「お局看護師から目をつけられていて、シフトが同じ日はとても苦痛」
「そばにいるだけで呼吸が浅くなり、緊張してしまう」
お局看護師とどう付き合っていったらいいか悩んでいる看護師さん。
「もう我慢するしかない」 と諦めていませんか?
人間関係の悩みは、コミュニケーションスキルを高めることで解決できる場合があるんです。
お局看護師とひとえに言っても、威圧的なお局看護師だったり、感情がなく顔色が読めないお局看護師など実に様々なタイプがあります。
今回は、コミュニケーションスキルを高めるのに効果的なメソッドである「ソーシャルスタイル理論」を用いて、お局看護師のタイプに合わせた対応方法をご紹介します。
タイプ別、お局看護師の特徴
ソーシャルスタイル理論とは、1968年にアメリカの産業心理学者であるデビッド・メリル氏によって提唱されたコミュニケーション理論です。
この理論では、「自己主張度」と「自己表現度」の強弱を軸に、人を4つのタイプに分類。それぞれのタイプに適したコミュニケーション方法で円滑な対人関係を築こうというもの。
つまり、相手のルールにならった伝え方や態度で、相手に心地よさを感じてもらうという事です。
上の図は、ソーシャルスタイルを図で表したものです。
あなたを悩ませているお局看護師がどのタイプに属するか、各ソーシャルタイプの特徴を見ていきましょう。
ドライビングタイプのお局看護師
<特徴>□せっかちで早口
□喜怒哀楽を表に出さない
□自己主張が強い
□効率重視
□威圧的な態度で、上からものを言う
ドライビングタイプのお局看護師は、自己主張が強く、ズバズバと物を言うのが特徴です。他人に指図されるのを嫌がり、自分がしっかりとコントロールしたいという傾向にあります。経営者など人の上に立つ人間に多いと言われていますので、看護師長や主任がこのタイプに当てはまる、という方も多いのではないでしょうか。感情表現は豊かではありませんが、イライラしているときや怒っているときは一目で分かるほど態度に表れています。効率を何よりも好みますので、時間については特に厳しめ。質問に対する返答も即レスを要求する傾向にあります。 アナリティカルタイプのお局看護師
<特徴>□話すスピードはゆっくりで口数は少なめ
□感情表現が乏しい
□冷静沈着
□スピードよりも正確性を求める
□形式や議論を重視する
アナリティカルタイプのお局看護師は、「顔色が読めず、何を考えているのか良くわからない」というのが特徴です。口数が少なく感情を表に出さないので無愛想な印象があります。スピードよりも正確性を重視しますが、待たされるのは嫌い。また、事実やデータを重視し、リスクを避ける傾向にあります。 エミアブルタイプのお局看護師
<特徴>□口調はゆっくりでおだやか
□協調的な態度
□世話好き
□親しみやすい
□聞き手に回ることが多い
エミアブルタイプのお局看護師の特徴は、八方美人であるということ。人当たりが良く、相手に合わせるのが得意なエミアブルですが、権力者の意見に同調しやすい傾向にあります。意見がコロコロ変わるので、人間関係をひっかき回したり周囲の人を振り回すこともしばしば。また、人とのコミュニケーションを大切にするあまり、お節介がすぎる場面も少々。「悪い人ではないんだけれど、ちょっと・・・」というお局はエミアブルかもしれません。 エクスプレッシブタイプのお局看護師
<特徴>□テンポ良く話す
□自信があり、明るく直感的
□感情表現はとても豊か
□ノリが良くエネルギッシュ
□擬音語や擬態語を良く使う(「ばーん」と出てきて・・・など)
人を惹きつける魅力を持っているエクスプレッシブタイプですが、自分一人だけでどんどん突き進んでいき、周囲が置いてきぼりになってしまうこともしばしば。また、衝撃的な言動で周りを驚かせることもあります。物事を直感的に判断したり物事を決めるのは得意ですが、進行管理や細かい作業は苦手。喜怒哀楽を前面に出すので、ストレスが溜まると攻撃的になり相手を責めてしまうという一面も。こんなお局看護師さん、周りにいませんか? タイプ別!お局看護師の対処法
あなたを悩ませているお局看護師がどのソーシャルタイプに該当するか、判別できましたでしょうか。
お局看護師のソーシャルタイプが分かったら、次は上手く付き合っていくための対処法をご紹介します。
ドライビングなお局の対処法
ドライビングタイプのお局看護師とうまくコミュニケーションを図るには、時間や締め切りを守るなど社会人としての基本的な部分を徹底することが大切です。そして、報告・連絡・相談の際は、要点を端的に伝えることを意識すれば印象がグッと良くなるはず。接し方のポイント
・無駄を省くドライビングタイプは、長い前置きや余計な雑談は好みません。報告の際は要点を端的に、意見を求められた際は結論から述べたあと補足説明をするなど論理的に話しを展開すると良いでしょう。・時間や締め切りを守る時間にルーズだったり、約束事を守らないなど基本的なことができない人を嫌がります。また、スケジュール通りに業務が進まないのも好ましく思いません。時間に厳しいので、ドライビングのお局に用事がある際は「◯分お時間よろしいでしょうか」と一言断りを入れてから用件を伝えるようにしましょう。・根拠やデータを用いてロジカルに説明する意見を求められた際は、前置きやダラダラとした説明は省き、結論から述べるようにしましょう。ドライビングタイプは事実的側面を大切にしますので、結論に対する根拠やデータを添えてロジカルに話しを展開すると良いでしょう。・決定を委ねる指示をされるのが嫌いで、自分の判断で物事を決めたいドライビングタイプ。お局看護師に何か了承を得たいときは、「こうしましょう」と提案するのではなく、情報をしっかりと伝えて判断を仰ぎましょう。「自分が決定を下した」と感じさせるのがポイントです。・成長意欲があることをアピールする「良く勉強している」「失敗してもへこたれず、粘り強く頑張る」など、成長意欲の高い相手を好む傾向にありますので、頑張っている姿をアピールできると尚良いでしょう。ドライビングタイプの人から意見をもらうときは、まず自分の意見を伝えるようにしましょう。例:◯◯について、私は△△だと思っています。Aさんの考えを教えていただけないでしょうか? アナリティカルなお局の対処法
