仕事・スキル

第一種衛生管理者(看護師の資格)

第一種衛生管理者

更新日:2021.12.20

公開日:2020.08.19

1.第一種衛生管理者とは

衛生管理者とは、安全衛生管理の中の衛生に関する技術的事項の管理を行う者です。
常時50人以上が働く事業所において配置が義務付けられており、労働者数に応じて一定数以上の衛生管理者を選任する必要があります。

「技術的事項の管理」とは何かというと、
・労働者の健康障害を防止するための作業環境の管理
・労働者の健康管理
・労働衛生教育の実施
・健康の保持増進措置

などです。

なお衛生管理者には「第一種」と「第二種」があり、本コラムでご紹介するのは第一種衛生管理者です。
第一種衛生管理者免許を所有している場合は、すべての業種の事業所において衛生管理者となることができます。

一方、第二種衛生管理者免許は、比較的、有害業務と関連が少ないとされる特定の業種の事業所(情報通信業、金融や保険業、卸売や小売業など)に限り衛生管理者となることができます。

2.第一種衛生管理者はどんな仕事?

第一種衛生管理者の免許を取得すると、それまで行っていた労働衛生の実務に加えて「労働衛生管理」を担うことになります。

事業所で働く従業員の健康を保持・増進することを目的とした健康診断実施に必要な事項・結果の処理業務や、職場の環境を管理することも重要な役割です。

そのために、少なくとも週に1度は作業場などの巡視が必要です。
事業所内の照明、温度、換気、振動や騒音、また化学物質などの外的要因で従業員の健康を損なう有害な環境になっていないかなどを確認します。

設備や作業方法、あるいは衛生状態に有害のおそれがあるときは、ただちに労働者の健康障害を防止するために必要な措置を講じなければなりません。

従業員がより快適に過ごせるように、仕事の効率化や品質向上につながる労働環境づくりを積極的に立案、実行していくことが大切です。

3.第一種衛生管理者になるには


●受験資格
・大学(短期大学を含む)、高等専門学校を卒業し、その後1年以上労働衛生の実務を経験している
・高等学校または中等教育学校を卒業し、その後3年以上労働衛生の実務を経験している
・10年以上労働衛生の実務を経験している

などのいずれかの条件を満たしていれば受験することができます。

なお「労働衛生の実務経験」とは、主に次のような内容が該当します。


・健康診断実施に必要な事項又は結果の処理の業務
・作業環境の測定等作業環境の衛生上の調査の業務
・作業条件、施設等の衛生上の改善の業務
・労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備の業務
・衛生教育の企画、実施等に関する業務
・労働衛生統計の作成に関する業務
・看護師又は准看護師の業務
・労働衛生関係の作業主任者としての職務
・労働衛生関係の試験研究機関における労働衛生関係の試験研究に従事
・自衛隊の衛生担当者、衛生隊員の業務
・保健衛生に関する業務
・保健所職員のうち、試験、研究に従事する者等の業務
・建築物環境衛生管理技術者の業務


受験には卒業証明書の他、労働衛生の実務経験の証明として事業者証明書が必要となります。
受験資格の要件と必要書類の詳細は下記からご確認ください。
衛生管理者 受験資格|安全衛生技術試験協会 

●受験申請から資格取得までの流れ
1.受験申請書の用意・作成

2.受験申請書を提出
・提出先:受験を希望する各安全衛生技術センター
・提出方法:郵送またはセンター窓口へ持参

3.受験票の受け取り

4.試験

●出題範囲と出題数(配点)

第一種衛生管理者労働衛生有害業務に係るもの10問(80点)
有害業務に係るもの以外のもの7問(70点)
関係法令有害業務に係るもの10問(80点)
有害業務に係るもの以外のもの7問(70点)
労働生理10問(100点)


●試験会場
北海道、宮城、千葉、東京、愛知、兵庫、広島、福岡の各センター

●合格基準
各科目・範囲ごとの得点が40%以上で、全体の合計得点が60%以上であること

その他試験の詳細については下記をご参照ください。
試験詳細|安全衛生技術試験協会 

●試験結果の通知等
・合格の場合は「免許試験合格通知書」または「免許試験結果通知書」にて確認
・センターの掲示板、またホームページにも掲載

4.第一種衛生管理者をとるのは難しい?

第一種衛生管理者の合格基準は、科目もしくは範囲ごとの正解率が40%以上、全体の正解率が60%以上とされており、近年の合格率は40%~50%を推移しています。

定員制ではなく、基準点以上を取れば合格できます。
試験は毎月1~3回行われており、自分のスケジュールに合わせて受験できます。

試験回数の多さにともなって過去問題の情報も多く、出題される範囲や問題を予想しやすいというメリットがあります。
合格率が40~50%と聞くと難易度が高そうな印象を受けますが、事前にしっかり勉強してきた人であれば合格は難しくないでしょう。

5.第一種衛生管理者をとる事のメリット・デメリット

第一衛生管理者免許を取得するメリットとしては、資格手当がつく可能性があることです。

就業先によって得られる報酬はさまざまですが、資格取得手当として一時金が支給されるケースや、選任手当として毎月の給与にプラスして支給されることもあります。

また、快適な職場環境づくりを積極的に行うなかで、従業員とのコミュニケーションの機会が増えます。いろいろな職種の人とコミュニケーションを図ることで普段の業務では得られないような知識がつくなど、スキルアップも十分に見込めます。

デメリットを挙げるとすれば、受験資格に実務経験が必要なことです。
実務経験が浅い人であれば日々の業務で覚えることがたくさんあるうえに試験勉強が必要になるので、時間を有効活用しながら勉強をするなど工夫が必要になるでしょう。

しかし、転職においても第一種衛生管理者免許はプラスになりますので、チャレンジして損はないのではないかと思います。

6.第一種衛生管理者の現状と今後

労働災害を未然に防ぐプロフェッショナルとして注目されている第一種衛生管理者は、現在50人以上の従業員が常時従事する場合に必ず1人以上置くことが義務付けられています。
しかし資格の取得者は不足している状況にあり、企業によっては積極的に免許取得を推奨しているといった状況です。

業種問わず離職率を下げるための工夫や、従業員が快適に働けるような環境づくりに注力する企業が増えているなかで、医療の現場でも資格を所有している人は優遇されるケースが増えてきています。

第一種衛生管理者免許の取得を検討されているのであれば今がベストなタイミングといえるでしょう。

※掲載情報は公開日あるいは更新日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。