仕事・スキル

学会認定・臨床輸血看護師(看護師の資格)

学会認定・臨床輸血看護師

更新日:2020.08.25

公開日:2020.08.19

1.学会認定・臨床輸血看護師の資格とは

臨床輸血をする看護師は輸血について専門的な知識を持ったうえで、安全性を確保し処置を行わなければなりません。そこで、2010年に誕生したのが学会認定・臨床輸血看護師の資格です。

臨床輸血に精通し、安全に適切な輸血ができる看護師の育成を目指してつくられた資格となっています。 日本輸血・細胞治療学会が認定試験を行っており、年々資格取得者数も増加してきています。

2.学会認定・臨床輸血看護師はどんな仕事?

病気などで輸血を必要とする人の数は年々増加しており、現在では1日に約3,000人が輸血を受けているといわれています。そんな中で輸血による感染症が発生するなどの失敗があってはならず、医療機関における輸血の安全性向上が叫ばれています。

そこで、輸血について専門性の高い知識を持つ学会認定・臨床輸血看護師の存在が必要不可欠となっています。学会認定・臨床輸血看護師は輸血を安全に行うことだけが仕事でなく、医師や薬剤師とうまく連携し円滑に処置を進めるために積極的な情報共有を行うことも大切な役割のひとつです。
患者の不安を軽減するためにもコミュニケーションをとることは重要になってきます。

3.学会認定・臨床輸血看護師になるには

【受験資格】
・輸血治療を行う施設の看護師であること(准看護師は認められない)
・所属長と輸血責任医師それぞれの推薦書を提出すること
・過去3年間に日本輸血・細胞治療学会、日本外科学会などの講演会や研修会に参加していること、あるいは輸血に関する研究発表を行っていること(必須条件ではない)

【取得までの流れ】
認定試験受験申込
日本輸血・細胞治療学会のホームページに申請書などのフォーマットがあるため、ダウンロードし必要書類を学会認定・臨床輸血看護師制度係に送付してください。

申請受付期間6月上旬~7月下旬
申請料10,000円
受験料10,000円
研修料10,000円

<必要申請書類>
・申請書
・業績目録
・所属長と輸血責任医師それぞれの推薦書
・証明書貼付用台紙
・申請料などの合計30,000円の振込受領証のコピー
・顔写真2枚
・申請書類受領の連絡用はがき

◆資格審査
申請書類が事務局において審査され、結果は8月頃本人へ通知されます。そして、資格審査を通過された方には9月頃に講習会および筆記試験の案内が届きます。
※資格審査で不合格となった場合は受験料と研修料は返金されます。

◆講習会・筆記試験
筆記試験の前日に実施される講習会に参加しなければなりません。講習会不参加の方は筆記試験を受けられないため、注意が必要です。

講習会、筆記試験日程11月上旬
会場TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(東京)


◆施設研修
筆記試験に合格された方は指定された施設で行われる研修に参加する必要があります。

研修日時案内12月中
研修日程1月~3月上旬のどこかで1日


◆認定
審議会と協議会による審議を経て、適格と判断されると認定証が発行されます。

登録料5,000円
認定証発行時期4月~5月頃

※合格後に登録料を支払っていない場合や日本輸血・細胞治療学会に入会していない場合は認定証が発行されません。

【再受験について】
認定試験に不合格となった場合、申請書類は3年間有効となります。 筆記試験の再受験者も講習会への参加は必須となっており、講習会不参加者については筆記試験の再受験も認められません。
施設研修が未終了で、不合格となった方は翌年施設研修に参加するだけでよく、筆記試験を再受験する必要はありません。

【更新について】

更新料5,000円(更新は5年ごと)
更新申請期間認定期間の最終年度末の2月中

<更新条件>
・日本輸血・細胞治療学会の会員であること
・学会発表や講演会への参加などにより必要単位を取得していること

4.学会認定・臨床輸血看護師をとるのは難しい?

認定試験の合格率は公表されておらず、資格取得のためには研修や講習会に参加することが必須条件となっていますが、試験自体は筆記試験のみで面接や実技試験はありません。
なお、筆記試験の合格点は60点以上で出題範囲についても公表されているため、比較的対策はしやすいと考えられます。

5.学会認定・臨床輸血看護師をとることのメリット・デメリット

認定試験は原則年に1回しか行われず、受験申請から合格発表まで約1年かかるため、結果が出るまで時間がかかるということがデメリットといえるでしょう。

しかし、資格取得によるメリットは多くあります。 それは、他の看護師と差を付けることができるという点です。 輸血は病院に勤める看護師にとっては避けて通ることのできない看護業務です。
しかし、看護師であれば全員輸血について詳細まで知っているかといわれるとそうではありません。資格取得によって得られた知識を活かせられれば他の看護師と差をつけて輸血医療のエキスパートになれます。

また、職場によっては資格取得による特別手当がつくところがあり、資格があることで任される仕事の幅も増えるでしょう。

6.学会認定・臨床輸血看護師の現状と今後

学会認定・臨床輸血看護師の資格取得者は2017年度時点で1,000名を超えていますが、資格取得者がいない都道府県もありまだまだ人数が少ない現状にあります。
看護師なら誰でも輸血ができると思っている方が多いかもしれませんが、より安全に輸血を行うためには学会認定・臨床輸血看護師の資格が必要です。

他の職種と情報共有をしながら適切に輸血を行うことが求められている現代において、とっておきたい資格となっています。