施設の規模や働くスタッフの人数、患者層も病院とは異なるクリニック。
クリニックに転職したいとは思うものの、
「クリニックってどんな事するの?」
と、病院とクリニックの仕事内容の違いが分からず一歩がなかなか踏み出せない看護師さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クリニックに転職する前に知っておきたい3つの事柄
・基本的な仕事内容
・診療科目別の業務
・患者層や疾患
についてお話ししていきます。
病院とどう違う?クリニックにおける基本的な仕事内容
病院もクリニックも同じ医療機関ではあるものの担う役割は異なります。病院は救急医療や専門医療、高度医療の機能を有しており入院医療の役割を担います。一方クリニックは、軽い病気や怪我といった初期医療や慢性期疾患に対応しており外来医療が主体です。クリニックは病院のようにいくつもの診療科目があるわけではなく、「◯◯内科医院」「△△眼科クリニック」というように院長の得意とする診療科目で運営している場合がほとんどです。科目によっては特殊な業務もありますが、どのクリニックでも主に次のような業務を行います。・問診・バイタル測定・注射や採血・心電図測定・検査の準備・器具の滅菌、備品管理・掃除クリニックの業務は診療介助がメインであり、病院との大きな違いは、重症患者が担ぎ込まれたり、様々な症例の患者が訪れるという事はほとんどなく、イレギュラーな事態も起こりづらい
という点です。入職してしばらくは患者や疾患の傾向を把握するのに苦労するかもしれませんが、ルーティーン化できる業務が多いので慣れてくれば効率よく業務を進めることができます。また、掃除についてもクリニックならではの業務です。病院では清掃スタッフがいたり清掃業者が入ったりしますが、クリニックの場合は待合室や診療室、トイレなど院内の清掃はスタッフが行います。余談ですが、白衣も自宅に持ち帰って洗濯するという診療所がほとんどです。どの診療科目のクリニックにも共通する業務の次は診療科目ごとの業務についてご紹介します。 内科クリニックの業務
数ある診療科目の中でも一番施設数が多いのが内科系クリニックです。内科系クリニックには、内科、小児科、消化器内科・胃腸内科、循環器内科、呼吸器内科
といった種類があり、総数はなんと約12万施設。内科系クリニックの中でも一番多いのはやはり内科で、全クリニックの約6割を内科クリニックが占めています。 <内科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜患者層〜内科は、子供から大人まで幅広く来院。不調を感じたらまず訪れる科内科は子供から高齢者まで幅広い年代の方がかかる診療科目。それゆえ患者層は立地に大きく影響されます。住宅街にあるクリニックは子供や高齢者の患者が多くなり、駅ビルやオフィス街にあるクリニックは働き盛りの20代〜50代の患者比率が高くなります。内科では、「何が原因か分からないけれど体調がすぐれない」という方が多く訪れますので、まず患者さんの全身状態を把握し、それから治療法を考えるというのが一般的。原因が一目でわかる診療科目ではありませんので、不調の原因を特定するため一人一人の診察時間は長め。1日あたりの平均外来患者数は他の診療科目に比べて少なめの約35名(※1)となっています。(※1参照: 診療所経営の教科書|日本医事新報社) )〜疾患〜一般的な内科疾患の治療風邪、扁桃腺炎、発熱、胸痛、むくみ、動悸、疲れ・疲労、だるい、体重減少、立ちくらみ、嘔気、嘔吐、吐き気、胸焼け、食欲不振・減退、肩こり、花粉症、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎など循環器内科系疾患の治療狭心症、心筋梗塞、心不全、心臓弁膜症、不整脈、大動脈瘤、心筋症、心臓発作、 動脈硬化症、急性冠動脈症候群など消化器内科系疾患の治療腹痛、急性・慢性胃炎、胃痛、胃・十二指腸潰瘍、下痢、便秘、逆流性食道炎、 過敏性腸症候群、食中毒、胃痙攣、胃下垂、胃もたれ、心窩部(みぞおち)の痛み、 胆石症、急性・慢性肝炎、自己免疫性肝炎、脂肪肝、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変など呼吸器内科系疾患の治療咳、痰、気管支喘息、気管支炎、肺炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、 肺結核、いびき、睡眠時無呼吸など(引用: おおくぼ総合内科クリニック|内科系の病気 ) <内科クリニックにおける仕事内容>
・診察補助
・採血
・点滴
・心電図検査の補助
など
内科クリニックの仕事内容は、採血や注射が多いのが特徴です。
