「内定をもらったけれど、辞退できるのかな・・・」
「内定を辞退したいけれど、どう伝えればいいか分からない」
転職活動をしている多くの看護師さんが直面する問題ではないでしょうか。
なかには、「辞退したいけれど採用担当の方に責められそうで、・・・どうしよう」という方もいらっしゃるかもしれません。
「内定を辞退できるか」に関していくと、内定は辞退できます。
とはいえ、一人の看護師に内定を出すまでには、多くの時間と労力、そして採用費がかかっています。やっとの思いで内定を出したにもかかわらず辞退されてしまうのは、採用担当者にとってこの上なく残念なこと。
辞退をする場合は、採用担当者への感謝とお詫びの気持ちを誠意ある姿勢で伝えることが大切です。
ではどのように内定辞退の旨を告げれば良いのか、詳しく説明していきます。
内定辞退はいつまでにすればいい?連絡方法で適切なのは?
✓辞退を決意したらすぐに連絡を
✓メールでの内定辞退はNG!電話が基本
✓電話のあとにわび状も送ると誠意がより伝わる内定辞退はいつまで?
内定辞退の法的期限は入職の2週間前までですが、辞退すると決めた時点ですぐに連絡を入れるようにしましょう。
採用側としては、入職してくれることを前提に内定を出しています。内定者から辞退の申し出があった場合、採用活動を変更せざるを得なくなりますので、辞退の連絡は早めに入れるのが礼儀です。
内定辞退の連絡方法はメール?電話?手紙?
内定辞退は電話連絡が基本です。辞退の第一報は、誠意を持って一刻も早く伝えるということが大切。メールや手紙は一方的な連絡手段ですので、印象はあまり良くありません。また、手紙は採用担当者の手元に届くまで日数がかかってしまいます。辞退の意思を直接伝えるのは容易なことではありませんが、採用側に配慮し、電話できちんと辞退と謝罪の意を伝えるようにしましょう。「何度か電話連絡を試みたけれど、どうしても採用担当者とつながらない」という場合のみ、メールで辞退連絡を入れても差し支えありません。その際は、「電話にてご連絡をいたしましたが、ご多忙のようでしたのでメールにて失礼します」と、事前に電話での連絡を試みていたという一文を入れると良いでしょう。内定辞退の連絡は基本的に電話で構いませんが、友人からの紹介や内定承諾後に辞退をする場合は、電話だけでなく手紙でも謝罪の気持ちを述べることで、相手により誠意を伝えることができます。辞退を申し出るタイミングと状況によって連絡手段を選択すると良いでしょう。
施設形態別、電話で辞退連絡をする際のベストタイミング
内定辞退の電話連絡は、どの時間帯が良いのでしょうか。
採用担当者から連絡のつきやすい時間を聞いている場合は、その時間帯にかけるのがベスト。時間が指定されていない場合は、以下を参考にしてみてください。
病院や介護施設 |
始業直後1時間、お昼休みどき(12:00〜13:00)、終業間際を避け、平日の勤務時間内 |
クリニック |
午前診療の終わりや午後診療が始まる20分前、もしくは午後の診察が終わったあたり |
電話で辞退連絡をする際の注意点
✓担当者不在の場合は、必ず自分から再度連絡する
✓辞退理由はシンプルかつ正直に。ただし、失礼にならない言葉を選ぶ
一度電話をして採用担当者が不在だった場合は、担当者の戻り時間を聞いておきましょう。先方から「担当からご連絡するようにいたしましょうか?」と聞かれた際は、丁重にお断りし、自分から再度連絡する旨をお伝えします。
また、内定辞退を伝えた際、採用担当者から辞退の理由を聞かれる場合があります。その際は、シンプルにかつ正直に伝えるのがベストです。
「一身上の都合で」と濁して伝えたり、「給料が思っていたよりも低かった」など、病院の印象を下げるような辞退理由を述べたりするのは失礼にあたりますので、避けたほうが良いでしょう。
辞退に至った経緯を事細かに伝える必要はありませんが、先方が納得できる辞退理由を失礼にならない言い回しで伝えるようにしましょう。
電話をかける前にセリフを紙に書き出しておくと、スムーズに自分の意思を伝えることができます。電話での辞退連絡の参考になる例文をご紹介します。
電話で内定辞退を伝えるときの例文
はい、◯◯病院でございます。
お世話になります。内定の通知をいただきました医療ワカ子(自分の名前)と申します。採用担当の◯◯様はお手すきでしょうか?
