臨床心理士の資格は意味がない?資格を取るメリットや仕事のやりがい、将来性について解説

臨床心理士の資格は意味がない?
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一生懸命勉強して臨床心理士の資格を取得しても、「あまり意味がない」と言われてしまうことがあります。臨床心理士の資格は、本当に意味がないのでしょうか、それとも、資格を取ることで、これから仕事をしていく上で大きなプラスになるのでしょうか?臨床心理士の仕事のやりがいや、将来性についても解説します。

臨床心理士の資格は意味がないと言われる理由

就職先が少ない

臨床心理士の資格に意味がないというよりは、そもそも就職先が少ないという問題があります。これは公認心理士やキャリアコンサルタント、産業カウンセラーといったカウンセリング系の資格全般にいえることですが、せっかく資格を取得しても、それを活かせる職場はけっして多くはありません。求人が少ないというのは、臨床心理士の資格に意味がないと言われる、最も大きな理由です。

大変な仕事なのに給料が安い

たとえ臨床心理士の資格を活かして就職できても、収入面はけっして期待できません。たとえば市役所や児童相談所などに運よく就職できても、給与は全体的に安く、生活も楽ではないというのが現状です。
公的施設はあまり予算がないため、一般企業のような給料を支払うことができず、どうしても生活レベルが低くなってしまいます。独立起業しても、思うように集客できないケースが多く、本業としてやっていくのはなかなか厳しいものがあります。

臨床心理士として働く人の半数は非常勤

企業や公的施設などの求人が少ないことから、臨床心理士として働く人の半数は、非常勤というのが現状です。
臨床心理士の職業は、いったん就職すると長年にわたって勤務する傾向があり、欠員募集がなかなか出ないのも、求人不足の原因のひとつです。それに対して応募する側の有資格者は年々増えるので、さらに競争が激しくなっているのが現状です。
臨床心理士のニーズ自体は増えつつあるので、今後の働き口の増加に期待したいところです。

相談者の人生に関わることへのプレッシャーがある

カウンセリングの仕事は、人の人生に大きく関わる仕事なので、自分のサポートが本当にこれで良かったのかと悩むカウンセラーは少なくありません。
中には、そのことに強いプレッシャーを感じてしまう人もいます。相談者の人生と向き合うことに喜びを感じることができる人でないと、この仕事を続けるのはなかなか厳しいでしょう。

臨床心理士の資格を取得するメリット

就職する際に有利になる

臨床心理士の資格は社会的な信頼度が高いので、心理系の職種で応募する際に、臨床心理士の資格を持っていることは非常に大きなメリットになります。
たとえば医療機関や福祉施設で心理系の職種に応募する場合でも、臨床心理士の資格を持っているのといないのとでは、信頼度がまったく違います。就職・転職先の中には、臨床心理士や公認心理士の有資格者であることを採用の条件にしているところも、少なくありません。

ブランクから復帰する際も復帰しやすい

子育てなどでいったん心理系の仕事を離れた人が社会復帰するときも、臨床心理士の資格があれば、スムーズに復帰することができます。
また、パートナーの転勤などでいったん退職し、あらたに転居先で働き口を探す場合でも、臨床心理士の資格があれば実績を認めてもらいやすいというメリットがあります。

独立・開業には必須の資格

カウンセラーとして独立・開業する人にとって、臨床心理士や公認心理士の資格を持っていることは、必須条件と言ってもいいでしょう。
カウンセリングのプロフェッショナルとして自立する場合、プロフィールに何を書くかというのは、非常に重要です。どんなにカウンセリング経験が長くても、何の資格もない人に相談しようと思う人は、ほとんどいません。
資格があるからといって、おいそれと相談者は現れませんが、資格があれば最低限の心理職としてのベースを持っているのだということが証明されます。

臨床心理士の仕事は大変だがやりがいもある

心の問題を抱えた人の支えになれる

臨床心理士は、さまざまな心の問題を抱えた人に寄り添い、支えになることができる仕事です。
たとえば医療の分野では、心の問題を抱えた患者さんのカウンセリングを行いますが、これによって患者さんは癒しや安心感を得ることができます。こうした臨床心理士の分析は、看護ケアにも大いに役立ち、医療を陰で支えることにやりがいを感じられます。

自分自身が人間的に成長できる

相談者のカウンセリングをすることで、自分自身が人間的に成長できるのも、臨床心理士のやりがいのひとつです。
カウンセラーの仕事をしていなければ、けっして出会うことのなかった人々と会話をし、その人が生き生きと人生を歩めるようにサポートする。そんな経験を繰り返すことで、少しずつ人間としての重みを増していくのを、実感することができる仕事です。

さまざまな価値観を知ることができる

カウンセリングを通してたくさんの相談者とコミュニケーションを取りながら、人には本当にさまざまな価値観があるのだということを、知ることができます。
臨床心理士になるまでは、ただ敬遠していた性格の人も、実はいろいろな内面の思いがあるのだとわかり、認めることができるようになります。

臨床心理士の将来性は?

カウンセラーのニーズが高まっている

これまで臨床心理士の求人が少ないことや、収入が低いことなど、未来に期待が持てなくなるような話をしてきました。では、臨床心理士の将来性は、本当にないのでしょうか?それは違います。なぜなら、いま心のケアを必要とする人は、年々増加傾向にあるからです。
厚生労働省のデータによると、2002年には約258万人だった精神疾患を有する患者数は、2017年には約419万人と、実に1.6倍ほどになっています。混沌とした時代にあって、うつなどの症状に悩まされるケースは後を絶たず、心のケアが必要な人が今後も増加することが予測されます。
学校では生徒の不登校、職場ではパワハラなど、さまざまな問題が山積みです。このような中で、臨床心理士のニーズは高まる一方と言ってもいいでしょう。今後は学校や企業でも、正職員・正社員としてカウンセラーを配置するところが増えてくることは、十分に考えられます。

カウンセラーはAIの時代でも生き残る仕事

IT技術の急激な進歩とともに、AIが人間の仕事を奪う時代がやってくることは、間違いありません。自動運転の技術が進めば、タクシーやバスの運転手は必要なくなりますし、高度な会計システムが生まれれば経理職や税理士といった職業も要らなくなる可能性があります。
そんな中で、人の心の分野を扱うカウンセラーの仕事は、今後もなくならないと言われています。ある程度の悩みまではAIで解決できても、どうしても人でなければ解決できない部分については、人間の介入が絶対に必要だからです。
そう考えると、10年後、20年後を見据えたときに、臨床心理士の資格取得は非常に魅力的と考えることもできるでしょう。
【出典】
厚生労働省「精神疾患を有する総患者数の推移」
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000851859.pdf

 まとめ

臨床心理士の資格は、現時点ではあまり意味のない資格のように思われていますが、長いスパンで考えると価値が高まる可能性のある仕事だということが、おわかりいただけたかと思います。
今後メンタルケアの重要性に着目する学校や企業が増えてくると、臨床心理士の活躍の場も広がり、予防の意味でのメンタルケアに関わる機会も増えるでしょう。
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