 ・食事介助
・体位変換
などがあります。
医師の診療補助
看護師の2つ目の業務内容に、医師の診療補助があります。
保健師助産師看護師法の第37条では、
保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治医又は歯科医師の指示あった場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、浣腸を施してその他助産師の業務に付随する行為をする場合は、この限りでない。
と規定されています。
看護師は医療ケアを提供する場合は、医師の指示が必要です。看護師の判断で、医療ケアを提供することはできません。医師の指示を受けて行う医療ケアには、静脈内注射や投薬などがあります。
看護師の勤務先ごとの仕事内容
看護師の仕事内容をより詳しく見ていきましょう。
看護師の仕事は、勤め先によって変動します。病院の中でも診療科によって業務内容は変わりますので、病棟看護師、手術室看護師、外来看護師に分けて業務内容を解説します。
また、クリニックや介護施設、訪問看護での仕事内容も合わせて見ていきましょう。
病院
病棟勤務、手術室勤務、外来勤務に分けて解説します。
病棟看護師
病棟勤務での看護師の主な仕事内容は、
・朝の環境整備(ベットメーキング、病室内の清掃)
・朝食の配膳、食事介助、下膳
・朝食後の口腔ケア
・配薬
・排泄介助
・入浴介助
・昼食の配膳、食事介助、下膳
・昼食後の口腔ケア
・歩行介助
・看護記録の記入
・夕食の配膳、食事介助、下膳
・夕食後の口腔ケア
・寝衣交換
・体位交換
など。
この他には入退院の対応や、ご家族への対応、ナースコールへの対応、電話対応などがあります。これらの業務内容は、看護師のチームで分担して行うため、すべて一人で担う必要はありません。また、日勤勤務、夜間勤務ごとに業務範囲も異なります。
手術室看護師
続いては手術室勤務の看護師の主な仕事内容を紹介します。
手術室では主に器械出し看護師と、外回り看護師に分担されます。器械出し看護師は、手術前に物品を準備したり、手術中には医師に器具を手渡します。手術中は滅菌状態で業務を行いますので、器具が不潔にならないよう注意しながら行いましょう。外回り看護師は患者さんの状態観察や、記録、環境整備などを行います。幅広い業務を担当し、医師や器械出し看護師のサポート役を担います。
手術室看護師は、病棟看護師のように入院患者さんの身の回りの世話をすることは少なく、手術に関する業務がメインとなります。
外来看護師
続いては、外来看護師の仕事内容を紹介します。
外来看護師は、外来に来た患者さんの対応を行います。
・診療の準備
・診療のサポート
・受付、病棟との連携
がメインの業務内容となります。
クリニック・診療所
クリニックや診療所の看護師の仕事内容は、外来看護師と似ています。
診療の補助が中心業務となります。この他に、医師の指示を受けて採血や点滴、静脈内注射を行うことも多いでしょう。
また、総合病院には事務スタッフがいますが、クリニックや診療所にはいない場合もあります。クリニックの規模にもよりますが、看護師が業者対応をしなくてはならないケースもあるでしょう。
介護施設
介護施設での看護師の業務内容は、病院勤務とは大きく異なります。
介護施設では主に、健康を管理する役割となりますので、介護スタッフと連携を取りながら業務を行います。介護職員は入居者さんのケアをメインで行い、看護師は入居者さんのサポートを行います。具体的には、施設全体の安全管理や衛生管理、感染症予防の管理、バイタルチェック、服薬管理などです。
訪問看護
訪問看護での看護師の業務内容は、バイタルチェック、患者さんや介護者からの健康相談、褥瘡のケアなどがメインです。
患者さんの様態によって業務内容は大きく異なります。人工呼吸器の管理や、吸引器の管理など、医療器具の取扱業務も多いでしょう。
保育園
保育園での看護師の業務内容は、子どもや職員、保護者の健康管理です。
園内の衛生環境の管理や、体調不良者の対応、感染症に対する保健指導も行います。また、遠足などの園外活動へも同行し、子どもや職員の健康を管理します。
