こんにちは。
ライターのまつ子です。
いきなりですが、旦那さんの転勤で福岡に行くことになった助産師さん。
全く知らない土地での転職活動に不安を感じていませんか?
「土地勘がないし、どこに分娩医療機関があるかも分からない。」
そうなんです。情報が少ないと、思うように転職活動ができないのです。
全国47都道府県、周産期事情や給与水準はその土地土地で異なります。
病院での分娩が当たり前という県もあれば、病院よりクリニックでの分娩が人気という県もあります。
転職活動は情報集めがキモ!!
という事で今回は、福岡県で転職を考えている助産師さんのために、福岡における求人・転職事情、周産期医療体制についてご紹介したいと思います。
情報収集をするにあたり、実際に福岡県で助産師の転職支援を行っているキャリアアドバイザーに現地の状況を聞いてきましたので、その話も一緒にご紹介いたします。
【福岡県の助産師の求人・転職事情】
はじめにご紹介するのは、福岡県の助産師の求人についてです。
助産師の求人はあるのか、傾向はどのようになっているのか、気になるところ。
求人検索エンジンでどのくらいの求人数があるのか調べてみると…
2017年10月12日時点で、助産師を募集する求人は185件ありました。
雇用形態の割合がどうなっているかと言うと、
正社員・契約社員の求人が全体の約80%を占めており、アルバイト・パート求人が約14%、派遣求人が約2%という結果でした。
福岡での助産師の求人は、正社員・契約社員が圧倒的に多いようですが、なぜなのでしょうか。
キャリアアドバイザーに話を聞いてみました。
福岡県では、常勤の助産師でまわしているという現場が多く、パートやアルバイトを募集する施設は少ないです。
助産師の夜勤アルバイトにいたっては、ニーズも需要もないので募集自体がありません。
余談ですが、福岡県では看護師の夜勤アルバイトの募集も少なく、夜勤アルバイトという概念自体がまだ浸透していないように感じます。 地域によって違うんですね!
採用基準はどうなっていますか?
東京では、お産件数200件が一種のボーダーラインのようですが、福岡県はどうなのでしょうか? 採用面接においては、正常分娩のお産経験が100件あれば、ある程度のスキルがあると判断されます。
経験者であれば福岡市内での就労も難しくはありませんが、未経験の助産師は久留米エリアでの転職がオススメです。
久留米エリアには産科施設が数多くありますが、助産師が集まりづらいので、未経験でも採用してくれる可能性が大いにあります。
車で15分圏内に駆けつけられる場所に住んでいるか、というのも1つの採用基準です。 これまで各地域のキャリアアドバイザーに助産師の求人・転職事情について話を聞いてきましたが、車で15分以内(大体半径10~15km)に住んでいるかどうかも重要というのは初めて聞きました。
車社会の福岡県ならではの求人事情なのかもしれませんね。
産婦人科の医療機関の分布がどうなっているかも気になるところ。
Googleで県内の産婦人科を検索してみた地図がこちら。
どうやら分娩施設は西鉄沿線や地下鉄沿線に多いようです。キャリアアドバイザーによると、福岡県で転職される助産師さんは転職のたびに引越しをする方が多いとの事。単身であれば都度都度の引っ越しも難しくはありませんが、家族がいると中々できませんよね。そんな助産師さんは、人材紹介会社を利用して事前に遠隔で転職活動をするという手もあります。看護師ワーカーなら全国展開をしていますので、現在お住まいのエリアからでも転職相談ができます。★看護師ワーカーで転職相談をする 【福岡の助産師の求人・転職事情:平均給与】
次にご紹介するのは、福岡県の給与事情についてです。
転職で大切なのはやりがい!
