退職を伝えるタイミング
【伝えるタイミングで決まる?!看護師が円満に退職する為に知っておくべき事】
“1日でも長く勤めてもらいたい病院側”と“1日でも早く辞めたい看護師”
どの病院も看護師不足が課題となる中で、スムーズに退職できるケースは少ないのが現状です。
勤務年数が長ければ長いほど、病院側にとって大きな影響を及ぼします。
あなたになんとか病院に残ってほしい一身で様々な条件を出してくる場合もあるでしょう。
しかし、ここで条件を受け入れてしまえば同じことの繰り返し。
どこかのタイミングで「けじめをつけなければ」と悩んでいる方も多いのでは?
どのタイミングで退職の意思を明確にするのがベストなのか。
お世話になった病院や先輩ナースに失礼のないように、そしてあなたにとって再就職が有利になるように。
円満に退職するためのポイントをしっかり抑えておきましょう!
退職を伝える前に!「退職」が正しい選択なのか見直すこと
まず明確にしておくべきなのは「退職理由」です。
あなたが今、退職を迷っている理由はなんですか?
「ハードすぎる」「他スタッフとの人間関係」「やりたい分野じゃなかった」など、様々な不満を抱えているのではないでしょうか。
しかし、ここで退職理由が曖昧であれば必ず病院側に引き止められてしまいます。
最初に書いたようにあなたにとって好条件を提示してくる場合もあるでしょう。
その条件によって不満が解消されるのであれば、わざわざ「退職」と大事にしなくとも先輩に相談すればよいのです。
円満に退職するための始めの1歩として、自分の退職意思を固めておきましょう。
退職を切り出すベストなタイミングは?
退職の意思を最初に伝えるべき相手は直属の上司です。
多くの人は看護師長に伝えることになるでしょう。
ここでは、退職意思を伝えることに頭がいっぱいになり、周囲の状況を無視してしまうことのないように注意してください。
円満に退職するためにも細かい配慮を忘れないようにしましょう。
看護師長の手が空いたタイミングを見計らって「ご相談があるので少しだけお時間いただけないでしょうか」と切り出すのがベストです。
別室へ移動するなど他に人がいないところへ移動してから、その後の業務に支障が出ないように簡潔に伝えることを心がけましょう。
退職意思はいつまでに伝えるべきか?
退職意思が固まったら、就業規則で定められた期間内に申し出る必要があります。
前回の記事でも少し触れていますが、一般的な病院では1ヶ月前までに申し出れば問題ないとされています。病院によって申請時期が決まっている場合もあります。
しかし、可能であれば2ヶ月~3ヶ月前には伝えておくことをオススメします。
スタッフの補充やシフト変更などの調整が必要になることが大きな理由です。
また、直前に申し出て引継ぎが疎かになれば、スタッフだけでなく患者さんにも迷惑がかかります。出来る限り早めに申告するのがベストです。
円満に退職するためには「焦らないこと」
退職を伝えてから働く2~3ヶ月は、今までで一番長く感じる2~3ヶ月かもしれません。
しかし、ここで焦ってしまっても良い結果は生まれません。
辞めると思い立ってすぐに退職した後のことを考えてみてください。
次の就業先がすぐに見つからなかった場合は経済的にも厳しくなる上に、転職活動を進める際、前職との間が空けば「その間何をしていたのか」と採用担当に突かれてしまいます。
次に働く場所を事前にリサーチしておく、資格を取得してみるなど転職に有利になる情報をしっかり集めておくことがオススメです。
退職を伝えるタイミング「まとめ」
ハードな看護業務をこなす毎日。
1日でも早く開放されたい気持ちは十分にわかります。
しかし、本来あなたは病院や患者さんにとって“いなくなると困る存在”です。
あなたが退職した後も病院や患者さんが困らないように出来る限りの配慮をし、あなた自身も気持ちよく次のステップに進むことが出来るような行動を♪
◎退職が決まったら、退職した後のこともしっかり考えておきましょうね♪
退職の適齢期を見極める
【看護師が退職する際の『ベストな年齢』と『貰える退職金』とは】
公立病院や企業で働く看護師の場合は、年金の支給時期に合わせて60~65歳程度を定年と設定している所が多いですが、看護師不足が叫ばれる近年では、一旦定年退職という形をとった後、勤務形態を変えて70歳近くまで働く看護師もいるようです。
しかし、毎日が物凄いスピードで過ぎていく程ハードな看護師のお仕事。
「定年まで続けられるのか」不安に思う人も多いでしょう。
現在勤めている病院で何歳まで働くのがベストなのか。
年齢に応じて、もらえる退職金はどう変わるのか。
弊社独自のルートで調査してきました!
