老健(介護老人保健施設)では、介護業務も看護師が任されることがあります。
それがデメリットとなる場合もありますが、それを上回るメリットももちろん存在します。
ここでは老健の仕事内容から、メリット、デメリットまでをお話しします。
看護師と介護士の境界線
老健で働く看護師の仕事は、採血や点滴は少なく、基本的に入居者の健康管理が中心です。
そのため医療行為が少なく、知識や手技業務があまり身に付かないので、看護師としての専門性を追求したい看護師、キャリアアップを目指したい看護師、将来的に急性期で働きたい新卒の看護師にはおすすめできません。
しかし介護老人保健施設は、あくまで自立した日常生活の復帰が目的であるため、リハビリの手伝いが重要なお仕事になるのは当然といえます。
看護師は看護業務だけではなく、介護業務も任される老健が多いのが現実であり、その部分のギャップから不満を感じる看護師も少なくありません。
介護業務も任される理由・メリット、デメリット
介護士の介護業務が回らない時は看護師に頼んで手伝ってもらう事ができますが、看護師の看護業務は、医療行為であるために介護士は手伝うことは出来ません。
そのため看護師は介護業務も任されることがあり、負担が大きくなります。
看護師と介護士、それぞれ専門分野の業務を明確にしないと、看護師としてはどうしても不公平感を感じてしまいやすくなります。
そのことが原因で人間関係に亀裂が入ったり、仕事をスムーズに行うことが難しくなったり、とサービスの質が大きく低下してしまうこともあるかもしれません。
しかし悪い事ばかりではありません。
看護だけでなく介護の経験も積めるという大きなメリットがあります。
介護のスキルが身につけば選択できるキャリアの幅が広がる事はもちろん、将来的に自分の家族を介護する立場になったときにも介護のスキルを活かすことができます。
また、入居者一人一人にじっくりと時間を取りながら看護ができ、徐々に回復しながら自宅へ復帰する姿を見届けられるというやりがいと喜びは、老健ならではのメリットでしょう。
病院に近い働き方ができる
老健は基本的に急性期のような忙しさや緊急対応も少ないので、残業やオンコールの頻度も少なめです。
また緊急の場合でも、老健は医師の常駐が義務付けられているため、指示を仰ぎながら判断を下すことができます。
介護施設では緊急時の対応は看護師の判断に任せて行われるため、医療に関する責任を負うことになり精神的な負担も大きくなりますが、老健では医師が常駐しているためストレスも比較的少なくなります。
こういった部分からも老健は病院に近い働き方ができる介護施設といえ、これもメリットの1つと言えるでしょう。
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