救急外来での夜勤といえば、「激務で判断スピードが問われる」というイメージがありますよね。夜間は特に看護スタッフが少なく緊急性の高い患者さんが運ばれるケースも多いので、瞬時に患者を振り分ける判断能力も問われます。そんな救急外来で夜勤バイトをしようと思ったとき、どんな点に注意して求人を選んだらよいのでしょうか?
そこで、救急外来の夜勤バイトで失敗をしない求人選びのポイントをご紹介します!
◆救急外来での夜勤バイト選び◆ ポイントその①:何次救急?
救急外来は患者の重症度によって1次~3次に分かれており、現場で求められるスキルも異なります。1次~3次による患者の特徴や施設区分を表にすると以下のようになります。
種類 | 患者の特徴 | 医療施設数(H24年度) | 施設区分 |
第1次救急 | 帰宅可能な軽症患者対応 | 556 | ・かかりつけ医 ・休日夜間急患センター ・休日当番医 |
第2次救急 | 一般病棟に入院となる 中等患者対応 | 3,259 | ・総合病院 ・休日夜間急患センター |
第3次救急 | 集中治療室に入院となる 重症患者対応 | 249 | ・救急救命センター ・高度救命救急センター |
参考文献:「救急・救助の現況」(総務省消防庁)
1次救急は、自力で来院され自力で帰っていく患者や救急搬送されたけれども入院せずに帰宅という患者も多いのが特徴です。ですので、1次救急の夜勤バイトは通常の外来業務とさほど変わらない部分も多くなります。
2次救急は、患者数・病院数ともに多く、受け入れる患者の重症度も病院によって様々です。簡単な処置で済む場合もあれば、入院の手配を行ったり緊急手術が必要なケースもあります。2次救急でも、1次も2次も受け入れている病院や2次でありながら3次も受け入れている2.5次救急と呼ばれる病院もあるなど、病院の方針によって患者の重症度が異なります。
3次救急は、命に係わるような外傷や疾患を持った重症患者を受け入れており、高度医療対応の病院が3次救急に指定されています。人員体制が手厚いところがほとんどで、中には同じ病院内で救急病棟への異動を待っている所もあるなど、救急看護師を極めたい方にとって人気の部署です。
◆救急外来での夜勤バイト選び◆ ポイントその②:ピラミッド型?ER型?
病院の救急システムは「ピラミッド型」と「ER型」に分かれており、病院ごとに採用しているシステムが異なります。ピラミッド型とER型の大きな違いは、患者の受け入れ方にあります。
ピラミッド型
ER型
ピラミッド型では、主に救急隊が患者の症状を判断し、搬送先の病院を選別します。一方ER型では、どんな救急患者でも受け入れ、看護師が患者の重症度を判断しER専門医が初期診療を行います。救急要請が入ればどんな患者でも受け入れますし、ウォークインの患者も受け入れます。簡単な処置で済む場合もあれば、緊急オペからのICUという重症患者もいますので、ERの現場で働く看護師、特にトリアージナースには、過程の情報収集スキルや症状の原因検索スキルが必要になります。このようにピラミッド型かER型かによって看護師の働き方が異なりますので、どちらの救急体制の病院なのかをしっかりとチェックするようにしましょう。
◆救急外来での夜勤バイト選び◆ ポイントその③:救急件数を見るべし!
気になった求人があれば、その病院の救急搬送の受け入れ件数をチェックしましょう。近隣の病院の救急搬送の受け入れ件数や都道府県ごとの救急出動件数と比べてみると、その病院の受け入れ数が多いかどうかが判別出来ます。
2次救急と謳っているのに年間の救急搬送患者が0という病院もありますので、「スキルを磨きたいのにこんなはずじゃなかった」とならないよう、しっかりとチェックすべきポイントです。
※病院の救急搬送の受入れ件数はその病院のホームページに、都道府県ごとの救急出動件数は総務省のホームページに記載されています。
◆救急外来での夜勤バイト選び◆ ポイントその④:未経験でも働けるのか?
救急外来の夜勤バイトは、基本的に救急外来での実務経験が必須です。しかしまれに、救急外来は未経験でも脳外科や循環器科の実務経験があれば採用してくれるケースや、教育体制が整っている病院であれば、救急外来が未経験でも受け入れてくれるというケースもあります。
未経験だからと諦めず「未経験の受け入れが可能か」「どういった経験があれば入職できるのか」を確認してみましょう!「未経験でもぜひ救急外来で夜勤バイトをしたい!」という意欲の高い看護師さんであれば、採用の可能性は高まるかもしれません。
採用の成功確率をさらに高めるのであれば、人材紹介会社を使うのも一つの手です。
まとめ
「失敗したくない!救急外来の夜勤バイト選びのポイント」はいかがでしたでしょうか?
救急外来の夜勤バイトは給与が高い分、やはり激務です。救急外来の夜勤バイトをしようとお考えの看護師さんは、本業と無理なく両立できるバイト先を選ぶという事が大切になってきます。
また、救急外来での夜勤は、薬剤師や放射線技師などの各部署との連携も大切になります。内部の連携体制が整っているかどうかは、外部からは中々分かりません。そういった内情を知りたい場合は、看護師専門のキャリアアドバイザーに相談してみると色々教えてくれますよ。ぜひ一度相談してみて下さいね。