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福祉住環境コーディネーター(看護師の資格)

福祉住環境コーディネーター

更新日:2020.08.24

公開日:2020.08.19

1.福祉住環境コーディネーターの資格とは

福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対し、自宅でできるかぎり安全で住みやすく自立した生活が送れるか、住環境を整えるアドバイザーです。

東京商工会議所が主催の民間資格となり、資格は3.2.1級とわかれています。2級からは、住宅改修を行う場合に保険給付を受けるための「住宅改修が必要な理由書」の作成ができるようになるため、より実践的に資格を活かすことができます。実務は2級を持っていれば十分に活用が可能です。暮らすに大きく関わる「住まい」を整備することで、精神的身体的な不安を軽減できる役割も担うことができるでしょう。

2.福祉住環境コーディネーターはどんな仕事?

福祉住環境コーディネーターの資格をとることで出来る事は、専門的知識で住環境を整えることができるということです。高齢者や障がい者の生活は、少しの段差も危ないことも多く、負担になる事が多いです。
身体の状態や生活環境、自分自身や家族の要望を聞き取り、改善の提案ができるようになります。

また、患者さんの自宅や施設でも専門的な知識を学ぶことで、改善が必要な部分の気づくことができます。それにより、患者さまの今後の生活の不安や悩みを取り除くことができるようになるでしょう。

福祉住環境コーディネーターは、福祉に関わる様々な業界の人が資格試験を受けています。福祉住環境コーディネーターは少なからず、患者さまのプライベートな部分に接する機会が出てきます。この資格を得て活用するには、誠実な対応が求められることでしょう。また、患者さまや家族の方の要望を真摯に聞き取れることも、大切な要素の一つです。

3.福祉住環境コーディネーターになるには

【受験資格】
なし。誰でも受験が可能(1級は2級合格者のみ)

【取得までの流れ】
(1)申込期間
 1.4月末~5月末頃
 2.9月中旬~10月中旬まで
東京商工会議所まで、インターネットもしくは電話で申込登録

(2)申込書到着後、受験料支払
※郵便局・コンビニエンスストア可/払込〆日まで受領印可
[受験料]
3級:4,320円/2級:6,480円/1級:10,800円

(3)受験票到着

(4)試験
【試験日】
 年2回(毎年7月11月)
【試験会場】
 全国(指定の商工会議所)

(5)合否・成績表発送
【認定】合格証明書:1,230円(1通)
合格所(カード)によって合否が判別されます。

4.福祉住環境コーディネーターをとることは難しい?

福祉住環境コーディネーターの合格率は、3級は40~60%を推移しており、2級はおおよそ30~70%です。比較的、2級3級は勉強をすれば合格しやすい値といえます。

出題はマークシート方式で、各級の公式テキストの基本的な知識と、それを理解した上の応用力が問われます。2級の合格率に振れ幅があるのは、きちんとテキストを読みこんでいるかにもよると思われます。東京商工会議所では過去問題も掲載されているので、テキストと共に傾向と対策をみることをお勧めします。

2級合格者のみが受けられる1級は、マークシート方式に加えて記述試験も入ってきます。記述形式は公式テキストの知識に加え、最新の法令制度と情報を理解したうえで出題されます。法改正など常にアンテナを張る必要があります。課題に対する提案力など総合的な判断が問われるため、1級は10%未満とかなりハードルが高くなっています。いずれも各級の合格点は、100点満点中70点以上となっています。

5.福祉住環境コーディネーターをとる事のメリットデメリット

福祉住環境コーディネーターの取得は、介護系の看護師や訪問看護で勤めている方は特に身近に感じることができます。患者さんのお宅へ伺うことで気づくことや、福祉施設で働きながら、病院から退院する患者さんへのアフターケアとして知識があるのは大きなメリットに挙げられます。

ケアマネージャー等の介護系の専門職の方と連携しつつ、リフォームや建築で専門的な知識をもとに、相談を乗る事ができます。自分のことを理解してくれる看護師から、退院後の住環境のアドバイスをもらえることは十分に安心ができることだといえるでしょう。

デメリットは、福祉住環境コーディネーターの求人はないに等しく、その職種専門で転職は難しい点です。今の職業や今後に、福祉住環境コーディネーターの知識を活かすことがメインになるのではないでしょうか。

6.福祉住環境コーディネーターの現状と今後

福祉住環境コーディネーターの資格を持っていても、現状職種として転職することは難しいです。

今している仕事に福祉住環境コーディネーターの知識を活かすことがメインになると推測されます。

今は4人に1人が65歳以上という超高齢社会です。その中で安心して生活できるよう提案できるアドバイザーは、福祉や介護業界だけでなく、様々な業界で活躍ができると注目されています。
専門的知識を裏付けともなる福祉住環境コーディネーターの資格は、超高齢社会に欠かせない住まいのスペシャリストです。そのため今後大きく活躍できる可能性を秘めている資格ともいえるでしょう。

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