看護知識

術後観察項目の必要性とは?項目内容やポイントをご紹介

女性と男性看護師

更新日:2023.03.16

公開日:2023.03.16

手術をした患者さんが、スムーズに回復するために看護師さんの役割は重要です。術後の患者さんをしっかり観察し看護できるよう、術後観察の項目のポイントを解説していきます。

術後観察をする目的を知っておこう

患者

なぜ手術後の患者さんの観察が必要なのでしょうか。

【術後観察項目】は看護師が患者の全身状況を知るのに必要

術後観察項目は、患者さんの術後の全身状況を知るのに必要です。あらかじめ術後にチェックする項目があることで、看護師はもれなく患者の全身状況を把握することができます。ただし、術後観察項目以外でも、患者さんの様子に異変があった場合には医師へ報告するようにしましょう。

【術後観察項目】は看護師が患者の術後の異常を早期発見するのに必要

術後に患者さんの身体的、精神的状態を知るのに必要な項目が術後観察項目です。看護師は、術後の患者さんの状態を把握し、術後に起こりやすい合併症がないかをよく観察しましょう。看護師は、患者さんの術後の変化に一番気付きやすい存在だと言えるでしょう。

手術後の観察項目について

血圧測定

では、具体的に手術後の患者さんへの観察項目についてみていきましょう。

術後の観察項目の内容

術後の看護については、まずはバイタルサインの確認をしましょう。
その後に、患者さんの全身状態を観察項目に沿ってチェックしていきます。

①発熱の状態
術後の発熱時は、状況や患者さんの要望によってクーリングを行い、薬剤を使用していきましょう。術後はシバリングがみられることもあります。その場合には低体温になっているので、全身の保温をしていきます。

②術後出血はないか
手術から24時間以内に起きることが多いのが術後出血です。術後出血は、生命に直結する術後の合併症です。脈拍や血圧を何度も測定し、出血量の確認をしましょう。出血性ショックの兆候がある場合にはすぐに医師に報告してくださいね。

③疼痛の有無や程度
術後に痛みがある場合は、血圧の上昇や不快感からのストレス等で身体に負担がかかります。疼痛の有無や痛みの程度などを把握し、必要に応じて鎮痛剤などの投与をしていきましょう。

④尿の量を把握
術後の観察項目として、尿量の測定をします。術後すぐは、体内の炎症によって起きる現象により尿量は減ります。時間の経過と共に、尿量が増えていくのが通常です。また、この時の尿の形状についても確認しましょう。

術後観察項目の順番

術後は、急変する可能性が高いため、まず身体的な観察が最優先です。したがって基本的には、患者さんのバイタルチェックと身体的な観察項目をチェックしていきましょう。

術後の観察ポイント

まずは術後24時間の観察からですが、合併症が起こりやすいのは術後3日目まで。この間はしっかりとバイタルや術後観察を行なっていきましょう。その後も術後30日までは定期的なチェックが必要です。

手術後観察項目を使って術後の患者さんを看護していきましょう

女性看護師

手術後の患者さんは変化や合併症を起こしやすいものです。毎日忙しい看護の業務ですが、術後の患者さんをしっかりサポートし、患者さんが早期の回復を目指せるように寄り添いながら看護していきましょう。

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