血管造影室(アンギオ室)の仕事内容をご存知でしょうか?高度な技術、専門性を求められる環境ですが、スキルアップを考えている看護師さんにはうってつけの環境でもあります。
ここでは血管造影室(アンギオ室)で働く看護師さんのメリットをご紹介します。
血管造影室の仕事内容
血管造影室(アンギオ室)での看護師さんの主な仕事は、血管造影検査とそれに伴う患者さんへのサポートです。
血管にカテーテルという医療用の管を挿入し、造影剤を幹部に流すことで、血流の状態や組織の浸潤経路などを目に見えるようにし、それを記録に残す作業を行います。
この検査により、脳(動脈瘤、血管腫、脳腫瘍など)、肺(肺がん、肺梗塞など)、内蔵(肝硬変、骨腫瘍など)手脚(四肢血管狭窄、閉塞性動脈硬化など)の病気や障害を発見することが出来ます。
血管造影室で求められるスキル
血管造影室(アンギオ室)で働く看護師さんにとって大切なことは、技術を要する複雑な仕事内容なだけではなく、何よりも患者さんへの精神的なサポートです。
アンギオ室での看護は、血管の穿孔、出血、造影剤の使用によるショック症状、血栓症、血管内膜剥離、穿刺部末梢動脈の循環障害など数多くの偶発症を引き起こす危険性が常にあります。
カテーテル挿入中だけではなく、挿入前、挿入後も常に患者さんに異変がないか気を配ることが重要となります。
薬物にアレルギーがないか、感染症はないか、検査対象以外の持病についてなどを確認し、患者さんへ検査の目的や説明をするなどの事前準備を怠ってはいけません。
このように、血管造影室で働くためには、患者さんを不安にさせないためのコミュニケーション能力、変化を見逃さない観察力、臨機応変に対応する能力などが求められます。
血管造影室で働くメリットとデメリット
血管造影室で働く看護師のメリットは、大きく3つあります。
まず、疾患への専門性を身に着けることでスキルアップがのぞめます。
検査により脳や胸部、手足の血管の状態を知ることができ、それにより、血管障害や腫瘍、外傷による障害の程度などを確認できます。
それを通じて、関連する疾患の専門的な知識を身に付けることが出来ます。
次に、知識や技術を体系的に学ぶことができます。
血管造影室専門のみに勤務するということは少なく、病棟勤務と一緒に勤務することがほとんどです。
血管造影検査がよく行われている病院に勤務すると、重症度や疾患の状態などについて把握しやすくなり、くわしい知識や技術を身に付ける機会が増えることでしょう。
最後に、患者さんへのケアを行うスキルや知識も積むことができます。
反対にデメリットは、スキルが偏ってしまい、部署が移動になったときにスキルを活かせないことや、被曝の可能性があることなどがあげられます。
血管造影室では、知識やスキル以外にも患者さんへの観察力が身に付く環境でもあります。
スキルアップの一環として、血管造影室で働くことを考えてみてはいかがでしょうか?