求人概要に「採血が得意な方は優遇」とあるほど採血のスキルを重視していますので、注射や採血といった手技が苦手という方は内科系以外のクリニックを検討するか、教育体制が整っている内科クリニックへの入職がオススメです。
高齢者が多く訪れるクリニックでは、診察室までの介助や車椅子への移乗介助が必要になる場面もあります。
求められるスキルに関しては、何を伝えようとしているのかを察知する洞察力とちょっとした変化に気づく観察力です。
内科では原因が何か分からないで訪れる患者が多く、幼児や高齢者は自分の体の変調をうまく表現できない事もあります。
オフィス街にある内科クリニックの場合、仕事の合間をぬって来院している患者も多いのでテキパキとした行動が求められます。
また、周辺の企業によっては英語での対応が求められる場合もありますので、英語を活かして働きたい場合は外資系企業が多いエリアのクリニックがオススメです。
<内科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★★★☆内科クリニックは、内科未経験の看護師でも十分活躍できますし、実際の求人でも大半が「未経験歓迎」を掲げています。とはいえクリニックですので、採血、点滴、インスリンなどある程度のことは一人でできるぐらいの経験値は必要です。また、クリニックの規模によっては看護師一人体制の所もありますので、技術や知識に不安を感じている方は規模が大きく、看護師が二、三人体制のクリニックがオススメです。内科クリニックの求人を見てみる 皮膚科クリニックの業務
皮膚科クリニックは緊急性の高い疾患が少ないのが特徴です。
外来中心で診療できるため、女性院長も多いというのが他の診療科目との違いです。
近年では、美容皮膚科を併設するクリニックや美容皮膚科を専門とするクリニックも増えてきています。
<皮膚科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜年齢層〜
女性患者が多めで世代の割合はほぼ均等
一般皮膚科:子供から高齢者までそれぞれの年代の割合はほぼ同じぐらい
美容皮膚科:20代〜60代の女性がほとんど
〜疾患〜
・蕁麻疹
・にきび
・いぼ
・乾癬(かんせん)
・脱毛症
・やけど
・水虫、とびひ、おでき、あせも、アトピー性皮膚炎
など
皮膚科では、頭のてっぺんから足の先まで全身のあらゆる部位が対象となります。
また、皮膚は直接外界にさらされているので、疾患によっては季節で増えるもの減るものがありますし、軽い塗り薬で済むものから手術が必要なものまで様々な症状の患者が訪れます。
皮膚科ではこれまで一目で症状がわかる疾患がほとんどでしたが、近年では、話をよく聞いてみるとストレスが原因であったり悪化要因となっている疾患まで多種多様な広がりをみせており、コミュニケーションが疾患の特定の鍵になる事もあります。
<皮膚科クリニックの仕事内容とは?>
一般皮膚科における業務
・薬の塗布・注射や点滴・採血・処置の補助など上記が一般皮膚科における基本的な仕事内容です。美容皮膚科クリニックの場合は上記業務に加えて、以下の業務にも携わります。美容皮膚科における業務
・患者へのカウンセリング・医療機器の準備や補助・レーザーの照射など美容皮膚科クリニックには、治療目的ではなく美しくなりたいという方が訪れます。患者様ではなくお客様という認識ですので、病院や他科のクリニックよりもレベルの高い接遇スキルが求められます。また、患者が “何に悩んでいるのか” “どのようになりたいのか” を丁寧に聞き取るカウンセリング能力を養っていく必要もあります。<皮膚科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★★★☆皮膚科は難しい処置がほとんどないということもあり未経験歓迎という求人が大半です。また美容皮膚科の場合は、未経験からスタートしたというスタッフがほとんど
ですので研修制度がしっかりと整ったクリニックが多く、皮膚科での臨床経験がない方も安心して転職できます。皮膚科クリニックの求人を見てみる 整形外科クリニックの業務
整形外科は、「回復する様子が目に見えて分かりやすいのがやりがいにつながっている!」という看護師も多く人気の高い診療科目です。
整形外科クリニックに来院する患者のほとんどは、痛みの原因や損傷部位の診断、リハビリのために来院します。
意識がはっきりしている患者が多く、完治に向けて定期的に通院する方も多いのでコミュニケーション能力が問われる科目でもあります。
<整形外科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜患者数〜
