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慢性期病院に転職するメリット・デメリットとは?元看護師が語る

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男性患者の入浴介助をする看護師。「慢性期病棟に転職する」「メリット」「デメリット」の文字
「慢性期病院って、看護スキルが身につかないんじゃないの?」
「若いうちは急性期で学ばないと、看護師として通用しないよ」


など、慢性期の看護師について、あまりいいイメージを持っていない方も多いと思います。

しかし本当に、慢性期ではスキルが身につかないのでしょうか?
慢性期の看護師は、通用しないのでしょうか?


もちろん、そんなことはありません。
慢性期病院に転職することで、学べることはたくさんあります。

元看護師の筆者が、慢性期で働く看護師の魅力をお伝えします。


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そもそも慢性期病院とは

慢性期の看護を想像している看護師
日本慢性期医療協会は、慢性期医療をこう定義しています。
「本来、急性期治療を完了した、あるいは在宅療養中に状態が悪化した患者さんに対し、継続的な治療とリハビリテーションを行うことで、在宅復帰を目指すもの」

つまり慢性期病院には
①急性期よりも安定しているけれど、自宅に帰るのはむずかしい患者さん
②自宅で療養していたけれど、体調を崩した患者さん


が入院しています。

リハビリというと回復期をイメージしますが、
回復期のリハビリ治癒・機能回復が目的
慢性期のリハビリ悪化を防ぐのが目的
といった違いがあります。

高齢の患者さんが多く、合併症・既往歴が多いのも特徴です。

看護師が慢性期に転職するメリット・デメリット

食事介助をしている看護師。「慢性期への転職」「メリット・デメリット」の文字
慢性期への転職には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

慢性期の魅力!メリット

患者たち、看護師たちが一緒に散歩している。「慢性期の魅力を紹介」の文字
慢性期の魅力を大まかにまとめると…
◆いわゆる「看護師のイメージ」に近い看護が提供できる
◆ワークライフバランスがとりやすい
◆着実にスキルアップできる
◆病院以外に転職する道もひらける
◆幅広いスタッフから学びを得られる
◆ライフステージに合わせて勤め続けられる

それぞれについてご説明します。

患者さんとじっくり向き合う、「看護師」のイメージに近い業務内容

患者の爪を切っている看護師
一般的な看護師のイメージは、
「患者さんに優しく寄り添ってくれる」
「いつも笑顔で、元気をくれる」

などですよね。
そんなイメージに憧れて、看護師を志した方も多いと思います。

でも実際は、
「業務に追われて、患者さんに寄り添う余裕がない」
「患者さんから、忙しそうで声をかけにくいと言われてしまった」

など、理想通りにならない現実に、頭をかかえてしまうことも…。

しかし慢性期なら、患者さんに寄り添った看護ができるんです!
◆入院の長い患者さんにとってスタッフとの関わりは支えであり、
コミュニケーションの重要性が高い
◆予定外の業務が少ないため、患者さんと関わる時間を確保できる
◆病状が安定している患者さんが多いため、業務をルーチン化できる


なので、患者さんとゆっくり向き合った看護ができるんです。
「患者さんに寄り添う看護」を理想とされている方なら、慢性期病院は天職といえるでしょう。


二交代のところが多く、仮眠もとりやすい

仮眠をしているパンダ
慢性期病院の夜勤は比較的おちついているので、二交代勤務のところが多いです。
二交代と三交代のどちらがいいかは、好みの問題でもあります。
しかし二交代と三交代を比較した文献では、「二交替制勤務の方が、生体リズムを整えながら勤務を遂行できるようである。」という考察がされています。

「二交代のほうが、健康的に働き続けられるかも」ということですね。

二交代は長時間勤務のため「仮眠・休憩がしっかりとれるか」というのが大切です。
慢性期は業務がルーチン化されているため、仮眠・休憩は予定通りにとれることがほとんどです。
筆者は二交代を経験しましたが、仮眠をしっかりとると、夜勤明けでも遊びに行けるくらい疲れがとれました。

二交代で仮眠・休憩をしっかりとれれば、夜勤をしながらでも、ワークライフバランスが整った働き方ができます。

先輩に質問がしやすく、技術を着実に身に着けやすい

ガッツポーズの後輩看護師と、両手を広げて笑顔の先輩看護師
「分からないことがあるけど、先輩が忙しそうできくのが怖い…」
「後にしてって怒られたけど、後っていつですか…!」

