看護師の復職支援とは?支援を行っている場所や機関・おすすめの復職先を紹介

看護師は常にニーズが高い仕事ですので、一度臨床を離れても再度就職しやすいという特徴があります。
再就職を目指している看護師の方々への復職支援には、どのようなものがあるでしょうか。
今回は支援を行っている場所や機関についてやおすすめの復職先を紹介します。
復職を目指している看護師の方は、ぜひ参考にご覧ください。
看護師の復職支援を行っている場所・機関
まずは、看護師の復職支援を行っている場所や機関を見ていきましょう。
公的な機関であるナースセンター、ハローワークと求人情報サイトについて紹介します。
ナースセンター
看護師の復職支援を行っている場所1つ目は、ナースセンターです。
公益社団法法人日本看護協会によると、ナースセンターとは以下の通りです。
「1992年に制定された「看護師等の人材確保の促進に関する法律(以下、人確法)」に基づき設置。中央ナースセンターは日本看護協会が厚生労働省から、都道府県ナースセンターは都道府県の看護協会が都道府県から指定を受けて運営しています。47都道府県に必ず1つの都道府県ナースセンターがあり、看護職確保に向けた取り組みを行っています。」
ナースセンターには、都道府県ナースセンターと中央ナースセンターがあります。
都道府県ナースセンターは、都道府県知事の指定のもとに運営している施設です。
各都道府県の看護協会が運営しており、47都道府県に必ず本所が設置されています。
また、都道府県によっては支所を設けていることもあります。
ハローワークや行政施設などで相談を行い、地域内の広域で看護職の方々がナースセンターを利用しやすい環境を整えています。
都道府県ナースセンター行われている事業は、
・無料職業紹介(ナースバンク)事業
・離職時等の届出制度に関する支援事業
・復職支援の相談および研修事業
・看護職を目指す方への進路相談
です。
中央ナースセンターは、厚生労働大臣の指定のもと、日本看護協会が運営している施設です。
47都道府県のナースセンターの中央機関としての役割を担っています。
また、eナースセンターという機関もあります。
公益社団法法人日本看護協会によると、eナースセンターとは以下の通りです。
「各都道府県ナースセンターで行っている無料職業紹介をインターネット上に展開したものがeナースセンターです。看護職(保健師、助産師、看護師、准看護師)、看護職を目指す学生および看護職を採用する求人施設の方はナースセンターに直接足を運ばなくても、インターネット上で登録、検索、紹介依頼などができます。」
ハローワーク
看護師の復職支援を行っている場所2つ目は、ハローワークです。
厚生労働省のホームページによると、ハローワークとは以下の通りです。
「ハローワーク(公共職業安定所)は、仕事をお探しの方や求人事業主の方に対して、さまざまなサービスを無償で提供する、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関です。
全国500カ所を超えるハローワークでは、全国の豊富な求人情報をもとにした「職業紹介」のほか、「雇用保険」、「雇用対策」などの国の制度を組み合わせ、地域の皆様のさまざまなニーズにお応えする雇用支援を実施しています。」
求人情報サイト
看護師の復職支援を行っている場所3つ目は、求人情報サイトです。
求人情報サイトにはさまざまな医療機関の情報が掲載されており、希望に沿った復職先を探せます。
看護師求人に特化したサイトもあります。
看護師がブランクがあっても復職する方法
次に、看護師がブランクがあっても復職する方法を紹介します。
ブランクがあっても復職する方法は以下の3つです。
セミナーを受講する
看護師がブランクがあっても復職する方法1つ目は、セミナーを受講することです。
セミナーで専門的に看護学を復習することで、心配や疑問なく復職できるでしょう。
通信教育を受講する
看護師がブランクがあっても復職する方法2つ目は、通信教育を受講することです。
時間や予算的にセミナーの受講が難しい方も、通信教育は気軽に受講できます。
苦手な分野だけ選択的に学習することもできます。
独学で勉強する
看護師がブランクがあっても復職する方法3つ目は、独学で勉強することです。
便利な参考書やブランクのある看護師向けの書籍も多数販売されています。
培った経験を元に、独学で学習するのも良いでしょう。
看護師におすすめの復職先
続いては、看護師におすすめの復職先を紹介します。
どんな職場でも求人情報とマッチしたら復職が可能ですが、比較的働きやすい職場を4つ見ていきましょう。
クリニック
看護師におすすめの復職先1つ目は、クリニックです。
夜勤がなく、医療行為も複雑な技術が必要でないため、ブランクがあっても働きやすい職場です。
パートやバイトとしても勤務しやすいでしょう。
検診センター
看護師におすすめの復職先2つ目は、検診センターです。
検診センターでは、健康診断のサポートや補助を行います。
採血スキルは必要ですが、夜勤もなく残業も比較的少ない職場です。
ライフワークバランスも見ながら働けるでしょう。
慢性期病棟
看護師におすすめの復職先3つ目は、慢性期病棟です。
病状の落ち着いている慢性期の患者さんが入院しているため、病棟の中でも患者さんの急変が起こりにくいという特徴があります。
ブランクがあっても徐々に慣れながら働ける職場です。
介護施設
看護師におすすめの復職先4つ目は、介護施設です。
一人では生活が困難な高齢者が入所や通所している施設です。
日常生活の介助や排泄のケア、入浴介助が主な仕事です。
高度な医療技術は求められないので、ブランクがあっても働きやすいでしょう。
看護師が復職するときに気をつけること
次に、看護師が復職するときに気をつけることを紹介します。
情報収集する
看護師が復職する際には、まずは情報収集が大切です。
自分にとって働きやすい環境であるのかどうか、丁寧に情報を収集しましょう。
情報収集のポイントについて、次章以降で解説します。
職場の特徴
看護師が復職するときに情報収集するべきポイント1つ目は、職場の特徴です。
施設には、それぞれに掲げる理念があります。
理念は、職場の医療や看護などに対する根本的な考え方を示すものです。
基本情報としてしっかりと確認しましょう。
立地、沿革、病床数や付属施設なども 職場の特徴を表す部分です。
