緩和ケアとは、癌と診断された患者さんに対する、身体的・精神的な苦痛を和らげるためのケアです。
苦痛を緩和することにより、治療に取り組む力や生きる力が湧いてきます。
また、癌と診断されたことによる就職活動への影響や、解雇などの社会的差別についても一緒に考えていきます。
このような緩和ケアをする看護師はどのようなスキルを取得する事ができるのか、2つのポイントに分けてみていきます。
コミュニケーション能力
看護師の基本は、患者さんや、ご家族の方と寄り添いながら看護をする事です。
とは言うものの、現状は時間に追われながら、必要な看護を行う事で精一杯です。
結果的に、コミュニケーションを満足にとる時間は十分には確保できません。
しかし、緩和ケアでは、患者さんの立場に立ったケアはもちろん、一人一人の患者さんのペースに合わせながら看護をすることが可能です。
そのため、患者さんと過ごす時間が増えるので、患者さんの理解も深まり親密な関係を築く事ができます。
また、患者さんやご家族の方の中には、悪い知らせを医師から通告される方もおられます。
そのような患者さんが、生きる力を失わないように、試行錯誤しながらコミュニケーションをとっていくこともスキルアップに繋がります。
身体的・精神的トータルケア能力
緩和ケアは上で説明した通り、身体的・精神的ケアをする事が目的です。
どちらかの知識に偏りがあっては万全の状態とは言えません。
そのため、トータルの能力が必要となります。
どのような質問をすれば患者さんの考えを聞き出せるのか、どのような接し方をすれば心を開いて頼ってもらえるのか。
そのような事を考えながら患者さんと関わり、それにより身に付いたコミュニケーション能力は今後も看護師としてどのような現場でも使えるスキルになります。
加えて、緩和ケアは看護師以外の専門職の人とチームを組んで行う事が多いので、今まで以上に視野を広げる事もできます。
医療処置に関しても一般病棟で行っている看護と全く違う事をしているわけではありません。
そのため、一般病棟でも使えるスキルを、時間をかけて深く学ぶ事もできます。
また、打診、聴診、触診なども上達できます。
緩和ケアでは1人にかける時間が長い分、その人の細かい変化に気づく事ができるようになります。
癌による痛みに関しても、多くのがん患者と接することで痛みの程度に応じたケアや処置について予想できるようになっていきます。
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