整形外科クリニックの1日あたりの患者数は平均100〜130人程度
リハビリ室の広さによって1日の外来患者数は異なり、規模が小さければ1日80〜100人ほどで、規模が大きいクリニックや人気のクリニックでは1日当たりの患者数が200人を超える所もあります。
〜年齢層〜
子供から高齢者まで幅広い
整形外科クリニックの場合、立地や院長の得意分野で患者層が異なります。
学校の近くであれば学生が多く、外傷やスポーツ外傷の対応の割合も高くなります。
高齢者が多いクリニックの場合は、骨粗しょう症や転倒による外傷が多く、ケアマネージャーとの連携も必要になります。
〜疾患〜
・腰、肩、膝の痛み
・骨折
・スポーツ障害
・リウマチ疾患
・骨粗しょう症
など
有床クリニックの場合では以下の手術が多く行われています。
一般手術
・関節鏡視下手術
・脚の矯正術
・人工関節置換術
スポーツ手術
・前十字靭帯再建術
・膝関節鏡視下手術
・骨折手術
<整形外科クリニックの仕事内容とは?>
無床クリニックの場合
・診察補助・注射(筋肉注射、骨粗しょう症の注射、ブロック注射など)・採血・レントゲンの検査説明、準備(放射線技師がいない場合)・処置の介助・ギプスやシーネ巻きの介助・リハビリ、移動介助などオペありの有床クリニックの場合
・オペ準備・術前説明・手術補助整形外科クリニックにおける仕事内容は、基本的な業務に加えレントゲン撮影の検査説明や移動介助、準備や包帯巻き、ギプス固定・カットなど整形外科特有の業務は多め。また、手術を行う有床クリニックもありますので、そのような医院ではオペの準備やオペの介助といった業務も必要になります。整形外科クリニックでは、理学療法士や放射線技師、ケアマネージャーなど他職種との連携が不可欠。患者だけでなく他職種との円滑なコミュニケーションも大切になります。<整形外科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★★★☆整形外科も他科と同じく未経験の方にもオススメの診療科目です。特殊な業務が多く入職前に不安を感じる看護師が多い整形外科クリニックですが、包帯巻きやギプス固定など整形外科特有の業務については入職後に一通り指導があるので「意外と大丈夫だった」ととう方も多いんです。整形外科クリニックで求められるスキルに関しては迅速さ
です。整形外科クリニックはとにかく外来患者が多いので、診察室への誘導、検査の準備、リハビリ室への誘導などあらゆる場面で迅速さが求められます。有床クリニックに関しては手術も行いますが、オペを数多く手がけているクリニックでは手術室専属の看護師を募集しているケースが多く、オペ室未経験の看護師が配属されるケースは少ないと言えるでしょう。また整形外科クリニックでは、外来と病棟でそれぞれ複数名看護師を配置するなどスタッフ数も多いので、先輩看護師の仕事ぶりを間近でみながらしっかりと学べるというメリットもあります。整形外科クリニックの求人を見てみる 眼科クリニックの業務
眼科は、「単独専門標榜科」と言われ、他の診療科を併科標榜することが少ない科目です。
それゆえ、クリニックの中でも一つの領域を深く学ぶ事ができる科だと言われています。
<眼科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜年齢層〜
近年では若年層の患者が増加
高齢者の割合が高い科目ですが、近年は子供の近視や学生〜大人のコンタクトレンズ装着者の増加により、幅広い世代の患者が訪れています。
ファミリー層の多い住宅地であれば子供からお年寄りまで幅広い年齢層が来院し、白内障、緑内障の手術を行っているクリニックでは羅患率の高い高齢者の割合が多いなど、立地やドクターの専門領域によって外来患者の年齢層は異なります。
ショッピングモール内に店舗を構える眼科クリニックも多く、そのような医院では視力検査やコンタクトレンズなどの軽めの処置が多くなり、来院患者は若年層の割合が高くなっています。
〜疾患〜
・結膜炎(感染症、アレルギー症)
・白内障
・緑内障
・コンタクトレンズの定期検診
・結膜乾燥症
など
<眼科クリニックの仕事内容とは?>
一般的な眼科クリニックの業務
・眼科の基本検査(視力、眼圧、視野検査など)・診察介助・手術の準備、介助・手術前後の説明など入院施設があるクリニックの業務