25歳までに退職する看護師は20.8%!年齢別で見る退職率
近年、離職率が課題となっている医療業界では、1ヶ所の病院に定年まで継続的に勤務する看護師は極めて少ない状況です。こちらのグラフをご覧ください。
※公益財団法人 日本看護協会「病院看護実態調査」を基に弊社独自で算出したデータ
23歳未満を新卒看護師、それ以降を既存看護師とし、24~25歳は3年目、26~27歳は5年目、28~29歳を7年目として考えると、看護師歴3年で退職する人が12.8%の割合を占めています。
結婚・出産・育児などのライフステージの変化や、身体的負担、人間関係など退職理由は様々ですが、厚生労働省が公表している「看護師の平均年齢」は38.9歳です。
若い年齢で退職したからといって、看護師そのものを辞めてしまう人は少なく、ほとんどの方は転職という道を選んでいるようです。
年齢によって貰える退職金は異なる?
退職したら「しばらくは仕事をせずにゆっくりしようかな」と考えている看護師にとって、退職金は大事な生活費です。
退職のタイミングを少し遅らせるだけで、もらえる退職金が大幅に変動する場合もあるので、引っ越しや妊娠などやむを得ない場合を除いて可能な限り退職時期を調整することをお勧めします。
● 退職金の計算方法
退職金制度がある病院は、いずれかの4パターンに該当することがほとんどです。
退職前に自分の勤めている病院がどの計算方式を採用しているのか確認しておきましょう。
1)基本給×勤続年数
退職時の基本給に勤続年数を掛けて退職金を計算します。(*1)
〈例〉基本給25万円×勤続年数5年=125万円
2)基本給は関係なく、勤続年数によって決められている額
勤続年数によって退職金が固定されている場合もあります。
〈例〉勤続年数5年:50万円
勤続年数7年:150万円 など
3)固定額×勤続年数
基本給ではなく、“退職金として規定された固定額”に勤続年数を掛ける方法です。
固定額は病院によって異なります。
〈例〉固定額18万円×勤続年数5年=90万円
4)基本給×勤続年数×評価係数
(*1)でご紹介した計算式に“評価係数”も掛けて計算します。
評価係数とは、勤務態度や功績等で従業員の評価を指す数字のことです。
基準は1.0で、評価によって上下します。
〈例〉25万円×勤続年数5年×評価係数1.3=約160万
●看護師の退職金相場(年齢別 平均)
看護師の退職金は、勤め先の病院によって大きく差がありますが、平均的な退職金の相場をご紹介しておきます。
退職金に関しては、年齢で決まるというより勤続年数によって異なるため、ご自身の勤続年数に合わせて金額をご確認ください。
年齢 | 勤続年数 | 支給金額 |
---|---|---|
23歳未満 | 1年 | 約0万円~20万円 |
24~25歳 | 3年 | 約21万円~80万円 |
26~27歳 | 5年 | 約50万円~100万円 |
28~29歳 | 7年 | 約100万円~190万円 |
30歳~ | 10年 | 約200万円~400万円 |
これらのデータは、クリニックや私立、企業の総合病院の平均給与を、一般的に採用している退職金の計算方式に当てはめて抽出したものですが、勤続年数が少し違うだけで退職金に100万程の差が出る場合があるとわかります。
「あと半年頑張ったら勤続年数が満5年になる」などのタイミングであれば、退職時期は少しずらす方が良いでしょう。
しかし、勤続年数に関わらず退職金が出ない病院も存在します。
退職金はあくまで雇用主から従業員への慰労金であり、病院側に支払いの義務はないのです。
計算通りに支給されない場合もあります。
就業する際にサインした「就業契約書」があれば退職金制度について書かれているか確認しておきましょう。
まとめ
今勤めている病院を退職し、自分にとって条件の良い病院がすでに見つかっている場合は、転職も早いに越したことはありません。
しかし、退職理由が定まっておらず、転職活動も始めていないのであれば”仕事をしない期間”が発生することも視野に入れて、自分がもらえる退職金をしっかり把握してから退職に踏み切るのがベストです。
◎次は転職活動について確認してみましょう!