とはいえ年収がアップすると嬉しいもの。
キャリアアドバイザーに聞いた、福岡県の助産師のリアルな平均給与がコチラです。
<福岡県における助産師の平均給与>
常勤:平均年収450万円
非常勤:平均時給1400円~1500円
いかがでしょうか。関東地方や近畿地方で活躍されていた助産師さんにしてみると「意外と少ない」と感じる方もいるかもしれません。
それもそのはず。
福岡県の助産師の平均給与は全国でも低め。
助産師の給与のベースとなる看護師の平均給与額は、47都道府県中32位なんです。<看護師の平均給与 都道府県ランキング>
順位 | 都道府県 | 所定内給与額【千円】 | 年間賞与その他特別給与額【千円】 | 想定年収 |
1 | 東京都 | 329.8 | 969.3 | 4926.9 |
2 | 奈良県 | 319.2 | 931.2 | 4761.6 |
3 | 神奈川県 | 322.9 | 798.6 | 4673.4 |
4 | 茨城県 | 303.2 | 1019.7 | 4658.1 |
5 | 石川県 | 315.3 | 874.2 | 4657.8 |
6 | 大阪府 | 314.7 | 812.3 | 4588.7 |
7 | 愛知県 | 303.7 | 943.8 | 4588.2 |
8 | 栃木県 | 311.1 | 829.8 | 4563 |
9 | 山口県 | 299.4 | 965 | 4557.8 |
10 | 北海道 | 303.2 | 904.2 | 4542.6 |
11 | 秋田県 | 299.3 | 937.4 | 4529 |
12 | 三重県 | 308.8 | 812.8 | 4518.4 |
13 | 愛媛県 | 296.7 | 942.1 | 4502.5 |
14 | 長野県 | 302.3 | 820.7 | 4448.3 |
15 | 和歌山県 | 297.1 | 879.2 | 4444.4 |
16 | 千葉県 | 300.8 | 822.4 | 4432 |
17 | 富山県 | 292.4 | 914 | 4422.8 |
18 | 兵庫県 | 306.4 | 741.1 | 4417.9 |
全国平均 | 298.8 | 826.6 | 4412.2 |
19 | 岐阜県 | 297.1 | 844.2 | 4409.4 |
20 | 広島県 | 297.5 | 813.5 | 4383.5 |
21 | 鳥取県 | 283.7 | 956.7 | 4361.1 |
22 | 滋賀県 | 295.9 | 793.8 | 4344.6 |
23 | 徳島県 | 298.7 | 753 | 4337.4 |
24 | 岡山県 | 289.3 | 848 | 4319.6 |
25 | 福井県 | 286.3 | 855.9 | 4291.5 |
26 | 山梨県 | 291.5 | 782.5 | 4280.5 |
27 | 新潟県 | 284 | 854.6 | 4262.6 |
28 | 島根県 | 278.4 | 900.6 | 4241.4 |
29 | 高知県 | 283.8 | 820.3 | 4225.9 |
30 | 香川県 | 284.8 | 806.6 | 4224.2 |
31 | 京都府 | 292.5 | 713.9 | 4223.9 |
32 | 福岡県 | 284.8 | 796.3 | 4213.9 |
33 | 埼玉県 | 291.8 | 702.8 | 4204.4 |
34 | 静岡県 | 285.3 | 766 | 4189.6 |
35 | 群馬県 | 283.9 | 773.9 | 4180.7 |
36 | 長崎県 | 275.7 | 812.7 | 4121.1 |
37 | 宮城県 | 281.4 | 722.2 | 4099 |
38 | 山形県 | 275.4 | 768.5 | 4073.3 |
39 | 宮崎県 | 267.1 | 838.8 | 4044 |
40 | 熊本県 | 274.3 | 739.1 | 4030.7 |
41 | 青森県 | 279.3 | 655.8 | 4007.4 |
42 | 大分県 | 268.4 | 766.4 | 3987.2 |
43 | 鹿児島県 | 270.4 | 677.3 | 3922.1 |
44 | 岩手県 | 271 | 595.7 | 3847.7 |
45 | 佐賀県 | 260.8 | 645.1 | 3774.7 |
46 | 福島県 | 257.1 | 605.8 | 3691 |
47 | 沖縄県 | 256.1 | 542.1 | 3615.3 |
助産師の給与水準があまり高くないという衝撃的な事実が発覚しましたが、嬉しいニュースもあります。
それは、物価水準の低さはトップクラスという事。
福岡県の物価水準は低く、スーパーといった小売店における食料品の価格は全国でも3番目の低さで、家賃や交通費、教育費においても全国平均以下の物価水準(※1)です。