看護師あるあるですよね。

慢性期は業務がルーチン化されているため、新人教育の時間もしっかりとってもらえます。
予定外の業務が少なく1日のスケジュールが立てやすいため、もしすぐに答えがもらえなくても「〇時になったら手が空くから説明するね」などの返事をもらいやすいです。

忙しい職場だと日々の疑問を解消できず、毎日の業務が不安になってしまうこともあります。
一つ一つのスキルを着実に身に着けたいなら、慢性期病院はぴったりですよ。

訪問看護師や施設系でもスキルが活かせる

患者宅で、看護師が血圧を測っている
慢性期の患者さんは経過が長く、高齢で合併症をもった方も多いです。
普段は自宅で療養し、特に調子が悪くなったときだけ入院する、という患者さんもいます。
合併症を含めた幅広い知識や、自宅での生活を見据えた看護を学ぶことができます。

そしてそれは、訪問看護師・施設看護師にとっても重要なスキルです。
病院以外での看護も視野に入れている場合、慢性期病院でスキルを積むのがおすすめです。

若手から大先輩まで、幅広いスタッフがそろっている

看護師、医師、受付など、病院で働く16人が笑顔で立っている。
慢性期病院は、新卒から大ベテランまで、幅広いスタッフがそろっています。
特に大ベテランの方は、慢性期一筋の方や、急性期や回復期などの経験を活かして慢性期で活躍されている方など、様々な経歴の先輩がいます。
ですので、先輩たちからそれぞれ違う看護スキル・看護観を学べます。

また、慢性期は看護師だけでなく、PT・OTや社会福祉士と連携するため、多角的に患者さんを看ます。
慢性期病院で勤務すると、新しい視点を学ぶことができますよ!

出産・育児に理解を得られるので、長く勤められる

赤ちゃんを抱いている、看護師とお母さん
慢性期はベテラン看護師も多いので、出産・育児を経験されているスタッフが多くいます。
育児休暇の取得実績がある病院も多く、ライフステージに合わせて長く勤めることができます。

慢性期はここに注意!デメリット

ため息をついている看護師と、腰痛に悩む看護師。「慢性期へ転職するデメリット」の文字
慢性期の注意点を大まかにまとめると…
◆急性期への転職は難しい
◆急性期などに比べ、スタッフの人数が少ない
◆救急対応などのスキルは身につきづらい
◆病識のない患者さんも多い
◆介護業務も行うことが多く、腰痛や肩こりになりやすい

それぞれについてご説明します。

慢性期から急性期には転職しづらい

救急車と、頬杖をついて悩んでいる看護師
急性期で採用されやすいのは、若手の新卒か、中堅以上では経験者です。
「慢性期からの転職だから採用されづらい」というよりも、転職を考える年齢になったときに「体力勝負の急性期の業務量に対応し、未経験の分野を一から勉強できるだけの体力があるか」という問題があります。

「慢性期も急性期も経験したい」という場合は、先に急性期を経験するか、ケアミックス病院への転職がおすすめです。

◆ケアミックス病院については別のコラムでくわしくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ケアミックス病院とは?嬉しいメリットと意外なデメリットに迫る!

急性期に比べると、スタッフが少ない

ベッドに寝ている患者たち、点滴棒を持っている患者たち、お手上げの看護師
急性期では7対1や10対1の看護配置ですが、療養病棟(慢性期病棟)では20対1の場合もあり、患者さんの人数に対してスタッフが少ないこともあります。
看護師1人に対して看るべき患者さんが多いので、慣れるまでは慌ててしまうかもしれません。

救急対応など、身につきづらいスキルがある

メモをとりながら話し合っている看護師たち。「研修に参加しよう!」の文字
慢性期病院はその特性上、救急対応をすることは少ないです。
救急対応なども身につけたい場合は、研修に参加しましょう!

