看護師が日常的に使うバイタルサインとは?
看護師が日常的に使うバイタルサインについて、医療現場でのバイタルサインと介護施設でバイタルを測る理由について解説していきましょう。
医療現場でのバイタルサインとは
医療現場では、正常値や平均値と患者さんのバイタルを比較し、身体の状態確認をするためにバイタルサインを測ります。医療現場では、患者さんの体調が悪化や急変することもあるので、日々のバイタルサインと比べて変化を感じた場合には担当医にきちんと報告しましょう。
介護施設でのバイタルサインとは
介護施設等で高齢者のバイタルを測る理由も医療現場と同じく、通常のバイタルの数値と比べて変化はないか?を確認する場合が多いです。
特に高齢者は日常の変化に気付きにくく、知らない間に様々な病状が進んでいることもあります。介護施設では、毎日できるだけ同じ時間にバイタルの測定をしましょう。
バイタルサインの測り方
次に、バイタルサインの測り方について知っておきたいポイントをまとめました。
バイタルサインの測定の流れ
まずは、バイタルサインを測定する流れをご紹介します。
① 患者さんへの説明をしましょう
バイタルサインの測定をする前に、患者さんへの説明をしましょう。これからお熱や血圧を測ること、服や身体に触ることを看護師が言葉にして伝えることで、患者さんは安心できます。
この時、測定を拒否する患者さんがいた場合には、無理に測ろうとしないようにしましょう。興奮して熱や血圧が上がるなど、通常のバイタルが測定できない場合があります。
少し時間を置いて再度聞いてみることや、時には担当以外にヘルプを頼むことも必要です。
② 測定を始めましょう
患者さんから承諾を得たら、いよいよバイタルの測定をしていきましょう。バイタルの結果を患者さんが見て精神的にダメージを受けやすい場合には、数値は伝えずに記録するようにしましょう。一人ひとりの患者さんの心身状況については、担当医師ともしっかり確認してくださいね。
バイタルサインで知るべき5つの項目とは
バイタルサインは5つの項目を測ります。5つの項目とは、呼吸・体温・血圧・脈拍・意識レベルです。救急医療の現場や集中治療室では、この5つにプラスして尿量を測定します。
バイタルサインを測る順番
バイタルサインは5つの項目を測ることは分かりましたが、どの項目から測定するのでしょか?実は、バイタルサインを測る順番は特に決まっていません。例えば、血圧を測るのに服を脱がす手間や、体温を測るのに姿勢を変える必要がある時など状況に応じて測りやすい順番で測定しましょう。
成人の正常なバイタルサインとは
成人の正常なバイタルサインは、以下の通りです。
正常値にも幅があり、また各患者さんの平常値は違います。しっかりと個々の正常値との比較をしていくことが必要です。
呼吸 呼吸回数 14〜20回 / 分 |
体温 36〜36.9℃ |
血圧 120mmHg未満(収縮期) / 80mmHg未満(拡張期) |
脈拍 50〜80回 / 分 |
意識レベル 意識清明(JCS=0、GCS=15) |
尿量 1回排泄量:約200~400mL 1日総量:約1,000~2,000mL |
糖尿病バイタルサインの値とは
糖尿病の人は、血圧が130mmHg未満(収縮期) / 80mmHg未満(拡張期)であっても治療が必要となる場合があります。糖尿病患者の約40〜60%の人が高血圧と言われているので、糖尿病患者の血圧測定には注意が必要です。
また、高血圧の患者さんが糖尿病になる確率は糖尿病でない人と比べて2〜3倍になります。
バイタルサインとは患者さんの変化を知るのに必要
医療現場や介護現場では、患者さんや利用者のバイタルサインの測定を比較することで通常値を知ります。看護師は、バイタルサインの数値以外にも、患者さんの顔色やむくみなどの小さな変化に気付いて早めに異変に気付けるように心掛けましょう。