仕事・スキル

実はできないことも多い?准看護師の業務内容や悩みとは

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更新日:2021.03.11

公開日:2019.02.18

看護師と准看護師では、業務の権限や立場、待遇の面において明確な違いがあります。
そのことで悩み、ジレンマを抱える准看護師は少なくありません。
そこで今回は、

■准看護師の仕事内容の定義
■准看護師にできないこと
■准看護師が抱えている悩み


について調査しました。

准看護師の仕事内容の定義とは

早速ですが、准看護師の仕事の定義をご存知ですか? 
看護師資格と准看護師資格は当然ながら違う資格のため、法律における仕事の定義も異なります。保健婦助産婦看護婦法ではこのように定義されています。 

■看護師とは… 
厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者(保健婦助産婦看護婦法 第5条による) 
 
■准看護師とは… 
医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者(同 第6条による) 

(出典元:保健師助産師看護師法

看護師と准看護師の業務内容は、どちらも「療養上の世話」と「診療の補助」をおこないます。 
異なる点は、准看護師は医師や看護師の指示のもとに業務を行うと義務付けられているということ。したがって、看護師に業務の指示を出したり、自らの判断で処置をおこなったりということはできないのです。 

准看護師ができない仕事とは何か?

具体的に准看護師ができないことは以下のとおりです。 

① 療養上の世話や診療の補助を自分の判断で実行できない 
② 自分より後輩であっても、准看護師から看護師へ指示は出せない 
③看護計画の立案ができない 
④管理職などへのキャリアアップができない 

准看護師でも、基本的には看護師と同じ医療行為ができます。しかし、自分の判断での医療行為ができません。 
例えば、入浴を希望する患者さんのために入浴・清拭介助が必要な場合、看護師であればそのまま介助の準備を始められます。一方で、准看護師は看護師またはその日受け持ちのリーダーに伝えて指示を仰ぐ必要があります。 

繰り返しになりますが、必ず医師や看護師の指示を受けて業務を遂行します。 
責任の所在を明確にするために、指示系統が決められているのです。 
 
また、准看護師は患者さんの看護計画を自ら考え立案することはできません。 
理由は、准看護師に求められる要求水準が看護師とは異なるからです。 
日本看護協会看護労務基準では、看護師と准看護師の教育の基本的考え方として、下記の通りに定められています。 

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つまり、看護師と准看護師では、そもそもの方針や受けてきた教育が異なるため、求められる業務も違ってくるということなのです。 
 
准看護師養成校の授業内容には、アセスメント能力や根拠立てた判断力を身につける教育が含まれません。あくまで、医師や歯科医師、看護師の指示のもとに「安全な援助」ができる能力を養うという方針のもとで教育を受けています。 
 
それに対して、看護師は「倫理に基づいた看護」「科学的根拠に基づいた看護」を計画し、実践する力を養うための教育を受けます。 

これらの違いに基づいて、公益社団法人 日本看護協会が定める看護業務基準にはこう記されています。 

「看護を必要とする人を継続的に観察し、状態を査定し、適切に対処する」は、准看護師は看護師の立案した計画に基づき、看護師の指示のもと、看護を必要とする人に対する支援を行うこととする  

(『日本看護協会看護労務基準2016年改訂版』より一部抜粋)


つまり、看護師が看護計画を立て、准看護師はその指示に基づいた看護を行わなければならないのです。看護師と准看護師では明確な権限の違いがあります。准看護師としてどれだけの経験を積んでも必ず指示を仰いで業務を行うことが義務付けられています。 
 
同様に、自分より後輩の看護師であっても、准看護師が指導することはできません。 
 
これらを理由に、多くの職場で管理職などのキャリアアップは難しいとされています。 
キャリアアップを望む場合は、まず看護師資格を取得し、一からキャリアを築かなければなりません。 

准看護師が抱えている5つの悩み

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看護師と准看護師が共に働く職場では、悩みを抱える准看護師が少なくありません。
世の准看護師の皆さんがどのような悩みを抱えているのか調査しました。