例えば都道府県ナースセンターや看護協会では「急変時の看護」「救命処置」の研修を行っています。

2019年の研修を一部紹介します(一部の研修は申し込みを終了しています)
日本看護協会急変の予測と救命救急場面の対応会員 1,900円+税
非会員 2,900円+税
東京都ナースプラザ急変時の看護無料
大阪府看護協会一次救命処置を学ぼう①会員 3,000円+税


ナースセンター・看護協会は全国にあり、オンデマンド研修もあるため、気軽に研修が受けられますよ!
◆全国のナースセンター一覧
◆全国の看護協会一覧

病識のない患者さんも多く、それぞれに合わせた指導が必要

指示棒をもって説明している看護師と、ポカーンとしている患者
慢性期の患者さんは、疾患を抱えながら生活してきた期間が長いため、かえって病識がない場合があります。
例えば食事制限があっても「いつもこのぐらい食べても平気だよ」と守れなかったり、インスリン投与による低血糖のリスクを説明されても「そんなこと今までなったことないから大丈夫だよ」と考え対策できない患者さんもいます。

しかしそこで「だめです」「もっと病気が悪くなりますよ」などと言ってしまうと、患者さんとの関係が悪化してしまいます。

患者さんが「今までの生活」をもとに判断していることを理解したうえで、
「今回の検査値がいつもと少し違っていたので、今まで以上に食事に気をつけてみましょう」
「いつもしっかり血糖管理をされているんですね。ですが副作用はいつ起こるか分からないので、お守り代わりにブドウ糖を持ち歩いてみませんか?」

など、それぞれの患者さんに合わせた指導が必要になります。

オムツ交換や体交が多く、腰痛や肩こりになりやすい

腰痛に悩む看護師と、肩こりに悩む看護師
慢性期病院では、看護師も介護業務をすることが多く、オムツ交換や体交も頻繁に行います。
腰痛や肩こりに悩まされる看護師も多いので、整体やストレッチなど日頃からの対策が必要です。

「慢性期は楽」なのか?元「急性期の看護師」が考える

高齢の患者と接する看護師を想像し、頭にハテナマークを浮かべる看護師たち
「慢性期は、楽」と言われることがあります。
これは、本当なのでしょうか?

筆者は、急性期に勤めていました。
ですが慢性期からの転入を受けた経験があります。

筆者自身が慢性期に勤めたわけではないので説得力はないかもしれませんが、筆者はこう思います。
「慢性期が楽だという人は、表面しかみていない」

筆者は慢性期から転入を受けたときに、看護記録の情報量に驚きました。
疾患の経過はもちろん、患者さんの幼少からの生活歴や趣味嗜好まで書かれていたのです。
「アイドルの○○さんが好きなので、ポスターを部屋に貼ってあげてください」という申し送りを受けたのは初めてでした。
アイドルのポスターを病室に飾り、笑顔の患者
急性期での看護記録は、症状の変化が中心です。
重要なのは「疾患がどう経過しているか」であり、「患者さんがどういう人なのか」というのは後回しになってしまうこともあります。
早期退院を目指す急性期の患者さんにとっては、入院生活は非日常であり、疾患を治療して日常に戻るのが目的だからです。

ですが慢性期の患者さんは、病院で過ごす時間がとても長く、入院生活の充実がそのまま人生の充実につながります。
だからこそ慢性期の看護師は「患者さんがその人らしい入院生活を送るにはどうしたらいいだろうか」という視点で情報収集をしており、それが看護記録に反映されます。

たしかに慢性期は、急性期のようにバタバタとした忙しさはありません。
しかしその分、患者さん自身を把握するために、看る力を発揮しています。
求められる能力が違うだけで、慢性期は慢性期の忙しさがあるのです。

慢性期に転職したい!求められるスキルは?

「慢性期への転職」「求められるスキル」の文字。爪切りをしている看護師、点滴を調節している看護師を想像し、頭にハテナを浮かべている看護師。
慢性期病院に転職するには、どんなスキルが必要なのでしょうか。

患者さんとじっくり向き合う忍耐力

朝昼夜、患者の爪を切っている看護師

慢性期の患者さんは経過が長く、健康だった時間よりも、病気になってからの人生のほうが長い方がほとんど。
「病気があっても、その人らしく生きる」ことをお手伝いするのが、慢性期看護です。
一人一人の「その人らしさ」を探すために、根気よく向き合う必要があります。

また、慢性期では更衣などの日常動作も「リハビリ」として扱います。
そのため、たとえ時間がかかっても、本人ができることは介助せず見守るのみ。
「手伝ったほうが早い…!」とならない忍耐強さも大切です。

