産業看護とは企業で働く看護師のことです。
企業で働く上で、従業員を病気や怪我から守る仕事であり、メンタルケアも大切な仕事となります。
ただ多くの方が企業等で働く看護師ということは分かるが、具体的にどのような仕事をしているのか、想像がつかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、看護師の働き方の1つである産業看護師が、どのような仕事をしているのか、産業看護師になるにはどうすればよいか、をご紹介していきます。
産業看護師になるためには…?
特別な条件はなく、看護師免許があれば企業で働くことが出来ます。
ただし、『登録産業看護師』として学会登録するためには以下の条件があります。
1. 産業看護の実務経験が2年以上あること
2. 第一衛生管理者の資格を取得していること
3. 日本産業衛生学会産業看護部会が行う『産業看護基礎コース』と『産業看護講座Nコース』の全過程を修了していること
これらを全ての条件を満たすことで『登録産業看護師』になることが出来ます。
さらに、『登録産業看護師』として働き続けるためには、5年ごとに登録の更新が必要となります。
また、学会登録に必要である第一衛生管理者の資格は、企業からの応募条件として求められることも多くあります。
登録までの過程が大変だと感じるかもしれませんが、専門性を高め、自身のスキルとしてやりがいを持って働けるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
産業看護師の職務内容
主な仕事は、企業で働く従業員の健康管理、従業員の相談者としてのメンタルヘルスケアです。
近年増加しているうつ病等、精神的に不安定ながらも働いている社員の心のケアや、メタボリックシンドローム等、生活習慣病の予防をするための指導を行います。
現代社会において、体と同時に働く従業員の心のケアもできる産業看護師が求められている為、体と心のケアに興味がある方にとっては、ぜひおすすめしたい仕事です。
病院で働く場合と企業で働く場合での違い
主に3つの違いがあります。
1. 夜勤・土日出勤がない
多くの企業が午前9時から午後6時までで、休みも土日が基本であり、企業の営業時間に合わせて働くため、日勤帯勤務・土日休みになることがメリットです。
2. デスクワークが多い
従業員の健康管理のため、データ集計などのデスクワークの仕事が多い為、肉体労働が少なく、落ち着いた環境で働きたい方にも向いています。
3. 医療事故がない
企業で働くので重篤な患者さんを診ることはありません。
そのため命に関わる大きな失敗のリスクがなく、医療事故もありません。
医療ミスに対するストレスがないため、長く働ける方が多くいらっしゃいます。
産業看護師はこれまでの看護師としての経験や知識を発揮して活躍できる仕事であると思います。
自分の働き方として視野に入れてみてはいかがでしょうか。