悩み①│看護師と同レベルの仕事を求められるのに給料に差がある
看護師と准看護師の給料は、平均して月に5万円ほど差があります。
資格要件や学習内容も違う資格でありながら、できる仕事はほとんど変わらないという現状。
「業務分担を明確にしてほしい」と不満を抱える准看護師の方が多いようです。

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悩み②│学ぶ機会が少ない
准看護師は、看護師と平等に勉強できる機会が欲しいと感じています。
看護師よりも研修への参加や学ぶ機会が少なく、スキルアップをしたいと考える准看護師は物足りなさがあります。


悩み③│就労場所が限られる
大学病院や総合病院では准看護師の採用が難しく、看護師の求人数のほうが圧倒的に多い状況です。
「最新医療を学び、質の高い看護技術を身に着けたい」と考えていても、大病院での就職はなかなか厳しいといえます。


悩み④│キャリアアップができない
長年の経験を積んでも、師長などの管理職へのキャリアアップや、専門看護師、認定看護師といった資格取得ができません。
キャリアアップするためには、看護師資格を取るための勉強をして、看護師として一からキャリアを築かなければならないというハードルの高さが大きな悩みとなっています。


悩み⑤│肩身が狭い
患者の要望に対し、自身の判断ではなく医師や看護師の指示を仰がなければなりません。経験からわかることもあり、「できることはすぐに対応してあげたいけれど、やってはいけない」という状況にジレンマを抱える准看護師は大勢います。
「准看護師」の社会的評価の低さを感じ、肩身の狭い思いをしている人もいるようです。


准看護師の魅力は、「働きながら資格取得が目指せる」「書類業務は少なく、現場業務に集中できる」「看護のサポート役として立ち回れる」という点です。しかし一方で、准看護師として働き続けることで次第に見えてくる看護師との優劣に不満を感じてしまう人も少なくありません。 

経験を積み、さらなる高みへの一歩を踏み出したいとお考えの方は、これを機に看護師への道を検討してみるのもいいかもしれません。 

まとめ│経験を生かした転職や看護師へのキャリアアップの道も

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看護師と比べて准看護師ではできないこと、また准看護師が抱える悩みについてお話してきました。まとめると以下のとおりとなります。 

准看護師にできないこと  
◆主体的な行動、自身の判断による医療行為 
◆看護計画の立案、後輩の看護師への指示出しや指導ができない 
◆管理職などへのキャリアアップが難しい 
 
准看護師が抱える悩み  
◆看護師との給料の差 
◆学ぶ機会の少なさ 
◆限定された就労場所 
◆キャリアアップできない 
◆肩身が狭い 
 
このような現状を踏まえて、現在日本看護協会では、 
「准看護師資格を廃止し、看護師に一本化する」 
という方向で、看護師への移行教育を進めようとしています。 
 
すぐに准看護師資格がなくなるわけではありませんが、 
 「今以上にスキルを身につけたい!」 
「看護師として責任ある仕事がしたい!」 
 と高い意欲を持つ方には、准看護師から看護師へのキャリアアップの道をおすすめします。「准看護師から正看護師へのキャリアアップ」コラムもぜひお読みください。 
 
 看護師資格を取得するには費用も時間もかかりますが、長期的なキャリア形成を考えると損はないのではないでしょうか? 准看護師経験が7年以上あれば通信制で看護師資格を取得できますし、資格取得のためのサポート制度も用意されています。 
コラム「通信制で准看護師から看護師へ!費用はいくらかかるのか」 
 
また、准看護師廃止案が出ているとはいえ、経験豊富な准看護師を求めている病院やクリニックは全国にたくさんあるというのが現状です。もしかしたら今の職場より、給料アップやスキルアップができる環境があるかもしれませんよ。 
 
「学べる環境に変えたい!」 
「給料を上げたい!」 
とお悩みの場合はぜひ、医療ワーカーにご相談ください。 
 
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