仕事・スキル

認知症ケア指導管理士(看護師の資格)

認知症ケア指導管理士

更新日:2020.08.24

公開日:2020.08.19

1.認知症ケア指導管理士とは?

認知ケア指導管理士とは、厚生労働省が認可している「財団法人職業技能振興会」によって認定されている民間資格です。

認知症の方への適切なケアだけでなく、ケアを行う側への指導や管理などの人材育成を目的として2010年に設立されたもので、医療や介護の現場に従事している人の認知症への理解、専門性や質を向上させることに注力しています。

資格を取得する人のきっかけは、「キャリアアップのため」「身近な方の認知症介護を経験したことで知識を深めたくなった」などさまざまです。

認知ケア指導管理士の資格は、初級・上級と分かれており、上級は初級取得後1年以上経過した人が受験可能となるので、まずは初級から取得する必要があります。

2.認知症ケア指導管理士の仕事とは?

認知症ケア指導管理士の資格は実務経験がない人であっても受験することができます。
身近な方への介護に役立てる目的で受験する人も増えてきています。
よって、認知症ケア指導管理士の資格のみで就業するのは厳しい現状にあります。
資格を取得したからといって、普段の業務内容にそこまで大きな変化はないでしょう。

しかし、認知症の患者さんや、そのご家族へのケアを行う際には認知ケア指導管理士の資格が活きてきます。
在宅介護をするご家族の悩みや不安な気持ちに寄り添うことができるのも認知症ケア指導管理士の資格を所有している看護師だからできることの一つです。

3.認知症ケア指導管理士になるには?


【受験資格】
初級試験:資格や介護に関する実務経験の有無に関わらず、誰でも受験可能
上級試験:初級を1年以上保有している者
     または特定の国家資格を所有しており初級資格を保有または併願受験する者

【資格取得までの流れ】
(1) 願書入手
 《入手方法》
 ・ホームページよりダウンロード
 ・電話にて問い合わせて願書送付依頼

(2) 受験申込
 《受験手数料》
 初級:(一般)7,500円、(学生)4,000円
 上級:(一次試験)12,000円、(二次試験)6,000円

 《願書提出先》
 〒111-0053 東京都台東区浅草橋1丁目32-3 2F
 財団法人職業技能振興会 資格取得キャリアカレッジ

(3) 試験実施
 《出題科目》
 ・認知症高齢者の現状について
 ・認知症の医学的理解について
 ・認知症の心理的理解について
 ・認知症ケアの理念と認知症ケア指導管理士の役割とは
 ・認知症ケアの実践
 ・日常生活の支援について
 ・認知症への薬物療法
 ・認知症への非薬物療法
 ・家族への支援について
 ・認知症ケアにおける社会資源
 ・時事問題などの応用問題
 ※上級試験に関しては、一次試験と二次試験の両方に合格すること

(4) 合否発表
 試験実施から約6週間後に合否通知が届く

(5) 認定証交付
 《認定登録料:2,000円》
 《試験会場》
 東京、大阪、札幌、仙台、名古屋、福岡、富山

【資格更新について】
 2年に1回の更新が必要
 《更新料:5,000円》

【資格団体】
 財団法人職業技能振興会 資格取得キャリアカレッジ
 (HP→ http://www.ss-cc.jp/shiken/ninchi.html

4.認知症ケア指導管理士をとるのは難しい?

一見出題範囲が広いように感じる認知ケア指導管理士の試験ですが、初級であれば財団法人職業技能振興会 資格取得キャリアカレッジが提供している「認知ケア指導管理士(初級)試験公式テキスト」が一般書店やWEBで販売されているほか、試験対策講座として直前模擬試験解答解説講座試験対策短期講座(全3回)や公式テキスト解説DVD講座などの受講が可能になっています。

上級についても「総合ケアシリーズⅠ・Ⅱ」とそれぞれ公式テキストが販売されており、各方法で試験対策ができます。

上級試験は近年開始されたばかりで合格率は公表されていませんが、初級の合格率は創設当時70%を超えていたのに対し、近年では50%前後を推移しています。
難易度が上がったように感じるかもしれませんが、受験資格がないため実務を経験していない受験者が増えていることも影響しているようです。

見方を変えれば、実務経験のない人の受験結果も含めて50%前後の合格率ということは、他の資格と比較しても取得しやすいといえます。

5.認知症ケア指導管理士をとる事のメリット・デメリット

看護師が認知症ケア指導管理士の資格を取得することで得られるメリットはいくつもあります。まずは看護業務の幅が広がることが挙げられます。
介護病棟や精神科病院などをはじめとする専門的な知識が必要な看護において適切なケアができるようになります。

初級は公式テキストや講習会を活用すれば難易度は高くなく、挑戦しやすいこともメリットです。
創設からそこまで年数が経っていないため、将来性の高い資格ともいえるでしょう。

その一方で、歴史の浅い資格であるが故に履歴書に記載しても評価されにくい点はデメリットになるかもしれません。また2年に1回の更新が必要となり、更新を忘れてしまうと資格は無効になってしまうので注意が必要です。

しかし、これから需要が高まる可能性が非常に高い資格のひとつなので、今すぐに評価されなくとも今後のために取得しておくと良いでしょう。

6.認知症ケア指導管理士の現状と今後

認知症に関する資格は「認知症ケア指導管理士(2010年創設)」のほかに「認知症ケア専門士(2005年創設)」「認知症ライフパートナー(2009年創設)」が挙げられますが、いずれも国家資格ではなく民間資格の扱いになります。

認知症ケア指導管理士の資格は「要介護者が健康な生活を送り続けるため」に誕生しました。
まだ歴史の浅い資格で、給与面でのランクアップや昇格という観点ではまだあまり事例がありません。

しかし、認知症の介護には正しい知識が必要です。万が一、誤った知識で介護を続けてしまえば、余計に症状を進行させてしまうといった最悪の事態を招くことも考えられます。

私たちの周りで、一人でも多くの人がこの現実を認識することで、認知ケア指導管理士の資格の認知度はこれからどんどん高くなり、さらに活躍の場を広げていくことでしょう。