「看護師という仕事がこんなに辛いなんて・・・。」
「できなさすぎて辛い。」
「先輩看護師怖すぎ。下っ端だから言い返せないけど、理不尽すぎて辛い・・・。」
新人看護師さんから聞こえる、さまざまな「辛い」の声。
今回は、新人看護師が辛いと感じていること、その対処法を探っていきたいと思います。
新人看護師が一番辛い時期って?
新人時代、一番辛かったのはいつ?と聞くと、「一年目は毎日辛かった!」と多くの看護師さんが答えるのではないでしょうか。
それくらい大変な一年目で、特に辛いのが入職半年後と言われています。
入職半年というと、環境に慣れてはくるころですが、まだまだ覚えることは山積みです。
そこに受け持ち患者が増えるなど、やることが増加。夜勤にも本格的に入るようになり、体力面でも更にきつくなります。
がんばらなくちゃ、と思う気持ちがある一方、それ以上に「もうイヤ、辛い!」という気持ちが勝ります。
新人看護師の離職もこの時期がピークです。
新人看護師はこれが辛い!
新人看護師さんは、どんなことを辛いと感じているのでしょうか。
調べてみると、主に4つの「辛い」があることが分かりました。
①できないことが辛い
何でこんなにできないんだろう、看護学校の時からずっと勉強しているのに・・・と、落ち込む新人看護師さんが多数。自分のミスで、患者さんや周囲の人に迷惑をかけることを、何より申し訳なく辛く感じます。「新人なんだからできなくて当たり前」という言葉は、責任感の強い人には響かないかもしれません。けれど、看護学校で教わったことよりも、現場で得る知識の方がはるかに多く、勉強したことと現場のやり方が違うというのはよくあります。そして、知っていること・知ったことを行動に結びつけるには、何回もやってみること=経験が欠かせません。では、新人看護師が経験のなさをカバーするにはどうすればいいのでしょうか。ポイントをまとめると以下のようになります。<ポイント>
1.自分なりのルールや順番を作り、間違いや漏れを防ぐ 例)・カルテの入力は後回しにせず少しずつでも入力する ・必要な器具や薬品を処置別にメモにまとめる2.疑問を持って行動する→業務をこなすだけでなく、なぜこの順番なのか?など、考えることでより身に付く3.できないことを洗い出し、解決すべきことの優先順位をつける→問題点への対処法を考え実践。解決できなければ一旦保留して次の問題にとりかかる ②先輩が怖くて辛い
先輩というだけで、なぜあんなに怖いのだろう、なぜあんな威圧的な言い方をするのだろう・・・。新人看護師さんは先輩との接し方に戸惑うことも。「自分だって新人の時があったはずなのに!」と思ってしまいますよね。でも、先輩もたくさんの業務をこなしながら、新人の指導もしなくてはなりません。あなたに余裕がないように、先輩にも余裕がないはず。そして、なにより早く一人前になってほしいという気持ちから、厳しく指導してくれているのでは?ただ、まだ仕事のできない新人看護師を邪魔者扱いにして、ストレスのはけ口にするような人もいます。あまりにも理不尽で辛い場合は、先輩にばれるのを怖がらずに上司に相談しましょう。<先輩との接し方心得
>1.質問はよく考えたうえで ∟何も考えずにそのまま質問すると、手を止めるうえに「自分で考えて!」と怒りを買うことに2.無理に仲良くなろうとしない ∟人間同士、相性の良い悪いはあります。みんなから好かれようとしなくてOK3.先輩が忙しそうな時は手伝えることがないか確認する ∟疲れていても、手伝えることがないにしても、謙虚な姿勢を示しましょう ③夜勤が辛い
生活リズムが乱れ、体力的にもハードな夜勤。新人看護師さんにとっては、頼れる人が少ない状況のなか、急変があったらどうしよう、あのイヤな先輩と一緒だったらどうしよう、と心配がつきません。
夜勤に入りたくない、夜勤さえなかったら我慢できるのに、と思っている人もいるでしょう。
多くの看護師さんが夜勤に慣れるまで、最低でも半年かかったと話しています。
まずは夜勤のシフトに慣れることから始めましょう。夜勤の回数を重ね、生活リズムが少し慣れてくるころには、夜勤を怖がる必要がないことを実感できるようになります。
④忙しくて辛い
新卒の看護師さんは、規模の大きい急性期病院へ就職するケースが多くなります。急性期は、緊急度や重症度の高い患者さんを受け入れるため、生死に関わる場面も多くなります。手術も頻繁にあり、患者さんの入れ替わりが早いので、毎日目まぐるしく状況が変わります。新人看護師さんにとっては、患者さん一人ひとりに向き合った看護ができない、忙しさゆえに患者さんやご家族に寄り添えないことの辛さを感じます。忙しいということは、それだけたくさんの患者さんの看護に携われている、と考えることもできます。それでもやっぱり患者さん一人ひとりに向き合い、寄り添った看護をしたいと思うなら、回復期や慢性期の病院で働くことを検討してみてもいいかもしれません。☆詳しくはこちらのコラムもご覧ください
慢性期病院で働く看護師のメリット・デメリット 回復期リハビリテーション病棟で働く看護師のスキル 新人看護師の辛さはいつまで続く?
では、新人看護師さんの辛い時期はいつまで続くのでしょうか。
看護師は責任のある仕事ですから、大変なのはずっと変わりません。
けれど、今辛いと感じていることのなかには、経験を積むことで解消されることもたくさんあります。
できなくて辛いのは、業務を重ねることで覚え、自然と体が動くようになります。
業務ができるようになれば、先輩を恐れることはありません。
夜勤や忙しいことで感じる辛さは(理想とする看護師像や仕事への向き合い方にもよりますが)、それをやりがいと感じるようになる、ということも考えられます。
業務が完璧にできるようになるのはまだ先ですが、まずは一年やり通してみることで、少しは自信をつけることができ、社会の仕組みもにも慣れることができます。
経験を積んだら積んだで、また新たな辛さや悩みが出てくるのが仕事。
それでも一年がんばれたら、新人看護師ならではの辛さは、ある程度克服できるのではないでしょうか。
まとめ
新人看護師が新人でなくなったら、すべての辛さがなくなるという簡単なものではありません。けれど、経験が自信を生み、考え方や見方は変わります。今のやり場のない辛さは、今だけのものです。数年後には、「あんな時もあったな」と懐かしく思えているはず。現に、みなさんの周りにいる先輩看護師さんたちがいい例ではないでしょうか。それでも辛い、と思うなら無理をする必要はありません。もっと患者さんと向き合った看護がしたい、どうしても夜勤のない働き方がいいというのであれば、環境を変えるのもひとつです。現状を変えたいと思う新人看護師さんは、看護師専門の転職アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。自分の思いを口に出してみることで、気持ちの整理ができることもあります。医療業界に詳しい第三者の意見を聞いてみることで、やっぱり今の病院でがんばってみようと思えるかもしれません。絶対に転職!ということではなく、自分の看護師としてのキャリアを考えるうえでの、ひとつのツールとして気軽に利用してみてください。 看護師専門転職サイト看護師ワーカーのアドバイザーに相談する 関連記事