はい。少々お待ちください。
〜担当者に電話がつながる〜
お電話かわりました。採用担当の◯◯です。
お世話になります。御院(おんいん)から内定通知をいただいた、医療ワカ子と申します。内定の件でお伝えしたいことがありまして、5分ほどお時間を頂戴しても良いでしょうか?
はい、大丈夫です。
この度は、内定のご連絡をいただきまして、誠にありがとうございます。大変申し上げにくいのですが、御院からいただきました内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
さようですか。差し支えなければ辞退の理由を教えていただけますか?
自身の適性と挑戦したい看護を鑑みた結果、このような決断となりました。本来ならば直接お詫びに伺うべきところ、また、貴重なお時間をいただいたにも関わらず、このような形となり大変申し訳ございません。
残念ですが、承知いたしました。ご連絡ありがとうございました。
ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。それでは失礼いたします。
失礼いたします。
※相手が受話器を置いたのを確認し、電話を終えるようにしましょう。
担当者不在で連絡がつかないとき、内定辞退を伝えるメール例文
前述したように、辞退の電話連絡を何度か行ったものの担当者が不在で連絡がつかない場合のみ、メールで辞退の連絡を入れても差し支えありません。電話をかけた当日中にメールを送るようにしましょう。
件名:内定辞退のご連絡
本文:
◯◯病院 採用担当
◯◯様
お世話になっております。
貴院の求人に応募した、医療ワカ子と申します。
先ほどお電話いたしましたが、ご多忙のようでしたので、メールにて失礼いたします。
この度は、採用内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
このような大変光栄なお知らせをいただきながら、誠に恐縮なのですが、貴院の内定を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。
自身の適性と挑戦したい看護を鑑みた結果、このような決断となりました。
貴重なお時間をいただいたにも関わらずこのようなお返事となり、誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げる次第です。
メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴院の益々の発展をお祈り申し上げます。
医療ワカ子
内定承諾後に辞退はできるのか
✓内定承諾後の辞退はマナー違反
✓稀ではあるが、損害賠償を請求される場合がある
内定を承諾した後に妊娠が発覚したり、家族の転勤が決まったなどの理由で辞退せざるを得なくなった場合、辞退はできるのでしょうか?結論から言うと、内定を承諾した後でも辞退は可能です。可能ではありますが、マナー違反であること、そして大変稀ではあるものの常識を反する辞退理由や態度の場合、損害賠償請求をされる可能性があることは覚えておきましょう。
採用側は、応募者から内定承諾の返事をもらったのち、新しい看護師を受け入れる準備に入ります。入職にあたって契約書類を作成したり、備品の手配、教育者を誰にするのかといった現場の調整を行い、新人看護師を受け入れる準備を着々と進めていきます。この段階で辞退を言い渡された場合、入職までの手配を中止し、もう一度イチから採用活動を行わなければなりません。また、オープニングスタッフとして入職が決まっていた場合はさらに深刻な事態に。辞退者が出ることで看護師の配置基準を満たすことができずオープンできないという状況に陥り、採用側だけでなく他の内定者にも損害が生じます。内定承諾後でも辞退することは可能ですが、採用側にとって大きな損害となることは重く受け止め、誠意ある姿勢で辞退の連絡を入れるようにしましょう。 内定承諾後の辞退は、電話と手紙で誠意を
内定通知への辞退は電話で構いませんが、内定承諾後の辞退連絡は電話だけでなく、別途、詫び状を送ると、より誠意が伝わります。また、採用担当者に直接謝罪したいという意思表明をすると尚良いでしょう。
内定承諾後に辞退する旨を伝える例文:電話
はい、◯◯病院でございます。
お世話になります。御院から内定をいただいております医療ワカ子と申します。採用担当の◯◯様はお手すきでしょうか?
〜担当者に電話がつながる〜
お電話かわりました。採用担当の◯◯です。
お世話になります。内定をいただいた医療ワカ子と申します。内定の件でお伝えしたいことがありまして、5分ほどお時間を頂戴しても良いでしょうか?
大丈夫です。どうされましたか?
