仕事・スキル

音楽療法士(看護師の資格)

音楽療法士

更新日:2020.08.21

公開日:2020.08.19

1.音楽療法士とは?


音楽療法士は現在、国家資格などの公的な資格ではないため、どのような人でも音楽療法士として働くことが可能です。

ただし、音楽療法は専門性が問われる職業であるため、専門的に勉強して知識をもっておく必要があります。


民間の資格がいくつか存在しており、このような資格を取得しておくことで専門知識を身につけていることの証明ができます。その中でも「日本音楽療法学会」がよく知られており、近年では全国の音楽療法士の大半が「日本音楽療法学会」から輩出されています。



2.音楽療法士の仕事とは?


音楽療法士は、その名の通り音楽を活用することで、心身に何らかの問題や不安を抱える人、発達の遅れなどの理由によって他人と上手にコミュニケーションがとれない人などのサポートとケアを行います。


あくまで補助的な治療に用いられるので、病気を治す、怪我を治すなどの直接的な効果は見込めませんが、その音楽が持つ効果を専門的な観点で分析し、患者さんの状態にあったプログラムを作成、実施をすることにより、患者さんの状態を良い方向へ近づけることを目的としています。


患者さんと一緒に歌を歌う、楽器を演奏する、音楽に合わせて踊るなどの「能動的音楽療法」やクラシック音楽や歌謡曲を患者さんに聴かせることでストレスの軽減につなげる「受動的音楽療法」を活用し、患者さんが治療やリハビリに対して前向きに積極的に取り組めるようなお手伝いをする仕事です。



3.音楽療法士になるには?


【受験資格】

(1) 認定校へ入学し、必要単位を修得している者

(2) 日本音楽療法学会の正会員であること

(3) 大学(短期大学含む)・高等専門学校・専門学校(2年以上)のいずれかを卒業している者

(4) 臨床経験が5年以上あり、そのうち音楽を使用した臨床経験が2年以上ある者

※(1)を満たしている場合は(2)~(4)は免除される



【資格取得までの流れ】

(1) 認定校で必要単位を修得、もしくは学会が主催する(補)資格試験受験のための制度に参加

《必要単位》

1.必修講習会受講

・必修講習会中に実施される、ピアノ実技、音楽理論等の音楽試験を受験

2.音楽療法関連分野(医学・心理・福祉・教育)18単位を取得

・臨床経験(本制度申請時に臨床経験年数が5年に満たない者、あるいは、音楽を使用した臨床経験が2年未満の者)

3.学会参加など、200ポイントの取得



(2) 音楽療法士(補)試験

(3) 面接試験

(4) 資格取得



【更新について】

5年おきに更新手続きが必要です。

学術大会や講習会、研修会の受講または研修発表により50ポイントを取得する必要がある。



日本音楽療法学会のホームページを参照

(HP→ http://www.jmta.jp/



4.音楽療法士になるのは難しい?


音楽療法士は、音楽の知識だけでなく、患者さん個々の心の問題に真摯に向き合い、ケアを行うので心理療法の知識も得ておく必要があります。

そういった意味では勉強範囲が幅広く大変に感じる人もいるでしょう。


民間資格がさまざまある中で、どこで資格をとるのかによって難しさは変わってきますが、一部の学校では通信教育(オンライン配信)などの制度を取り入れている学校も幾つか存在します。


自分のライフスタイルに合った条件で取得できる場所を選べば、忙しくて認定校に通う余裕がない人でも、仕事と勉強の両立は決して不可能ではありません。



5.音楽療法士になるメリット・デメリット


音楽療法士の資格取得者として勤務し、音楽療法を実施していく場合は、患者さんにどのような変化や効果がみられるのか経過をチェックし、必要に応じて治療法の変更や見直しも行います。
場合によっては患者さんにカウンセリングを行うこともあるので、音楽療法士の資格を取得することは看護師としてのスキルアップに大きく影響するでしょう。

その一方で、学校に通ったり講習を受講する必要があるので、時間がかかるという点はデメリットになりうるかもしれません。


しかし、精神科や緩和ケア、介護施設や福祉施設、児童施設など音楽療法を積極的に取り入れているところが増えてきている状況から、看護師として活躍の場を広げたいと考えているのであれば取得しておくべき資格といえるでしょう。

もともとアメリカで発展してきた音楽療法士は、日本国内では未開拓の部分も多いですが、見方を変えれば将来性のある資格ともいえます。



6.音楽療法士の現状と今後


音楽療法は、障害を抱える人やリハビリを受ける人、また健康者も対象です。

高齢者、幼児関係なく音楽療法を受けることができます。

現在は、音楽療法士を専業として働く人は少なく、大半が看護師や心理カウンセラー、介護職員などの仕事に就いて身に着けた知識を患者さんへのプログラムの一環として取り入れています。
リハビリや治療を行う中で音楽療法を用いて患者さんを別の角度からも元気にしていけるのは音楽療法士の強みといえるでしょう。


音楽療法は年々認知度が高くなっており、高齢化が進んでいる今、これからさらに需要が増えてくると予想されます。

また、音楽療法には専門的な知識が必要不可欠です。今後、音楽療法士が国家資格化され、専門職としての地位が確立されればより待遇の良い働き方ができる可能性も考えられます。


これから音楽療法士を目指す方は、常に最新の情報を追っていくと良いかもしれません。