ベストな退職時期
【どうすれば良い?看護師が退職する時期を見極める方法!】
退職しようと思いたっても、“退職する時期”に悩む看護師さんも多い模様。
いざ、退職日を決めるとなると迷いますよね。
すぐに次の転職先を探すのか、資格をとるのか、しばらく休職するのか。
ライフステージの変化も退職理由にあると思います。
急いで退職しなければならないよほどの理由がない限り、意外と退職日を設定するのは難しいようです。
円満に退職したいからこそ、退職する時期をじっくり考えていきましょう!
人手不足の時期は避けたほうが得策!
看護業界で人手不足と常に言われていますが、その中でも特段人手不足になってしまう月があります。
それは、年末年始(12月~1月)、ゴールデンウィーク(5月)、お盆休み(8月)。
大型連休は休暇届が重なり人手が足りなくなります。
加えて、12月~1月は患者さんが増える時期でもありますので、一年の終わりで区切りよく辞めたい気持ちはわかりますが、極力避けたほうがいいでしょう。
4~5月に関しては、新人さんの入社が多い時期というのが理由です。新人教育が必要となり、ベテランや中堅はとくに忙しい時期。仕事に慣れてない人が多いため、この時期の退職は心象が悪くおすすめできません。
結局、ボーナス後に辞めるのが一番良いの?
看護師に限らず、どの業界でも“ボーナスをもらってから辞める”という方は多いはず。
病院やクリニックを辞めて、転職先がすぐにみつかっても次の給与をもらうまでには期間があきます。失業保険をもらうにしても自己都合の場合、時間がかかってしまいますよね。
もちろん、その分を見越して貯蓄する必要もありますが、ボーナスがあれば安心感が違いますよね。総額でもらえる金額が大きく変わりますので、ボーナスを貰った後に退職するのがオススメです。
しかし、ねらい目であると同時に競争率も高いです。
希望者も多くなることから、後になればなるほど退職時の引き止めが強くなる傾向にあります。早いもの勝ちともいえますので注意しておきましょう。
要注意!病院によって退職時期が決まっているところも。
国立病院や大学病院などの就業規則や慣例には、「年度末までは勤務してください」というルールがある場合も!
あらかじめ、就業規則を確認するのはもちろんのこと、親しい先輩方に慣例としてないかを聞いておくほうが良いでしょう。
いざ、退職するタイミングで「年度末まで働いてよね?」といわれてしまうと、予定がくるってしまいますので注意しておきましょう。
4月の転職者が多い?!退職しやすい時期はズバリこの月!
一概にはいえませんが、4月に転職する人が多いようです。
なぜなら、新人さんと同時に教育が受けられるため研修や教育をしっかり受けることができるからです。
中途入社をした場合、看護師経験が浅くてもプリセプターがつかないことがあるからです。ベテランさんでも、慣れない職場ではキツいかもしれません。
4月入職希望の求人は、1~3月から募集が始まります。
新人募集が始まる前に退職の旨を伝えましょう。その場合の退職準備は、10月頃から行うことをおすすめします。
■退職しやすいといわれる時期
●年度末(3月)
●5~6月
年度末は、病院によっては中途退職希望者をつのるところもあるようです。病院側にとってもある程度の退職者は予想していると推測できます。
なぜ、5~6月かというと、4月の新人さんたちが仕事に慣れてくる頃だからです。一番人手が足りている時期といえます。GWは避けつつ、退職日を設定してもいいでしょう。
まとめ
忙しい毎日のなか、勢いで辞めたくなる人もいるかもしれません。
ですが、すこし冷静に考えてみましょう。円満退職するためにも、次の転職先をすぐに見つけるためにも、「言い出す時期」「退職する月」の見極めは重要です。
今はまだ辞めたいとは思わない…と思っている看護師さんも、周囲に辞める人がいれば上手に辞められているか見てみましょう。その人を参考にしてもいいかもしれません。
転職する時期を見極めるのも大切ですが、いい求人に出会うタイミングも大切です。
思い立ったが吉日ともいいますが、いい求人に出会ったとき、すぐに応募できる準備もしておいたほうがいいでしょう。
看護師としての次のステップに、スムーズにいけるといいですね!求人の情報収集は転職サイトを利用しつつ探してもいいかもしれませんね。
◎退職時期が決まったら「引継ぎ」について考えましょう!
※掲載情報は公開日あるいは更新日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。