訪問看護師がオンコールをストレスと感じる理由と対処法について解説

訪問看護師がオンコールをストレスと感じる
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訪問看護のオンコール勤務が、ストレスになっている看護師さんは、少なくありません。いったいオンコール勤務の何が、ストレスになっているのでしょうか?また、オンコール勤務のストレスに対処するには、どうしたらいいのでしょうか?オンコールをストレスと感じる理由と対処法について、解説します。

訪問看護のオンコールとは?

訪問看護のオンコールとは、訪問予定のない日や夜間などに、利用者さんやご家族からかかってくる緊急電話に対応する当番のことです。電話の説明だけで終わる場合も多いのですが、実際に利用者さんのお宅に訪問しなければならないときもあります。

電話相談のみで対応するケース

たとえば、利用者さんの容態が変化したりしたときに、利用者さんのご家族から電話が入ることも少なくありません。このようなときは、薬の服用などの指示を出して、「明日の訪問時間までに何かあれば、またご連絡ください」と伝えて、電話を終了することもあります。

 緊急訪問を行うケース

利用者さんの容態によっては、看護師さんが緊急訪問をする場合もあります。たとえばお腹が張って尿が出ないといった症状がある場合は、緊急性があると判断し、利用者さんのお宅に訪問することがあります。その際は主治医の指示に従い、処置を行います。症状次第では、救急車を要請することもあります。

訪問看護のオンコール勤務の現状

24時間365日緊急対応を行う事業所が数多くある

現在は24時間365日緊急対応を行う訪問看護事業所が数多くあり、訪問看護事業所の実に8割以上が、オンコール体制を取っています。そのため、訪問看護の仕事にはオンコール勤務が付きものと思っておいた方がいいでしょう。
オンコール当番がどのように回ってくるかは、事業所によってさまざまです。1人体制で1日単位または1週間単位の輪番制の場合もありますし、2人体制で1日単位の輪番制の場合もあります。どの当番制が自分に一番合っているかを考えながら、慎重に勤め先を選ぶことをおすすめします。

利用者さんにとっては安心だが、看護師さんの負担は大きい

24時間365日緊急対応のシステムは、利用者さんやご家族にとっては非常に安心であり、かつ必要なシステムでもあります。しかし、訪問看護事業所で働く看護師さんにとっては、かなり負担の大きい業務でもあります。
夜間に体調を崩す利用者さんも多いので、訪問看護という仕事の性質上、オンコール勤務をなくすことは難しいでしょう。

訪問看護のオンコールをストレスと感じる理由

いつでも電話に出られるようにしておかなければならない

訪問看護のオンコール勤務中は、常に電話に出られるようにしておかなければなりません。たとえ自宅で家事をしていても、子どもの面倒を見ていても、たった1本電話があれば即座に対応する必要があります。
夕食をとってお風呂に入り、眠くなってきたときに緊急電話が入り、利用者さん宅に駆け付けなければならないときもあるでしょう。このように、普通に生活していても突然仕事モードに切り替えなければならないことが、大きなストレスになる看護師さんもいます。
外出できないわけではありませんが、行動範囲も限られていて、せいぜい自宅の周辺に出かける程度です。行動を制限されることに拘束感を感じ、ストレスがたまってしまうケースもあります。

夜間待機後も通常の勤務がある

オンコール勤務の扱い方は事業所によってさまざまで、中には夜間待機時に緊急で利用者さん宅に出向いても、翌営業日にいつも通り出勤しなければならない事業所もあります。
夜中に命の危険のある利用者さんに緊急対応した後、疲労感を残したまま次の勤務に入るのは、相当大きなストレスになります。
もちろんこのような事業所ばかりではなく、緊急出動の翌営業日にしっかりと代休を取れる事業所もあります。就職先を考える際には、オンコール勤務後の事業所の対応についても、調べておくことが大切です。

利用者さんがいつ急変するかわからない

訪問看護の利用者さんはご高齢者が多く、ずっと順調な体調を保っていた方でも、いつ急変するかわかりません。その急変に対応するのがオンコール勤務の看護師さんなので、責任は重大であり、その重圧からストレスを感じてしまう看護師さんもいます。

お酒が飲めない

オンコール勤務中にお酒が飲めないというのは、お酒好きの看護師さんにとっては、意外と大きなストレスになってしまいます。
たとえば、たまたま家族の誕生日祝いの日がオンコール勤務にあたってしまうと、夫はワインを飲みながら上機嫌なのに、自分は飲めずに悔しい思いをしなければなりません。「オンコールさえなかったら」と思うと、職場にオンコール勤務があることに、嫌気がさしてしまうこともあるでしょう。
いつも当たり前のようにできていることが、オンコールのためにできないというのは、結構辛いものです。

オンコールのストレスを軽減するには?

自宅やその近くで気分転換できる方法を考える

オンコールのストレスを軽減するためには、自宅やその近くで気分転換できる方法を考えるのが、最も効果的です。
たとえば音楽が好きな人なら、自宅のソファに横になり、好きな音楽を聴きながら過ごすのもいいでしょう。「出勤していたら仕事以外なにもできないけれど、オンコール勤務だと手当をもらって好きなことができる」と思うと、ラッキーだと思えるかもしれません。
また、自宅近くのトレーニングジムで汗を流したり、お気に入りのカフェに行ったりするのも、効果的な方法です。自分が最も気分転嫁できる方法を見つけて、実践してみましょう。

日頃から規則正しい生活を心がける

普段から健康管理をしっかりと行い、規則正しい生活を心がけていると、オンコールの緊急出動のようなイレギュラーな事態にもスムーズに対応することができます。
逆に毎日夜更かしをして、次の日の朝に疲れが残るような生活をしていると、オンコール勤務で緊急対応があったときに体調を崩してしまう可能性があります。看護師として、日頃から体調管理を万全にすることで、オンコールのストレスを軽減することができます。

 先輩看護師からアドバイスを受ける

仕事のことで悩みがあるときは、同じ悩みを克服してきた先輩看護師に相談をするのが、一番の方法です。
自分自身がオンコール勤務にストレスを感じているということは、当然ながら先輩看護師も、今まで感じてきたはずです。でも、先輩がオンコール勤務を苦痛に感じているように見えなかったとしたら、何らかの方法で上手くストレスを解消しているのかもしれません。
そのコツを伝授してもらい、実践してみましょう。たとえ特別な解決策がなかったとしても、先輩に悩みを聞いてもらえるだけでも、心が安らぐはずです。

まとめ

訪問看護の仕事をする看護師さんにとって、オンコール勤務はけっして避けられない任務のひとつです。夜中に突然緊急出動があったりすると、「辛い」「もうやりたくない」と思ってしまうことも、あるかもしれません。
しかし、緊急対応後にご家族の方から感謝の言葉を聞けたときは、訪問看護師としてやりがいを感じることもできます。利用者さんが生命の危機を乗り越え、笑顔を見せてくれたときは、嬉しくて疲れが吹き飛んでしまうでしょう。
そういう意味では、利用者さんの幸せを願う気持ちが、オンコールのストレスを軽減する一番の方法なのかもしれません。
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