仕事・スキル

体外循環技術認定士(看護師の資格)

体外循環技術認定士

更新日:2020.08.21

公開日:2020.08.19

1.体外循環技術認定士の資格とは

体外循環技術認定士とは医師の指示のもと人工心肺などの体外循環装置を操作する技術を有する医療従事者のことをいいます。
体外循環技術認定士は体外循環に関するエキスパートとして主に総合病院で活躍しています。
この資格は1987年より日本人工臓器学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会日本体外循環医学会の以上4学会によって認定試験が実施されています。

2.体外循環技術認定士はどんな仕事?

体外循環技術認定士は医師が心臓を切開し手術をする際のサポートを行うという重要な役割を担っています。
医師の指示のもと人工心肺装置を操作することが仕事内容の一つですが、その他には体外循環装置の異常がみられたときに迅速な対応をしたり、
トラブルが起こらないように装置の管理を行ったりと常に細心の注意を払って仕事をしています。
患者が安心して手術を受けるためには、体外循環技術認定士の存在が必要不可欠となっています。

3.体外循環技術認定士になるには


【受験資格】
・日本人工臓器学会および日本体外循環技術医学会の会員であること
・心臓血管外科専門医認定機構が認定する施設や関連施設で体外循環に関する経験があり、下記の経験年数を満たしていること(常勤・準常勤に限る)
〇医師(心臓血管麻酔専門医・心臓血管外科専門医) ・・・1年以上
〇医師 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3年以上
〇臨床工学技士 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3年以上
〇看護師 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3年以上
〇准看護師(高校卒業)・・・・・・・・・・・・・・・・・4年以上
〇准看護師(中学卒業)・・・・・・・・・・・・・・・・・5年以上
・日本体外循環技術医学会教育セミナーを履修し、既定の単位を取得していること
・日本人工臓器学会教育セミナーを1回以上受講していること
・認定委員会が定めた日本胸部外科学会などの体外循環セミナーで10ポイント以上取得していること
・30症例以上の体外循環の操作経験があること

【取得までの流れ】
「認定試験申込」
申込までに所定のセミナーを受講し、単位を取得しておく必要があります。詳細については日本人工臓器学会などのホームページをご覧ください。
願書提出期間:4月上旬~5月末
下記の書類を事務局に送付すること
・申込書
・免許証のコピー(准看護師の場合は卒業証明書も)
・セミナーの受講証明書や受講修了証、受講票のコピー
・30症例以上の体外循環記録原本のコピーと体外循環業務施行証明書
・受験料振込み時の受領証のコピー
   ↓
「認定試験」
試験日:7月中旬(毎年1回)
試験会場:東京女子医科大学
試験方法:筆記試験・面接試験
受験料:15,672円(試験料15,000円、郵送料672円)
   ↓
「合格発表」
毎年11月上旬に開催される日本人工臓器学会大会において合格者は発表され、事務局から認定証が送付されます。

【更新について】
更新申請書類発送時期:3月下旬~4月上旬
申請締め切り:5月下旬
更新料:10,000円(5年ごと更新)
「更新条件」
・5年間に認定委員会が定めた日本胸部外科学会などのセミナーで10ポイント以上取得していること
・5年間に日本体外循環技術医学会体外循環教育セミナーを1回以上受講していること
・常勤または準常勤であること(アルバイトは認められない)
・30症例以上の体外循環記録原本のコピーを提出すること
・更新時に日本人工臓器学会かつ日本体外循環技術医学会の会員であり、会費を完納していること
※いずれかの学会を脱退されている場合は更新申請ができないため、ご注意ください。

4.体外循環技術認定士をとることは難しい?


認定試験の合格率は公表されていませんが、試験問題は日本体外循環技術医学会教育セミナーカリキュラム等の講習から出題されるため、セミナーをしっかり受講していればそこまで難易度は高くありません。
ただ、受験資格を得るためには30症例以上の体外循環の操作経験が必要とされ、一定以上の知識や経験を積んでいなければならないため、受験資格を得るまでの過程に難しさを感じるかもしれません。

5.体外循環技術認定士をとることのメリットデメリット


受験資格として30症例以上の体外循環の操作経験と看護師であれば3年以上体外循環に携わった経験が必要なため、資格取得まで時間がかかる点はデメリットかもしれません。
しかし、体外循環技術認定士は非常に需要の高い資格です。
心臓手術を行う際には専門性の高い知識と技術が必要になるため、体外循環技術認定士は総合病院など大きい医療機関から歓迎される傾向にあります。
また、資格に対して特別に手当がつく職場もあり、資格取得によるメリットは大きいものとなっています。

6.体外循環技術認定士の現状と今後


2015年から「心臓血管外科修練施設に体外循環技術認定士が1名以上在籍すること」が心臓血管外科専門医認定機構の認定条件に加わったものの、資格取得者はまだ少ない現状にあります。
体外循環技術認定士は活躍できる場が今後増加する傾向にあり、看護師や臨床工学技士のスキルアップ資格として人気も出てきています。
高齢化社会から医療機器も進化している現代において、体外循環技術認定士の将来性は高く、より必要とされる傾向にあるでしょう。