身近なお局看護師がアナリティカルタイプの場合、顔色が全く読めず「もしかして嫌われているのかな」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。ですが、にこやかでなくてもあまり気にする必要はありません。それが、アナリティカルの特徴だと割り切るのが一番です。質問や相談は、できるだけ正確な返答をしたいというのがアナリティカル。情報は詳しく説明し、返答や決断は急かさないことが大切です。返答が欲しいときや決断してほしいときは、「今度◯◯についてお尋ねしたいと思いますので、またご意見を伺わせてください」と、事前予告をすると快く対応してくれるでしょう。接し方のポイント
・相談事は事前に予告前述したようにアナリティカルは即決や即答は苦手。承認を得たい場合や相談がある際は事前にその旨を伝え、後日、意見をもらうようにしましょう。・報告は数字などの客観的なデータを用いて正確に伝える分析型であるアナリティカルは、正確性を何よりも大切にします。報告や意見を求める際は、客観的なデータを用いること。正確な判断がしやすくなるので喜ばれます。・根拠やデータを用いてロジカルに説明する意見を求められた際は、前置きやダラダラとした説明は省き、結論から述べるようにしましょう。ドライビングタイプは事実的側面を大切にしますので、結論に対する根拠やデータを添えてロジカルに話しを展開すると良いでしょう。・相談は具体的に「何について聞きたいのか」「どんな意見を求めているのか」「なぜ聞きたいのか」この3点が分からないことには意見を言いたがりません。相談をする際は、相談内容を具体的にしておきましょう。・専門性を褒めよう「すごいですね」「素敵ですね」という曖昧な言葉で褒めてもアナリティカルの心には響きません。自身の専門性に誇りを持っている方が多いので、知識や技術の専門性を褒めると良いでしょう。例:◯◯さんに教えていただいた△△の件、××のときにとても役立っています!ありがとうございます! エミアブルタイプなお局の対処法
エミアブルに対しては、“雑談”と“笑顔”がキーとなります。エミアブルタイプは和を大事にするあまり、人によって意見がコロコロ変わってしまい振り回される人も少なくありません。また、人に気を使いすぎるので、部下や後輩に必要以上にお節介を焼いてしまうことも。ですが、エミアブルにとって八方美人な態度や雑談は周囲とコミュニケーションを図る手段。エミアブルの一挙手一投足に逐一やきもきするのではなく、エミアブルのその姿を受け入れるのも対応策の一つです。接し方のポイント
・穏やかな雰囲気で話しかける協調性を大事にするので、ビジネスライクな接し方は好まれません。にこやかな表情を心がけ、穏やかな雰囲気を作ればコミュニケーションがしやすくなります。・相談事は世間話から入る相談や報告をする際は軽く世間話をし、相手の懐に入り込んでから本題を切り出すとうまくいきます。・雑談は信頼関係を築くための方法と心得るエミアブルは雑談が大好き。「雑談ばかりして手を動かさない」とエミアブルなお局看護師に苛立ちを感じているかもしれませんが、雑談はエミアブルにとって人間関係を築くためのひとつの手段。気にしすぎない方が良いでしょう。 エクスプレッシブなお局の対処法
エクスプレッシブタイプのお局看護師に効果的なのは、普段よりちょっとオーバーなリアクションを取ること。感情表現が豊かなので、やや大げさにリアクションをすると気持ち良く話してくれます。テンションが高く、喋るのが大好きなので、聞き上手なインタビュアー役に徹するのも効果的です。接し方のポイント
・相槌を打つなど熱心に聞く姿勢を見せる相手がリアクションをしてくれると嬉しくなるのがエクスプレッシブ。話を聞く際は、相槌を打ったりリアクションを取ったりすると良いでしょう。会話をしていて心地よい相手だと認識してもらえ、関係性がアップします。・お願いごとをする際は雑談から入る面白い話、楽しい話が大好きなので、何かお願いしたいことがある場合は雑談から入ると場が和み、後の話に進みやすくなります。・説明は短く話し好きのエクスプレッシブですが、説明は手短にしてほしいのが本音。ドライビングやアナリティカルのように論理的な話し方でなくて良いので、説明や報告は短くまとめると良いでしょう。 最後に
いかがでしたでしょうか。ご紹介した対処法は、伝え方の順番を変えたり、雑談や世間話を挟んで話しだしたりと、ちょっとした工夫でできること。ほんのちょっと相手に合わせることで、これまで苦手だと感じていた相手と驚くほど関係性が良くなるかもしれません。ぜひ明日から実践してみてくださいね。もしこれでも上手くいかなかったり、今の職場を辞めたくなったら思い切って転職するのもひとつの手。人間関係にお悩みの方は、風通しの良い職場やお局看護師のいないオープニングスタッフの求人がオススメです。ぜひ看護師ワーカーのキャリアアドバイザーまでご相談ください。 ◆キャリアアドバイザーに転職の相談をする 関連記事