リーダーナースの役割とは?リーダーナースに求められる能力・リーダー力を高める方法を解説

看護師のイメージ画像
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看護師にはチームに分かれて業務をこなす「チームナーシング」という働き方があります。
チームには統括者となるリーダーが必要です。
今回は、リーダーナースの役割について情報をまとめます。
リーダーナースに求められる能力・リーダー力を高める方法を解説しますので、ぜひ参考にご覧ください。

リーダーナースとは

リーダーナースとは言葉のとおり、ナースのリーダーです。
つまり、チームの看護師を統括する役割です。
チームナーシングやリーダーナースの業務内容について、次章以降で解説します。

チームナーシングとは

厚生労働省によるとチームナーシングとは以下の通りです。
「・チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的
確に対応した医療を提供すること」と一般的に理解されている。
・質が高く、安心・安全な医療を求める患者・家族の声が高まる一方で、医療の高度化・
複雑化に伴う業務の増大により医療現場の疲弊が指摘されるなど、医療の在り方が根本的
に問われる今日、「チーム医療」は、我が国の医療の在り方を変え得るキーワードとして注
目を集めている。
・また、各医療スタッフの知識・技術の高度化への取組や、ガイドライン・プロトコール
等を活用した治療の標準化の浸透などが、チーム医療を進める上での基盤となり、様々な
医療現場でチーム医療の実践が始まっている。
・患者・家族とともにより質の高い医療を実現するためには、1人1人の医療スタッフの
専門性を高め、その専門性に委ねつつも、これをチーム医療を通して再統合していく、と
いった発想の転換が必要である。
・ チーム医療がもたらす具体的な効果としては、①疾病の早期発見・回復促進・重症化予
防など医療・生活の質の向上、②医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減、③
医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上、等が期待される。
・今後、チーム医療を推進するためには、①各医療スタッフの専門性の向上、②各医療ス
タッフの役割の拡大、③医療スタッフ間の連携・補完の推進、といった方向を基本として、
関係者がそれぞれの立場で様々な取組を進め、これを全国に普及させていく必要がある。
・なお、チーム医療を進めた結果、一部の医療スタッフに負担が集中したり、安全性が損
なわれたりすることのないよう注意が必要である。また、我が国の医療の在り方を変えて
いくためには、医療現場におけるチーム医療の推進のほか、医療機関間の役割分担・連携
の推進、必要な医療スタッフの確保、いわゆる総合医を含む専門医制度の確立、さらには
医療と介護の連携等といった方向での努力をあわせて重ねていくことが不可欠である。」


リーダーナースの業務

リーダーナースの業務内容は、担当業務の割り振り・他職種との連携・担当者の業務の進捗確認・チームメンバーのサポート・後輩看護師の指導です。

担当業務の割り振り

リーダーナースの業務1つ目は、担当業務の割り振りです。
リーダーナースは、チームメンバーに担当業務を割り振ります。
メンバーの受け持つ患者さんを、重症度やケア度を見て検討します。
そのため、メンバーの能力を鑑みることも重要です。
病棟全体の動きがスムーズになるよう、的確に割り振りましょう。

他職種との連携

リーダーナースの業務2つ目は、他職種との連携です。
他職種との連携も重要な仕事の一部です。
医師や検査技師、リハビリ担当の理学療法士と連携を行います。
患者さんからの相談事をまとめて医師に報告したり、リハビリのスケジュールを調整します。

担当者の業務の進捗確認

リーダーナースの業務3つ目は、担当者の業務の進捗確認です。
各患者さんの担当者が順調に業務を進められているか、定期的に進捗を確認します。
困っていることはないかも聞いておきましょう。

チームメンバーのサポート

リーダーナースの業務4つ目は、チームメンバーのサポートです。
チームメンバーの動きを定期的に進捗を確認し、必要であればサポートを行います。
インシデントが発生してしまった際やクレーム発生時には、リーダーも一丸となってサポートします。

後輩看護師の指導

リーダーナースの業務5つ目は、後輩看護師の指導です。
後輩看護師が早く仕事に慣れることができるように、指導を行います。
手技の確認を手伝ったり初めて実践する手技に立ち会ったりします。
後輩看護師が仕事に慣れてきたら、任せる仕事の範囲を拡大し活躍できる幅を広げてあげましょう。

リーダーナースの1日のスケジュール

続いては、リーダーナースの1日のスケジュールを紹介します。
このスケジュールはあくまで一般的な内容です。
8:00 出勤 着替え
8:30 ナースステーションで情報収集
8:50 医師の指示を確認
9:00 申し送り
9:30 チームカンファレンス
10:00 入院対応 ベットの空き具合の調整 緊急入院に備える
11:00 医師から指示を受ける 退院患者さんの対応
12:00 昼休憩
13:00 業務開始
13:30 メンバーからの報告を受ける メンバーのフォロー 新人看護師への指導
14:00 看護記録の記入
16:00 申し送り
17:00 退勤 着替え

リーダーナースに求められる能力

続いては、リーダーナースに求められる能力を紹介します。

決断力

リーダーナースに求められる能力1つ目は、決断力です。
リーダーナースには、さまざまな場面での決断力が求められます。
意思決定をする場面が多く、とっさの判断も重要です。
的確に判断するためには、豊富な知識が必要です。

コミュニケーション能力

リーダーナースに求められる能力2つ目は、コミュニケーション能力です。
スムーズな連携を叶えるためには、コミュニケーション能力が重要です。
必要な情報を適格に判断し、情報共有を行います。
医師や検査技師、理学療法士とコミュニケーションを通して意思疎通するために、自分の考えを理解してもらえるように話す必要があります。

