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平成28年度診療報酬改定(地域医療)について

平成28年度 診療報酬改定(地域医療)について

更新日:2022.01.25

公開日:2018.04.06

平成28年(2016年)に診療報酬が改定されました。
改定自体は2年毎にされていますが、今回は地域包括ケアシステムの構築と医療提供体制の改革を進める内容となっています。
これは2025年に医療と介護を一体的にするための整備とされています。
看護師や薬剤師など医療従事者として現場にいると肌で感じる変化と自分では分からない変化もあるでしょう。
今回は地域医療に絞って改定でどう変化したのかまとめています。

かかりつけ医の更なる強化

かかりつけ医の更なる強化

地域医療の強化
平成26年の改定で初めて新設された地域包括診療ですが、平成28年改正で報酬条件が緩和されました。
これにより、後述する地域包括診療料や地域包括診療加算を届け出た施設が増加しています。

かかりつけ医(主治医)に求められること 
:診療所の医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対して、継続的かつ患者さん個人に合った医療をおこなうこと。

地域包括診療加算:1回につき20点 
・対象は診療所のみで病院は該当しない
・初診時は加算されず、通常の受診のみ
・患者さん毎に地域包括診療加算を使うか選択可能。

・院外処方をしている場合、24時間対応している薬局と連携していることが条件になります。
(院内処方なら不必要)
・高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症の4つのうち2つ以上を有する患者のみが加算対象です(疑いは除外)
・該当患者さんに対して主治医を決めること
・病養上の指導、服薬管理、健康管理、介護保険、在宅医療及び24時間対応できること
・下記のうち1つ以上該当すること
△時間外対応加算1、又は2を算定していること
△常勤医師が2人以上在籍していること
△在宅療養支援診療所であること

地域包括診療料:月1回のみ1,503点

・対象は診療所、若しくは200床未満の病院
・患者さん毎に算定を使用するか選択可能。 
・高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症の4つのうち2つ以上を有する患者のみが加算対象です(疑いは除外)
・該当患者さんに対して主治医を決めること
・病養上の指導、服薬管理、健康管理、介護保険、在宅医療及び24時間対応できること
・下記の全てに該当すること診療所
△時間外対応加算1を算定している
△常勤医師が2人以上在籍している
△在宅療養支援診療所である

病院 
□地域包括ケア入院料か地域包括ケア入院医療管理料を算定していること□在宅療養支援病院であること

注意点 
地域包括診療料と地域包括診療加算はどちらか一方のみ届出できますので両方の点数を取ることはできません。

改正点

・この改正により、診療所での取得条件(常勤医師の人数)が緩和されました。
(3人→2人)
・地域包括診療料申請の病院では、「2次救急指定病院、救急告示病院又は病院群輪番制病院であること」が削除されました。

地域包括診療加算では4,700を越える診療所が申請していますが、全国には一般診療所は2012年時点で9万を越えていますが、まだ全体の5%程になります。

常勤医師の人数が緩和されたとはいえ、診療所で2人以上の医師は親子以外では中々難しいのかもしれませんし、時間外対応加算は再診すれば加算され算定できますが、準夜帯での対応が出来ないと判断しているのかもしれません。

在宅療養支援診療所も24時間対応できる医師若しくは看護職員の設定が必要です。
まだ開始したばかりですので、この申請数は増えていくでしょうが、当面は中々お目にかかれないかもしれません。

外来医療の機能分化について

外来医療の機能分化について

重症の場合は兎も角、軽症でも患者さんは大病院に行こうとすることが大変多くあります。
ただ、それでは重症の方の治療に集中することができなくなります。
そこで今回の改正では、紹介状無しに大病院を受診した際に治療費とは別に定額の徴収が決まりました。
これにより、初診は地域の診療所などで受診して頂き、必要があれば大病院に行って頂くことを狙っています。
前回平成26年での改定でも、紹介率の引き上げ等を行いましたが、更に一歩進んだ対応になっています。

特定機能病院及び、500床以上の地域医療支援病院では、下記の徴収を行う。

・定額負担は最低金額として設定する。

初診5,000円以上、再診時2,500円以上。

例:感冒で診療所に初診で行くと3,000円(自己負担)ぐらいですが、大病院で同じことをすると8,000円を超えてくる診療費が求められます。
ただし、緊急時や、やむを得ない場合は徴収を行わないことも決まっています。

*救急患者、公費負担医療の患者、無料低額診療事業の患者、HIV感染者は徴収されません。

また、
・対象病院の他の診療科を既に受診している患者(初診では無いため)
・院内紹介された患者(診療所などでは対処できないと判断されて紹介状が出されているため)
・治験患者(治療目的ではなく、臨床への協力者)
・特定健診などにより精密検査の指示があった患者さん(重症の恐れがあるため)
・災害で被害を受けた患者
・自費診療の患者(保険対象外のため)
・地域に他に診察できる医療機関が無い場合
など*地域包括診療料は2017年国会で、医療機関以外の初診・再診の場合は、受診時定額負担を導入する法案が提出される予定となっています。
これは今回の改正では大病院だけだった定額負担を、普通の病院や診療所でもかかるようにするということです。

まとめ

2016年の改正では地域医療へのシフトを進めて行こうという厚生省の狙いが見えています。
今回のまとめでは、看護師さん限定の情報ではなく医療全体の話が多かったとのですが、看護師に関係が無い訳ではありません。
地域医療を強化していくということは、地域に根ざした診療所や病院を増やしていくこと、それはその地域の求人も増えることに繋がります。

※掲載情報は公開日あるいは更新日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。