大変申し上げにくいのですが、この度、主人の転勤で◯◯に行くことになりまして、御院(おんいん)からいただきました内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
さようですか。大変残念ではありますが、仕方ありませんね。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、このような形となり誠に申し訳ございません。直接お詫び申し上げたく存じますので、ご都合の良い日時を教えていただけませんでしょうか。
いえいえ、そこまでしていただかなくて大丈夫です。新しい場所でのご活躍をお祈りしています。
ありがとうございます。この度は多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。それでは失礼いたします。
失礼します。
※相手が受話器を置いたのを確認し、電話を終えるようにしましょう。
電話連絡後の詫び状の書き方
<用意するもの>
✔︎白地・縦書きの便箋(罫線が入っているシンプルなもの)
✔︎封筒
✔︎黒のボールペン、または万年筆
お詫びの手紙は手書きが基本です。
書き損じた場合は、修正テープは使わず、新しく書き直しましょう。内容はあらかじめスマートフォンなどで作成しておき、それを手本にしながら清書をするとスムーズに書き進められます。
詫び状の例文
詫び状は、まず時候の挨拶から入ります。下記図の◯◯には、季語が入りますので、その時々に合った季語を選びましょう。<時候の挨拶に適した季語>
1月 新春/厳寒/大寒2月 晩冬/立春/余寒3月 早春/春暖/春雪4月 陽春/仲春/桜花5月 新緑/若葉/薫風6月 入梅/初夏/梅雨7月 盛夏/大暑/猛暑8月 暮夏/晩暑/立秋9月 初秋/白露/野分10月 仲秋/寒露/秋雨11月 深冷/向寒/初霜12月 初冬/寒冷/師走 詫び状の折り方:三つ折り
縦書きの便箋の折り方は三つ折りが一般的。
まず、下三分の一を折り曲げ、次に上三分の一を折り曲げます。(図の1.〜2.を参照)
封筒の裏側から見て、手紙の書き出しが右上にくるように封筒に収めます。(図の3.〜4.を参照)
内定を辞退した病院に再び応募できるのか
内定を辞退した病院に再応募できるかどうかは、辞退理由と辞退を申し入れてからの期間によります。
「引き止めにあい、退職させてもらえなかった」という辞退理由であれば、辞退からそんなに経過していなくても再応募できる可能性はあります。
「思っていた内容と違った」という理由で辞退した場合は、3〜4年が経過し、仕事に対する考えや状況が変わったのであれば応募を受け付けてくれる場合もあります。
内定を辞退された側としては、「辞退となった原因は解消されたのか」が最も気になるところ。一度は “一緒に働きたい” と思った人材なので、辞退をした時と状況がどう変わったのかをきちんと伝えることで、再応募の道が開けてきます。
内定辞退を繰り返さないために…
✓自己分析と応募先の見極めが大事
✓情報収集には転職エージェントを活用しよう
たとえ内定辞退ができたとしても、厚意を断るというのは気骨の折れること。できればもう「内定を辞退する」という状況には陥りたくないもの。なぜ内定を辞退しなければいけない状況になるかというと、その多くは、条件に相違があったからです。では、どうすれば納得のいく内定承諾ができるのか。それは、“自己分析” と応募したい病院を “見極めること”
。自分はなぜ転職したいのか。抱えている不満や悩みは何か。次はどんな職場を選べばそれらが解消できるのか。転職先に求める条件を自分の中でしっかりと考えることで、どんな病院から内定が出たら自信を持って入職できるのか、の「どんな」が明確になります。自己分析と応募先を見極めるのに大切なこと
応募したい病院を見極めるためには、気になる病院の職場環境や待遇面といった情報収集が必要不可欠。とはいえ、その病院に勤めていない限り分からないような情報は入手しづらいもの。自分の目だけで応募先の病院を見極めるのは難しい部分があります。そこで活用したいのが、転職エージェントです。転職エージェントを利用する際に得られるおもなメリットはこちら。【メリット】●応募先の病院に関する情報を代わりに収集し、アドバイスしてくれる●希望の条件があれば、アドバイザーが直接病院と交渉してくれる●入職後のフォローまで丁寧にサポートしてくれる転職エージェントでは、キャリアアドバイザーが病院の情報を入手、分析。あなたの希望条件と照らし合わせ、転職に適した応募先かを第三者目線でしっかりと判断してくれます。条件などはアドバイザーが変わりに病院と交渉してくれるので気軽に相談してみましょう。自分で探したり知り合いから紹介してもらったりというのも転職先の見つけ方ではありますが、自分に最適な転職先を導き出してくれる転職エージェントを利用してみるのもおすすめです。利用料など一切かかりませんので、転職の相談をしてみてはいかがでしょうか。◆転職エージェントに相談してみる(無料) 関連記事