タイムマネジメントスキル

リーダーナースに求められる能力3つ目は、タイムマネジメントスキルです。
時間管理を適切に行うことで、病棟のスタッフが定時に帰宅できるよう促します。
残業が発生しないように、各メンバーの仕事量を調整することも重要です。

サポート力

リーダーナースに求められる能力4つ目は、サポート力です。
スタッフ全員で円滑に業務をこなせるようにサポートする能力が必要です。
リーダーとして先輩看護師のことも後輩看護師のこともサポートします。
アクシデントが発生したら、リーダーも一丸となって問題を解決します。

リーダー力を高めるためには

次に、リーダー力を高めるためにできることを紹介します。

看護技術や知識を身に付ける

リーダー力を高めるためには、看護技術や知識を身に付けることが大切です。
適切な判断をするためにも、確かな知識が必要です。
サポート役として看護技術も自信を持って行えるよう、十分に練習しておきましょう。

自分の仕事をスムーズに終わらせる

リーダー力を高めるためには、自分の仕事をスムーズに終わらせることが大切です。
リーダーもチームの一因ですので、メンバー同様に業務を行います。
自分の仕事をスムーズに終わらせることで、他のスタッフのサポートも行えます。
効率的に仕事をこなせるように、優先順位を立てて業務をこなしましょう。

業務内容を整理する

リーダー力を高めるためには、業務内容を整理することが大切です。
看護業務は多岐にわたります。
そしてさまざまな業務には、優先順位があります。
患者さんの部屋の環境整備、入院患者さんの検査、採血、時間ごとの点滴など。
それぞれの業務が時間ごとに必要なものなのか、いつでも良いのか、内容を整理しましょう。
そして同じ時間に多重タスクを行う必要がないよう、仕事を振り分けていきます。

業務内容の整理には、包括的指示の活用も重要です。
「・保健師助産師看護師法(以下「保助看法」という。)第 37 条に規定する医師から看護師
への「指示」については、看護師が患者の状態に応じて柔軟に対応できるよう、患者の病
態の変化を予測し、その範囲内で看護師が実施すべき行為を一括して指示すること(包括
的指示)も可能であると解されているが、「包括的指示」が成立するための具体的な要件は
これまで明確にされていない。
・今後、看護師が自律的に判断できる機会を拡大するためには、看護師の能力等に応じ、
医師の「包括的指示」を積極的に活用することが丌可欠であることから、この際、「包括的
指示」が十全に成立するための要件を、例えば以下のように明確化すべきである。
① 対応可能な患者の範囲が明確にされていること
② 対応可能な病態の変化の範囲が明確にされていること
③ 指示を受ける看護師が理解し得る程度の指示内容(判断の規準、処置・検査・薬剤の
使用の内容等)が示されていること
④ 対応可能な病態の変化の範囲を逸脱した場合に、早急に医師に連絡を取り、その指示
が受けられる体制が整えられていること
・また、「包括的指示」の実施に当たっては、医師と看護師との間で指示内容の認識に齟齬
が生じないよう、原則として、指示内容が標準的プロトコール(具体的な処置・検査・薬
剤の使用等及びその判断に関する規準を整理した文書)、クリティカルパス(処置・検査・
薬剤の使用等を含めた詳細な診療計画)等の文書で示されていることが望ましい。さらに、
「包括的指示」による処置等が適切に実行されたかどうか事後的に検証できるよう、その
指示に基づく処置等の内容を記録・管理しておくことが重要である。」


メンバーの長所を見つける

リーダー力を高めるためには、メンバーの長所を見つけることが大切です。
メンバーの能力に合わせた仕事を割り振ることが大切ですので、それぞれの長所を見つけておくと良いでしょう。
各看護師の長所が分かっていることで、任せられる範囲も広がります。

指示に説得力を持たせる

リーダー力を高めるためには、指示に説得力を持たせることが大切です。
優柔不断な態度では説得力もないので、自信を持ってリーダーを務めることが重要です。
そのためには自己研鑽も重要です。
セミナーや勉強会に積極的に参加し、自身の知識を向上させましょう。

また厚生労働省では、チーム医療の基本方針として以下のように述べています。
「・看護師については、あらゆる医療現場において、診察・治療等に関連する業務から患者
の療養生活の支援に至るまで幅広い業務を担い得ることから、いわば「チーム医療のキー
パーソン」として患者や医師その他の医療スタッフから寄せられる期待は大きい。
・ 一方で、近年、看護教育の実態は大きく変化しており、大学における看護師養成が急増
するなど教育水準が全体的に高まるとともに、水準の高い看護ケアを提供し得る看護師
((社)日本看護協会が認定を実施している専門看護師・認定看護師等)の増加、看護系大
学院の整備の拡大等により、一定の分野に関する専門的な能力を備えた看護師が急速に育
成されつつある。
・ このような状況を踏まえ、チーム医療の推進に資するよう看護師の役割を拡大するため
には、他の医療スタッフと十分な連携を図るなど、安全性の確保に十分留意しつつ、一人
一人の看護師の能力・経験の差や行為の難易度等に応じ、
① 看護師が自律的に判断できる機会を拡大するとともに、
② 看護師が実施し得る行為の範囲を拡大する
との方針により、その能力を最大限に発揮できるような環境を用意する必要がある。」

まとめ

今回はリーダーナースの役割について紹介しました。
リーダーナースに求められる能力やリーダー力を高める方法を紹介しました。
リーダー経験が浅いとうまくこなせるか不安になってしまうと思います。
ですが、あまり負担に感じずに先輩看護師に頼りつつ仕事をこなしていきましょう。
看護師・准看護師・助産師・保健師へ就職・転職をお考えの方は、ぜひ看護師ワーカーにご相談ください!
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