看護師の働き方
勤務先ごとに看護師の業務内容について紹介しました。看護師の仕事についてイメージは湧いたでしょうか。さらに具体的に看護師の仕事内容を理解するために、看護師の働き方を紹介します。
看護師の仕事着
看護師の仕事着は、基本的にはナース服です。ホワイトのナース服が主流ですが、病院によっては支給ではなく自分で用意する場合も。最近ではカラーのナース服や、デザイン性のあるナース服も販売されています。クリニックや診療所、訪問看護ではナース服ではなく、スクラブを採用しているケースもあります。動きやすく、丈夫な素材でできているのが特徴です。
この他にも、感染症の患者さんと接する際は防護服を着用したり、手術に立ち会う際は手術着を着る場合もあります。
看護師の仕事道具
看護師は職場によって、仕事道具には変動があります。
一般的には
・ボールペン
・ナースウォッチ
・ペンライト
・スケール
・ハサミ
などを携帯し、使用します。
精神科病棟などでは、ハサミは危険物として取り扱うため、病棟内に持ち込めない場合もあります。
看護師の勤務体制について
病院勤務の看護師は日勤だけでなく、夜勤もあります。病床を持たないクリニックや診療所では、夜勤はほぼありません。
今回は病院勤務の看護師の勤務形態を紹介します。
二交代勤務
看護師の二交代勤務は、日勤と夜勤の2つに分けられます。
基本的に、日勤は8:00〜17:00まで。
夜勤は16:30〜翌朝9:00までです。
二交代勤務は、夜勤が長時間あるのが特徴です。一ヶ月の夜勤回数は4〜5回程度です。
三交代勤務
看護師の三交代勤務は、日勤、準夜勤、深夜勤の3つに分けられます。
基本的に、日勤は8:00〜16:30
準夜勤は16:00〜24:30
深夜勤は24:00〜8:30までです。
三交代勤務は、一日を三分割したような勤務形態で、長時間の勤務はありません。一ヶ月の夜勤回数は準夜勤と深夜勤を合わせて、7〜8回程度です。
看護師の給料について
看護師の給与を見ていきましょう。
厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査によると、平均年収は498万6,200円でした。月収は34万4,300円です。これは、平均年齢41.2歳、勤続年数9.2年の方々の調査結果です。
看護師のやりがいとは
看護師のやりがいは、なんと言っても人の役に立つことです。
医療現場は、人の命を預かる職場です。緊張感のある職場ですが、患者さんの回復や治療に向き合う姿には、心を打たれるものがあります。
また、看護師は患者さんと近い距離で接するため、感謝を伝えてもらえることも多い仕事だと言えます。誰かに直接感謝されることは、仕事の大きなやりがいになります。
看護師になる方法
最後に看護師になる方法を紹介します。
看護師になるためには、看護師国家資格を取得する必要があります。詳しく見ていきましょう。
看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得する
冒頭でも紹介しましたが看護師になるためには、看護師国家試験に合格し厚生労働大臣の免許を得る必要があります。
看護師になるためには、高校を卒業後に文部科学大臣の指定する学校または、厚生労働大臣の指定する看護師養成所に通う必要があります。
修了後に、看護師国家試験を受けることが可能です。
看護師国家試験について
看護師国家試験は、年に一度行われます。令和5年は2月12日に行われました。
令和4年第111回看護師国家試験では、全体で65,025人が受験し、合格者は59,344人でした。全体の合格率は91.3%です。新卒者の合格率は、96.5%でした。
まとめ
今回は看護師の仕事内容を紹介しました。看護師という職業は、今後もニーズが高まり続ける職業です。
後期高齢化が進み、医療を必要とする人の数は年々増加していくでしょう。また、医療業界は日進月歩です。常に新しい医療技術が生まれ、看護師は最新の手技を覚える必要があります。学び続けられる仕事であることは、大きなやりがいに繋がるでしょう。
興味がある方は、ぜひ看護師という仕事を目指してみませんか?










