1.マタニティビクス認定インストラクターの資格とは
マタニティビクスとはマタニティとエアロビクスが組み合わさった造語で、妊婦でも安心して楽しめるトータルフィットネスです。
妊娠中の大きなお腹でもできるようにプログラムされたエクササイズで、妊娠期間中の13週から出産直前まで行うことができます。
出産に必要な体力づくりはもちろん、肩こりや腰痛、足のつり、便秘などの不定愁訴の軽減や妊娠中毒症の予防などの効果も期待できます。
マタニティビクス認定インストラクターは、その名の通り、マタニティビクスを教えることができる資格です。
・エアロビクス運動
・マタニティスロートレーニング
・ストレッチ
・エクササイズ
・リラクゼーション
の5つのメソッドでマタニティビクスを指導します。
資格は一般社団法人日本マタニティフィットネス協会が認定しています。
2.マタニティビクス認定インストラクターはどんな仕事?
マタニティビクス認定インストラクターの仕事内容は、マタニティビクスを通じて、妊婦の体力づくりや妊娠中の体重管理を行っていくことです。
また妊娠中の女性は気分が落ち込みやすかったり、不定愁訴を起こしやすかったりと、バランスを崩しがちになります。
そんな妊婦さんたちの気分転換やリラクゼーションの場となるように、工夫してレッスンを行うのもインストラクターの務めです。
妊婦の安全と安心を最優先に考えながら、心身ともに健康に妊娠生活を送れるようにサポートしていきます。
3.マタニティビクス認定インストラクターになるには
●受験資格
一般社団法人日本マタニティフィットネス協会が実施する・マタニティフィットネスの講義講習(2日間/12.5時間)・マタニティビクスの実技講習(4日間/27時間)の2つを受講することで、認定試験の受験資格を得られます。受講料:会員176,650円(税抜) / 非会員179,950円(税抜)※非会員価格には月会費2か月分(1,650円/月)が含まれます。※試験、講習会ともに非会員でも受けられますが、資格を有効にするためには会員になっておく必要があります。上記以外の条件を満たしていれば年齢や職種を問わず認定試験を受けられます。ただし、自身が妊婦の場合は参加することができません。●講義講習
マタニティフィットネス理論、産科学、フィットネス基礎理論、レッスンビデオ学習等、妊婦の運動指導に必須の知識を学びます。◆カリキュラム・女性生理学、産科学・フィットネス基礎理論・マタニティフィットネス理論・ビデオ学習※実技講習の前に受講が必要です。●実技講習
5メソッドで完成されたマタニティビクスの実技を学びます。認定試験や現場に即した練習を行います。◆カリキュラム・マタニティビクス実技ガイドライン・エアロビックダンス基礎・レッスン体験・目的別エクササイズ・妊婦体験ベルト・ウォーミングアップ、有酸素運動、スロートレーニングの解説と習得・ドリルワーク・認定試験オリエンテーション●資格審査の申込方法
公式のホームページからの申込み●試験についての詳細
試験方法:筆記試験・実技試験会場:東京など申込期間:試験日の1か月前まで受講料:講習会の受講料に含まれていますなお、資格取得には講義受講後2年以内に試験に合格する必要があります。●資格の交付と登録
合格者には「結果通知・認定証・インストラクターカード」が、試験終了後4週間以内に送付されます。登録料:1,000円不合格の場合、受験後2年以内であれば何度でも再受験が可能です。4.マタニティビクス認定インストラクターをとるのは難しい?
合格率などを一切公表していないのでなんともいえませんが、不合格だった場合でも講座を受講して2年以内なら何度も受講可能ということを考えると、そこまで難易度は高い資格ではないと考えます。
また結果通知とともに講習会の担当講師から合格のためのコメントや今後の合格対策などのアドバイスが送付されてくるので合格までのサポートがかなり秀逸です。
最短1か月程度で取得可能な資格です。
ただし、妊婦に対する専門知識や運動が苦手な人にとっては、身につけなければならないことが多く大変かもしれません。
講習会でテキスト等が配布されるのでしっかりそのテキストで学習してから試験に挑みましょう。
最終日の試験オリエンテーションで、実技試験の説明と練習、筆記試験の対策がありますので、そこでポイントを押さえてしっかりと復習することが大切です。
5.マタニティビクス認定インストラクターをとることのメリットデメリット
<メリット>
妊婦の心と身体の健康づくりをサポートできるようになります。
妊婦に対するアドバイス、スムーズな対応ができ、妊婦からの信頼を得られるでしょう。
助産師や看護師の方が取得すれば、仕事の幅が広がり、キャリアアップにつながるかもしれません。
またマタニティフィットネスの講義を一度受けておくと2年間は有効なので、マタニティビクスの他にもマタニティヨガやマタニティアクアといった複数の認定インストラクター資格を取得することができます。
さらに病院やクリニック以外でも、専門のインストラクターとして教室の運営や指導の場で活躍することができるでしょう。
<デメリット>
エクササイズを楽しんでもらうためには、インストラクター側の工夫やアイデアが重要になってきます。技術の習得だけでなく、接遇や人とのコミュニケーション面での努力が必要となるでしょう。
また講習を開催している場所が限られているため、住んでいる場所によっては遠方から通わなければならないというデメリットもあります。
6.マタニティビクス認定インストラクターの現状と今後
現在の資格取得者は全国で2500名程度いるようです。ヨガ、エアロビクスやフィットネスのインストラクターだけでなく、看護師、助産師などの医療従事者にも人気の資格です。近年ではマタニティビクス認定インストラクターの登録施設も増えてきており、病院やクリニックでもマタニティビクスを行う環境が整ってきています。産婦人科で働く方は仕事に活かしやすいでしょう。しかし、資格を取得したからといって誰しもがすぐにプロのインストラクターとして働けるわけではなく、正しく教えるために更なるスキルアップを図ることも必要になります。スキルアップの方法としては、例えば、協会が開催するワークショップに参加して知識を増やし、自身が指導するマタニティフィットネスの安全性や精度を高めることなどが挙げられます。看護師や助産師が資格を取得すれば、妊婦さんの出産と健康を医療面だけでなく運動指導の面からもサポートできるようになります。興味がある方はぜひ前向きに検討されてみてはいかがでしょうか。【関連コラム】●体外受精コーディネーター●不妊カウンセラー