一般的な眼科クリニックの業務に加え・術後の観察・処置・入院中の生活サポートなど眼科クリニックの業務の特徴は、検査の補助業務が多いという点です。眼科で行われる検査は眼科の一般検査分野でも8種類ほど、視能矯正分野でも5種類あります。検査は一般的には視能訓練士が行いますが、視能訓練士がいない医院では看護師が検査実施しなければいけません。手術を行う眼科クリニックでは点滴や採血の頻度は高くなりますが、手術を行わない眼科クリニックであれば採血や注射の頻度は他科に比べて少なめ。とはいえ全く注射や採血をしないというわけではありません。<眼科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★★☆☆眼科クリニックは検査項目が多く覚える事もたくさんありますので、どちらかというと眼科経験者やオペ室経験者が優遇されやすい
科目。しかし、未経験まで間口を広げている眼科クリニックもありますので、必ずしも経験者でないと入職できないという訳ではありません。大切なのはやる気ですので、眼科未経験で眼科への転職を希望する方は、面接の際に熱意を伝える
ようにしましょう。眼科クリニックの求人を見てみる 小児科クリニックの業務
小児科は子どもが好きな看護師さんに人気のある診療科です。
しかし、まだ会話ができない、症状を具体的に伝えられない子どもの患者は、大人の患者よりも対応が難しくなります。
子どもが好きというのはもちろん、症状や気持ちを察する観察力も求められます。
<小児科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜年齢層〜
一般的に、新生児から15歳ごろまでが小児科で受診する目安。
ただし、大人は受診できないということではありません。
先天性の病気などで幼いころから治療を続けている場合など、かかりつけの小児科医に通い続けるケースもあります。
また、インフルエンザの予防接種を親が子どもと一緒に受けることもあります。
〜疾患〜
発熱、咳、鼻水、のどの痛み、呼吸苦、嘔吐、下痢、腹痛、血便、尿の異常、発疹など皮膚の症状、耳痛、目が赤い、腫瘤、虫刺され、哺乳不良、異常行動、打撲など
〜主に小児が罹患する感染症〜
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、感染性胃腸炎、水痘、
手足口病、伝染性紅斑、突発性発疹、乳児ボツリヌス症、ノロウイルス感染症、百日咳、
風疹および先天性風疹症候群(CRS)、ヘルパンギーナ、麻疹、流行性耳下腺炎(ムンプス・おたふくかぜ)
出典:国立感染症研究所 小児感染症
まだ免疫のない、抵抗力の弱い乳幼児は感染症にかかるリスクが高く、大人よりも医療機関にかかる機会が多くなります。
小児科クリニックは、子どものかかりつけ医としての役割が大きくなります。
<小児科クリニックの仕事内容とは?>
一般的な小児科クリニックの業務
・診察補助・注射・採血・点滴・鼻水、痰の吸引・予防接種・乳幼児健診の補助<小児科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★☆☆☆身体の小さな子どもに処置を行うには、技術が求められます。注射を打つにしても血管が細く見えづらかったり、嫌がって暴れたりするので、素早く確実に処置を行わなければなりません。そのため、処置が早く子どもの対応に慣れた小児科経験者が優遇される傾向
です。小児科クリニックの求人を見てみる 耳鼻咽喉科クリニックの業務
耳鼻咽喉科クリニックの施設数は、内科クリニックの10分の1程度です。しかし、対応する疾患は多く幅広い世代が受診するため、おなじみのクリニックといえます。
<耳鼻咽喉科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜年齢層〜
発熱を伴わない鼻水や咳の症状は、小児科や内科ではなく耳鼻咽喉科を受診する人が多いこと、花粉症などのアレルギー症状も低年齢化が進んでいることから、乳幼児から大人まで幅広くなります。
〜疾患〜
耳の疾患
中耳炎、外耳炎、耳鳴り、めまい、難聴
鼻の疾患
鼻水、鼻づまり、くしゃみ、アレルギー鼻炎、花粉症、副鼻腔炎、鼻血、嗅覚障害
喉の疾患
扁桃炎、口内炎、咽頭炎、喘息、味覚障害、喉の異物など
<耳鼻咽喉科クリニックの仕事内容とは?>
一般的な耳鼻咽喉科クリニックの業務
・診察補助・注射・採血・点滴・聴力検査(自記聴力検査、内耳機能検査など)・吸入器など器具の使用法の説明・介助手術設備があるクリニックの業務
・手術準備・手術の介助・患者さんに手術の説明、術後のケアの説明耳鼻咽喉科の有床のクリニック数は、有床クリニック全体の1%(※2)で、手術は日帰りが基本です。(※2)出典:厚生労働省 有床診療所の現状と課題<耳鼻咽喉科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★★★☆耳鼻咽喉科は、検査の種類が多く、ほかの診療科では使ったことのない機器を使用するため専門性は高くなります。しかし、注射や採血など基本的な看護技術があればOK、入職後に業務をこなしながら覚えていくというクリニックが多いため、未経験でも挑戦しやくなっています。