その施設の規模や特色のある取り組み、地域連携、救急医療体制、患者さんに対する権
利の尊重、信頼できる安全な医療の提供が行われているかを確認しましょう。
また、第三者による評価も重要なチェックポイントです。
病院医療の第三者評価には日本医療機能評価機構による認 定、ISO(International
Organization for Standardization 国際標準化機構)、プライバシーマーク制度などがあり、
いずれも一定の水準を満たしていると認められた医療機関であることを示すものです。
第三者による評価がどのようなものなのかも、合わせて確認しましょう。
看護部の特徴
看護師が復職するときに情報収集するべきポイント2つ目は、看護部の特徴です。
看護部は看護師の中核となる部門です。
看護部の理念、方針、目標、組織、教育体制、看護提供体制などをチェックしましょう。
看護職としての仕事に誇りを持ち、責任を果たせる環境にあるか、よく確認してください。
看護部の教育方針
看護師が復職するときに情報収集するべきポイント3つ目は、看護部の教育方針です。
就職を考えている施設の看護部の教育方針をチェックしましょう。
再就職しプロフェッショナルとして長く働き続けるためには、中途採用者への支援体制や継続教育等の教育体制も重要です。
働く環境・働き方
看護師が復職するときに情報収集するべきポイント4つ目は、働く環境・働き方です。
働く環境・働き方は、実際に自分が働く時にとくに重要なポイントです。
自分がその施設で働くときに、どのような環境で働けるのか、どのような働き方ができるのかリアルに想像することが大切です。
働く環境・働き方を知る一つの指標として「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定をうけた施設には「くるみん」マークの使用が許可されています。
施設見学する
看護師が復職する際には、施設見学も大切です。
施設見学をすることで、資料だけでは分からない職場の雰囲気を知ることができます。
また、看護職の様子を実感できることも大きなメリットです。
インターンシップでは、実際に働く職員と行動を共にして看護業務の一部を体験できます。
働く自分をリアルにイメージできるインターンシップを活用し、実際に働く先輩から話を聞いたり、自分の目で見たりして情報を収集しましょう。
生の情報は、職場を選ぶ上でとても重要です。
志望する施設での見学会やインターンシップの開催予定を定期的に確認しましょう。
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイントを次章以降で紹介します。
職場の雰囲気
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイント1つ目は、職場の雰囲気です。
職場の雰囲気は、実際に足を運ばなければ分からないポイントです。
実際に職場に足を運び、職場の第一印象や看護職と医師、その他の医療職の間にある雰囲気を感じましょう。
看護師が患者さんに接する態度や看護職間のコミュニケーションの様子を通しても、分かることがあるでしょう。
看護記録や情報管理
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイント2つ目は、看護記録や情報管理です。
看護記録や情報管理がどのように行われているか確認しましょう。
看護記録や日誌などが手書きなのか、電子カルテを使用しているのか、コンピュータの使用状況や院内情報システムについても訪ねてみてください。
教育・研修制度
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイント3つ目は、教育・研修制度です。
再就職するにあたってブランクを懸念している方も多いかと思います。
教育・研修制度が整っていたら安心して働けますので、ホームページや施設案内などで入手しきれない入職後の研修制度について事前に確認しておきましょう。
不安や疑問はなるべく解消しておくことが、復職をスムーズに進ませるポイントです。
福利厚生設備
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイント4つ目は、福利厚生設備です。
福利厚生は働く上でとても大切なポイントです。
職員宿舎、職員駐車場、保育施設など、生活を充実させてくれる設備についても見学させてもらいましょう。
働く時間の管理
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイント5つ目は、働く時間の管理です。
働く時間の管理はどのように行われているか、確認しましょう。
施設によってタイムカードや他のシステムが導入されています。
また、時間外勤務についてもどの程度の残業が発生するのか、実際に働いているスタッフに訪ねてみましょう。
夜勤時の休憩・仮眠の取得
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイント6つ目は、夜勤時の休憩・仮眠の取得で状況です。
夜勤の回数や拘束時間は資料にも掲載されていることが多いですが、夜勤中の休憩時間や仮眠時間が設定されているか、仮眠室などの環境も重要なポイントです。
快適に夜間も勤務できる環境が整っているかを確認しましょう。
自宅から施設までの距離
施設見学やインターンシップの際に確認するべきポイント7つ目は、自宅から施設までの距離です。
これは意外と見落としがちですが、重要なポイントです。
通勤時間の長さは夜勤後の帰宅手段や毎日の健康管理にも影響します。
車通勤の場合は交通渋滞も考慮して考えましょう。
また、電車の場合は乗り換えなども考慮し、所要時間を計ってみてください。
できるだけ負担がない方法を選択することで、働きやすい環境を整えられます。
まとめ
今回は看護師の復職について情報をまとめました。
離職する際は、届出制度を利用することをおすすめします。
離職時等の届出制度とは、保健師・助産師・看護師・准看護師の免許を持ちながら、その仕事に就いていない方に、氏名や連絡先などを都道府県ナースセンターへ届け出ていただく制度です。
届出制度を出しておくことで、都道府県ナースセンターのサポートも受けやすくなります。
自分にあった復職支援を受け、スムーズに働き始めましょう。