言葉以外のサインに気がつく観察力

人差し指を立てている看護師と、虫眼鏡
慢性期の患者さんは病気と長く付き合っているため、症状を「いつものこと」ととらえてしまい、医療者に訴えないことがあります。
また認知症の患者さんも多く、症状を言葉にできないことも。

検査値などから状態を読み取るのはもちろん、「普段と違う」に気がつく観察力が重要です。

参考までに、筆者が観察力を鍛えるために勉強した本を紹介します。
◆ナビトレ新人ナースひな子と学ぶフィジカルアセスメント―身体のみかた、患者対応がわかる
◆この熱「様子見」で大丈夫? 在宅で出会う「なんとなく変」への対応法

慢性期で求められる看護技術

点滴を調節している看護師、食事介助をしている看護師、入浴介助をしている看護師、注射をもっている看護師
慢性期で求められる看護技術
◆高齢の患者さんが多いので、食事介助や入浴介助といった介護系技術
◆症状を訴えられない患者さんも多いので、フィジカルアセスメントの技術
◆注射や点滴、服薬管理など、基本的な医療技術
◆呼吸器や心電図の管理など、科ごとに必要な技術

ですが、慢性期看護では「これができれば大丈夫」というものはありません。

合併症をもっている患者さんも多いため
「呼吸器科だけどストーマの管理もしてる」「外科の患者さんだけど透析もしている」
ということがあり、専門外の技術も勉強する必要があります

病院見学などで、どういう患者さんがいるかを把握し、それに合わせた勉強をするといいでしょう。
前述した書籍も参考にしてみてください。

慢性期への転職、志望動機はどうしよう?

履歴書の書き方を説明している看護師
転職活動で頭を悩ますのが、志望動機ですよね。
志望動機の例文をご用意しましたので、ぜひ参考にしてください!

急性期から慢性期への転職

看護学校を卒業後、平成18年から平成25年まで阿居宇総合病院の急性期病棟で勤務し、看護師として多くの技術を身につけました。
これまで様々な症例を看てきた経験を活かして、今後は患者さん一人一人に時間を掛けて丁寧に向き合いたいと考えております。「患者様本位の安心医療」をスローガンに掲げる貴院で、じっくりと腰を据えて看護に取り組みたいと思い、志望させていただきました。今後増えてくる在宅問題へも興味を持っておりますので、急性期から在宅までを活かせる看護師になりたいと考えております。


手術室から慢性期への転職

新卒直後より手術室勤務となり、超急性期という環境の中で看護を学んでまいりました。しかしそのような環境では患者様やそのご家族様とじっくりと向き合うことがなかなか出来ずにいました。
今後はこれまで学んだ看護師技術を活かしながら一人ひとりの患者様、そのご家族様とじっくりと向き合える仕事をしてまいりたいと考えております。地域密着を掲げる貴院においてじっくりと腰を据えて取り組んでまいります。


プライベートでの経験を活かした転職

小さい頃、おばあちゃんっ子だった私は、病院に通院している祖母に着いて病院に通っていました。その頃かかわってくださった看護師さんたちがすごく親切で優しく、気付いたら看護師になりたいと思うようになっていました。
現在3年目ですが、もっと深く患者さまと関わりたいと強く思っております。慢性疾患をしっかりと学び、患者さまの変化にいち早く気付いてあげたいと思っております。
貴院でお勤めする際は、人一倍努力して参りますので、よろしくお願いいたします。

◆その他の例文はこちら

ポイントをまとめると
◆患者様とじっくり向き合う
◆在宅まで見据えた看護
◆患者様に寄り添う
◆プライベートで活かせる経験があれば盛り込む

自身の目指す看護師像と、上記のワードをからめた志望動機を伝えましょう!

まとめ 自分の看護師像に合うのは、急性期?慢性期?

ガッツポーズの看護師たち。「なりたい看護師になろう!」の文字
◆慢性期なら、着実にスキルアップできる!
◆ライフステージに合わせて長く勤められる!
◆腰痛・肩こりには注意!
◆患者さんとじっくり向き合いたいなら、慢性期がおすすめ!!


看護師は様々な働き方があり、それぞれに特徴があります。
その特徴は、ある人にとってはデメリットにみえても、ある人にとってはこれ以上ない魅力にみえることがあります。

どんな看護師を目指すかによって、なにが魅力に思えるかは違うもの。
これを読んだみなさんが、「なりたい看護師」になれることを願っています。

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