耳鼻咽喉科クリニックの求人を見てみる 脳神経外科クリニックの業務
脳神経外科は脳、脊髄、神経が専門で、手術で改善する疾患を診療します。しかし、有床の脳神経外科クリニックは有床クリニック全体の1%で、入院を伴う手術を行うクリニックは少数です。
脳神経外科クリニックの特徴として、MRI検査やCT検査は病院ほど待ち時間が長くなく、迅速な診断を受けられるため、
①脳卒中や脳腫瘍、脊髄疾患などを早期診断・早期治療につなげる②脳卒中のリスクを高める生活習慣病を管理するかかりつけ医
という役割があります。
<脳神経外科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜年齢層〜
診療内容のひとつである認知症は、高齢になるにつれ患者数が増加することや、脳卒中の患者数のピークが70代であることから、年齢層は高めです。
〜疾患〜
頭痛、頸部痛、腰痛、物忘れ(認知症)、めまい、しびれ、脳卒中、脳腫瘍、脊髄疾患
頭部の打撲
<脳神経外科クリニックの仕事内容とは?>
一般的な脳神経外科クリニックの業務
・診察補助・注射・採血・点滴・検査補助(心電図検査、レントゲン検査)・MRI撮影の介助<脳神経外科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★★★☆脳神経外科クリニックでは、薬治療などを行い、手術は行わないのが基本。手術が必要であると診断した患者さんには、連携する病院を紹介します。手術や入院がないため、基本的な看護技術があれば転職は可能です。
脳神経外科クリニックの求人を見てみる 産婦人科クリニックの業務
産婦人科は妊娠から出産までを対応する産科と、女性特有の病気や疾患に対応する婦人科の両方を診療する科です。(入院設備のない産婦人科もあります。)
女性特有の疾患や不妊治療に特化したクリニックもあり、レディースクリニックと称されることが多くなります。
<産婦人科クリニックにはどんな患者が来るの?>
〜年齢層〜
10代後半以降の女性、特に妊娠中の20代・30代女性が中心です。
〜疾患〜
産科の診療内容
妊婦健診、妊娠悪阻、子宮外妊娠、流産、切迫流・早産、羊水検査、無痛分娩など
婦人科の疾患
生理不順、不正出血、腹痛、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、卵巣嚢腫、卵巣炎、卵管炎、卵巣がん、膣炎、乳腺症、乳腺腫瘍、更年期障害など
<産婦人科クリニックの仕事内容とは?>
入院設備のある産科の業務
・妊婦健診の補助・採血・点滴・分娩介助・手術介助(帝王切開、中絶)~出産後~〇母親のケアバイタル測定、点滴、清拭、母乳支援、沐浴などの指導〇新生児のケア授乳、検温、沐浴、オムツ替え、体重測定、ビタミンシロップの投与、聴覚検査の補助婦人科の業務・診察補助
・注射・採血・点滴・健診補助<産婦人科未経験でも転職できる?>
未経験からのオススメ度:★★★☆☆産科では出産年齢の高齢化に伴い、妊婦の健康状態の管理はより重要になります。高齢出産は流産のリスクが高く、妊娠高血圧や妊娠糖尿病を発症する可能性も高くなるからです。そういったリスクや出産に不安を感じる妊婦への、精神面のケアも看護師の仕事です。産科経験があるほうが望ましいですが、スタッフの人数が多いクリニック(目安は看護師と助産師合わせて10名以上)であれば指導を受けやすく、未経験でも可能とするところが多くなっています。また、婦人科やレディースクリニックでは女性特有の疾患の治療や不妊治療を行います。デリケートな診療科であるため、看護師には経験以上に患者さんへの気遣いができるかどうかが問われます。産婦人科クリニックの求人を見てみる まとめ
クリニックにおける仕事内容を科目ごとにご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。病院と比べ、一刻を争うような重症患者はほとんどいないクリニック。比較的ゆったりとした印象がありますが、病院よりも看護体制が薄いので幅広い業務をスピーディーにこなしていかなければいけません。院長の専門分野や立地が業務内容に影響しますので、気になるクリニックがある場合は直接クリニックに業務内容を問い合わせるか、看護師の転職サイト 看護師ワーカーにご相談ください。看護師ワーカーであれば各クリニックの仕事内容はもちろん、直接は聞きづらい看護体制や患者の傾向といったデータもチェックできます
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