転職ノウハウ

ケアミックス病院とは?嬉しいメリットと意外なデメリットに迫る!

患者さんが乗った車いすを押す看護師

更新日:2020.08.24

公開日:2019.09.06

「急性期は忙しすぎるので、もっと落ち着いた病院に転職したい」
そんな看護師さんに人気のケアミックス病院。
近年では、ママ看護師の復職先としても人気が高まっています。

ところでみなさん、ケアミックス病院についてどんなイメージをお持ちですか?

「急性期病院ほど忙しくなさそう」

ケアミックス病院について、上記のように漠然としたイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

しかし、漠然としたイメージのまま転職するのは失敗の元。
ケアミックス病院について詳しく知らないまま転職し、
「意外と◯◯だった・・・!」とギャップを感じてしまう看護師さんも少なくありません。

そこで本記事では、ケアミックス病院とはどんな病院なのかをわかりやすく解説するとともに、
ケアミックス病院のメリットと意外なデメリットについてご紹介します。


ケアミックス病院とは?特徴と探し方

木の人形 ? 迷っている

ケアミックス病院の定義と特徴

実のところ、ケアミックス病院には明確な定義がありません。
どのような基準でケアミックス病院とされているのかを厚生労働省による調査資料を基に定義すると、「一般病床と療養型病床または精神病床の混合型の病院」となります。

実際にはもっと広くとらえられており、「複数の病床機能を併せ持ち、急性期医療・慢性期医療の両方に対応している病院」をケアミックス病院と呼んでいます。

ケアミックス病院の特徴は、転院することなく患者の状態に合わせ、手術から術後のケア、療養、看取りまで一貫して行うことができるという点です。

急性期病院や慢性期病院はそれぞれ担う役割が分かれていますので、通常であれば患者は容体や回復状況に合わせて転院をしなければいけません。
ケアミックス病院の場合は、一般病床も療養型病床も備えていますので、患者が急性期を脱した後も転院をする必要はなく同じ病院で療養することができます。

急性期病院や慢性期病院とどう違う?

急性期病院は、国立病院や大学病院、高度救命救急センターを担う病院など地域の基幹病院がほとんどで医療レベルは高く、救急搬送や急変など多忙を極めます。

一方ケアミックス病院は、一次、二次救急を担う中小規模の病院が大多数を占めています。
一般病床を有するものの急性期病院ほど多忙を極めず、かといって慢性期病院ほど落ち着いた環境ではありませんので、スキルが偏ることもありません。

どこを見たらケアミックス病院と分かる?ケアミックス病院の探し方

病院のホームページ内に「ケアミックス」という言葉があれば分かりやすいのですが、「ケアミックス」の言葉をホームページ内に表記している病院は少ないのというのが現状です。

ではどうやってケアミックス病院だと判断するのか。
それは「病床機能情報」です。
ホームページ内の病院概要や基本概要に病床の種類が記載されていますので、この部分をチェックすればケアミックス病院かどうかが分かります。

一つ注意したい点は、病床の割合です。

一般病床と精神病床の両方を備える病院でも一般病床の割合が80%以上であれば一般病院(急性期病院)となり、療養病床の割合が80%であれば療養型病院(慢性期病院)となります。
この場合、どちらもケアミックス病院とは言えません。

「ケアミックスと思って転職したのに、前職と変わらない急性期病院だった」とならないよう、各病床の割合はしっかりと確認するようにしましょう。

ケアミックス病棟で働くメリットとは?

医師と看護師、患者さんが話している

メリットその① 幅広い経験を通じて自分に合った現場を見つけることができる

ケアミックス病院は一つの病院で急性期から療養、看取りまで対応していますので、幅広い経験を積むことができます。

自分の看護スタイルを見極めたい人にとってこれはとてもメリット。
多岐にわたる業務の中で自分に合った現場はどこかを体感することで、今後の方向性を定めることができます

メリットその② これまでの経験を活かしながら新しいことにチャレンジできる

急性期病院で慢性期のキャリアが積めないように、慢性期病院でも急性期のキャリアは積めません。

しかし、複数の異なる病床を有するケアミックス病院であれば、これまで培ってきた経験を生かすことも新しい分野にチャレンジする事もできます。
自分のやりたいことに合わせてキャリアを設計することができる病院、それがケアミックスです

