「一生ものの資格」と言われる看護師免許。
確かに看護師免許を取得すれば、永続的に看護師として日本全国どこでも働くことができます。
しかし、「一度取得したらそのままでいい」というわけではありません。
看護師免許にも「更新」が必要な場合があるのをご存知ですか?
いつ更新が必要になるかというと、
・結婚や離婚等で姓名に変更があったとき
・本籍地の都道府県に変更があったとき
の2つの場合です。
では、どこで看護師免許を更新したら良いのでしょうか?
そこで、看護師免許の更新場所や更新に必要な持ち物について説明します。
看護師免許の更新場所と手続きに必要な持ち物
■手続きは勤務先でも看護協会でもなく、管轄の保健所へ
更新手続きは、勤務先を管轄している保健所・保健福祉センターの窓口で行うことができます。変更の必要性が生じた時点で離職中の方は、居住地を管轄している保健所・保健福祉センターでも手続きが可能です。一部の県では県庁でも手続きが行えますので、ご自身の管轄先を調べておきましょう。■事前準備が必要!更新に行くときの持ち物
・印鑑姓名の変更があったときは新姓の方の印鑑を用意してください。シャチハタは不可となります。・手数料1,000円現金ではなく収入印紙で支払いますが、保健所・保健福祉センターでは収入印紙を取り扱っていないためあらかじめ郵便局にて購入しておきましょう。コンビニでも収入印紙は購入できますが少額のものしか在庫がない店舗が多いので、営業中の郵便局窓口に行って購入する方が無難です。・戸籍謄本または戸籍抄本発行から6カ月以内のものが必要となりますので、これも前もって役所で取得しておきましょう。・申請書類手続き場所となる保健所・保健福祉センターの窓口で配布されているほか、厚生労働省のホームページでも公開されています。窓口での時間を短縮したい方は、事前にダウンロード・印刷して記入しておくこともできます。・看護師免許証原本の提出が必須ですので、手元に用意しておきましょう。保健師免許・助産師免許も更新する際は、それぞれ申請書類・手数料・戸籍謄本が必要となります。保健師免許・助産師免許も更新する際は、それぞれ申請書類・手数料・戸籍謄本が必要
となります。また、手続き方法は窓口持参のみ
となっており、郵送では受け付けていません。保健所の執務時間中に来所が難しい場合はご家族などに代理申請を依頼することは可能ですが、委任状が必要となります。戸籍謄本(抄本)の取得や収入印紙の購入などもあるため、極力ご自身で1日休暇を取って手続きに行く方がいいでしょう。■更新手続きをしたあと、免許証はどうなる?
登録情報が更新され、新しい免許証が届くまで大体3カ月程度を要します。更新前の原本は手続きに時に回収となってしまいますので、念のため提出前にコピーをとっておいた方がいいでしょう。この期間に転職活動をする際は、コピーを提出して新しい免許証を申請中である旨を応募先に伝えておけば大丈夫です。■更新は30日以内に!もしも過ぎてしまったら...
変更が発生した日から30日以内に手続きを行ってください。忙しくて保健所へ行く暇がなかった、忘れていた等で30日を過ぎてしまっても更新自体はできますが、手続き時に「遅延理由書」(申請書類と同じように窓口にて配布)を提出しなければいけなくなります。変更発生時に退職し今は看護職に就く予定がないとしても、今後転職活動を行ったときに、内定先には履歴書や住民票と同じ情報が記載されている看護師免許を提出しなければなりません。そのときに免許証が旧姓・旧戸籍のままだと即座に更新手続きが命じられます。また、離婚などで姓変更や転籍が数回ありながら更新をしていなかった場合は、いざ手続きを行う際に変更履歴が全て確認できる戸籍全部事項証明書や除籍謄本の持参が必要になります。これらのことを踏まえ、面倒でもできるだけ早めに更新手続きを済ませておきましょう。看護師免許の原本が見付からない...そんなときは再発行を!
更新手続き時に提出する看護師免許の原本ですが、頻繁に使用するものではないだけに「どこに保管したのか分からない、紛失した」という方や「しまいこんでいるあいだに破損・汚損していた」という方も少なくはないと思います。そのような場合は、申請をすれば再発行することができます。保健所・保健福祉センターで更新と同時に手続きが可能ですので、焦らずに必要なものを用意してください。■更新とは別に必要、再交付申請をするときの持ち物
・印鑑更新手続き同様、シャチハタは不可となります。・手数料3,100円これも更新手続きと同じく収入印紙で支払います。更新の分とは別に購入しておきましょう。・戸籍謄本、戸籍抄本、本籍地記載の住民票のいずれか発行から6カ月以内のものを有効としますので、こちらも事前に役所で取得しておきます。・申請書類再交付の申請書類も窓口配布のほか、厚生労働省のホームページからダウンロード可能です。身分証保険証・運転免許証など本人確認ができるものを用意してください。・看護師免許証の原本破損・汚損したものを保管していれば提出が必要です。紛失の場合、就業先で保管されているコピーでも可能ですので、持ち出せるのであれば持参してください。原本がまったく見付からず手元にない、コピーも入手不可でしたら持参しなくても構いません。・免許証の再交付に関する調査および意見書これは窓口で申請者本人から聞き取りを行い、保健所側で作成してもらえます。注意していただきたいのが、更新と共通している持参物でも更新・再交付それぞれに用意が必要である、ということです。特に戸籍謄本(戸籍抄本)などは更新・再交付それぞれに添付するものとして役所で2部請求しておかなければいけません。また、再交付後に紛失した免許証を見付けたら、5日以内に発見した方を保健所に返納することも覚えておいてください。看護師免許の返納方法は再発行後、失くしたと思っていた免許証が見つかった場合は?をチェック! 看護師免許の更新は、実は思っているより重要です
結婚して他人の籍に入ると、ほかに数多くの手続きをしなければいけません。
そんな中で「すぐに困ることはないから」と看護師免許証の更新は後回しになりがちだと思います。
しかし、過去に他人の免許証を改ざんして看護師になりすました事件もあったことから、変更があったにも関わらず更新していない免許証は無効とされる可能性もあります。
技術や知識レベルの維持・向上を測る審査はなくとも、国家資格である限り「看護師」という資格への信頼と責任はとても大きなものです。
これから更新が必要になる、またはすでに更新すべき状況にある方は、このことを心に留めて各種の手続きを進めてくださいね。
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