メリットその③ ライフスタイルの変化に伴って働き方を変えられる

たとえば多忙を極める急性期病院では、育児や両親の介護でこれまで通りの勤務が難しくなった場合、退職を選ぶ看護師さんは多いはず。
しかし、ケアミックス病院では急性期病床もあれば回復病床、療養病床など様々な職場がある為、同じ病院内でキャリアチェンジが可能です。

ライフスタイルに変化があった場合でもすぐに転職を考えるのではなく、現場と相談をしながら働き方や勤務形態を選択することが出来るのは大きなメリット。
同じ職場で長く働きたい、スキルアップを目指したい看護師さんにとって、 “配置転換で働き方や働く環境を変えられる” という点は非常に魅力的ではないでしょうか。

意外な落とし穴!ケアミックス病院のデメリット

薬

デメリットその① 希望が通るとは限らない

様々な職場で働き幅広いスキルを身につけることが出来るケアミックス病院ですが、この点にデメリットを感じる看護師さんもいます。

異なる病床を持つケアミックス病院の場合、面接時に配属の希望を出すことができます。しかし、あくまでも希望であり、タイミングによっては希望の分野、配属にならない場合もあります。
また、病院の中には “希望は一切受けない” という病院もありますので、「どうしても◯◯!」など強い希望がある場合は注意が必要です。

デメリットその② どの病院がケアミックスなのか、探すのが大変

前述したように、ケアミックス病院という事を全面に出している病院は少なく、ホームページ内で表記している病院も少数です。
ケアミックス病院に転職したい場合は、どの病院がケアミックスなのかを病院のホームページを一つ一つ開き病院概要で確認をしないといけません。

なかには病床の種類について具体的に書かれていない病院もありますので、自分の目だけでケアミックス病院と判断するのは意外と大変なのです。

ケアミックス病院に転職したい!

カルテを持っている看護師

実際にケアミックス病院に転職するときに求められるスキルと、面接や履歴書で使える志望動機をお伝えします。

ケアミックス病院で求められるスキル

ケアミックス病院は、急性期から慢性期まで、全ての患者さんを看護します。
患者さんの段階に合わせた看護が提供できるよう、「瞬時の判断力」から「患者さんとじっくり向き合う能力」まで、幅広いスキルが求められます。

病棟によっては、介護士やPT・OTとの連携もおこないます。
他職種と密に情報共有ができるコミュニケーション能力も、必要です。

ケアミックス病院の志望動機

急性期から転職する場合、慢性期から転職する場合の例を紹介します。

急性期からケアミックス病院に転職する場合

平成〇年から平成〇年まで急性期病棟で勤務し、看護師として多くの技術を身につけました。
「急性期から終末期まで患者さんを看ることができる」ケアミックス病院であれば、急性期で身につけた技術を活かしつつ、患者さん一人一人に時間をかけて向き合えると考えております。
訪問看護にも興味がありますので、患者さんの退院まで見据えた看護を行いたいです。


慢性期からケアミックス病院に転職する場合

平成〇年から平成〇年まで慢性期病棟で勤務し、多くの患者様と向き合ってまいりました。
ケアミックス病院であれば、今まで培った「患者さん一人一人と向き合い看護するスキル」を活かしつつ、急性期の現場で最先端のスキルを身につけられると考えています。幅広い分野の看護に関わり、看護師として成長したいと考え、貴院を志望させていただきました。


志望動機を考えるときのポイント
ケアミックス病院では、急性期から慢性期まで、幅広い技術を磨くことができます。
「今まで学んだスキルを活かしつつ、新しいことを学びたい」というような志望動機にするといいでしょう。

まとめ

医療従事者が集まって並んでいる

このようにケアミックス病院では、異なる病床を持つからこそのメリットやデメリットがあります。

「急性期病院が多忙すぎるので転職したい」
「急性期での経験を活かしながら子育てや家庭とも両立したい」


そんな看護師さんはぜひ、ケアミックス病院への転職を考えてみてはいかがでしょうか。

医療ワーカーでは、
「希望が比較的通りやすいケアミックス病院はある?」
「忙しすぎないケアミックス病院はどこ?」
「プライベートとうまく両立している看護師さんが多いケアミックス病院はどこ?」

といった相談も承っておりますので、お気軽にお問合せください。
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