“給与水準は高くないけれど物価が低いので暮らしやすい”
これが福岡県の給与事情の特徴です。
【福岡の助産師の求人・転職事情:分娩や産科施設について】
分娩や産科施設の情報は、助産師の転職活動に欠かせません。
福岡県の分娩や産科施設の事情がコチラ。
福岡県ではクリニックでの分娩が主流です。県内にある分娩施設の数は、2014年の調査ではクリニックが88施設、病院が34施設でした。周産期母子医療センターは福岡県内に12箇所あり、高度周産期医療機関は2箇所あります。<福岡県の周産期医療体制>総合周産期母子医療センター
・福岡大学病院(福岡市城南区)・九州大学病院(福岡市東区)・産業医科大学病院(北九州市八幡西区)・北九州市立医療センター(北九州市小倉北区)・聖マリア病院(久留米市)・久留米大学病院(久留米市)・飯塚病院(飯塚市)地域周産期母子医療センター
・九州医療センター(福岡市中央区)・福岡市立こども病院(福岡市東区)・福岡徳洲会病院(春日市)・JCHO九州病院(北九州市八幡西区)・小倉医療センター(北九州市小倉南区)高度周産期医療病院
・福岡山王病院(福岡市早良区)・新水巻病院(水巻町) 【福岡の助産師の求人・転職事情:地域情報】
福岡県は540万人以上が暮らす大都市です。
県内には100万人を超える都市が2つ、30万人規模の都市が1つあり、周産期事情も様々です。
これだけ人口の多い都市が点在しているので、地域によって医療体制がどのようになっているかも気になるところですよね。そこで、各地域の分娩施設数や周産期医療の事情について調べてみました。
福岡県における周産期医療のエリアは、福岡地域、北九州地域、筑後地域、筑豊地域の4つに大別されます。
【福岡地域】
該当エリア:福岡市、糸島市、春日市、糟屋郡、筑紫野市など
※出典:九州大学病院 産科婦人科 村田 将春|福岡県における 周産期医療の特徴と問題点
■福岡地域における周産期事情
・分娩施設や医師など、医療資源が充実している。
・地域内に分娩施設が点在しており、一部の地域を除いて分娩施設までの所要時間が15分圏内でカバーできている。
・二次施設にあたる総合病院の産科の閉鎖や集約化が相次ぎ、分娩の取り扱いは、大学病院(三次施設)とクリニック(一次施設)の二極化になっている。
・病院よりもクリニックでの分娩が圧倒的に多い。
福岡地域にある周産期母子医療センターは県内最多の5施設。
総合周産期母子医療センターである福岡大学病院、九州大学病院、地域周産期母子医療センターである国立病院機構九州医療センター、福岡徳洲会病院、福岡市立こども病院、そのほか福岡赤十字病院、浜の町病院の6病院が連携し、福岡地域における高度周産期医療を担っています。
市内には、大規模病院の他にも助産師に人気のクリニックも多数ありますので、経験をさらに積みたいという助産師にオススメのエリアです。
※出典:福岡都市圏における高次周産期医療体制とその問題点
【北九州地域】
該当エリア:北九州市、中間市、行橋市など
※出典:九州大学病院 産科婦人科 村田 将春|福岡県における 周産期医療の特徴と問題点
■北九州地域における周産期事情
・福岡市内よりも給与相場が高い。
・医師数が多く、産科医一人当たりの出生数は121人である。
・ハイリスク分娩を扱う医療機関、正常分娩を扱う医療機関、妊婦健診のみを行う医療機関とで役割分担を行っている。
・北九州市内においては、分娩医療機関や周産期センターまでのアクセスは良好だが、行橋市以南になると分娩医療機関が少なく、特に近隣の周産期センターまでの所要時間が60分を越えてしまう。
北九州地域には周産期母子医療センターが4つあります。
総合周産期母子医療センターである産業医科大学病院、北九州市立医療センター、地域周産期母子医療センターであるJCHO九州病院、小倉医療センター、そのほか水巻病院の5施設が連携し、北九州地域における周産期の高度医療を担っています。
北九州地域では、妊婦健診は行うが分娩は行わないという医療機関も多数ありますので、「日勤のみで働きたい」「助産師外来に特化して働きたい」という求人をお探しの助産師さんにおすすめです。
【筑後地域】
該当エリア:久留米市、八女市、大牟田市など
※出典:九州大学病院 産科婦人科 村田 将春|福岡県における 周産期医療の特徴と問題点
■筑後地域の周産期事情
・小児、周産期医療や救急体制が充実しており、特にNICUにおいては、国の基準値を上回っている。
・60歳以上の産科医が多い。
・出生数に対する産科医の数が多く、産科医一人当たりの出生数は県内最少の119人。
筑後地域では、県内唯一の高度救急救命センターを併設している久留米大学病院とNICU33床を備えている聖マリア病院の2院が筑後地域における周産期の高度医療を担っています。
筑後地域は、人口に対する医療水準が非常に高く、教育体制が整った病院やクリニックも多いので、未経験の助産師や、経験が少ない助産師にオススメのエリアです。
【筑豊地域】
該当エリア:飯塚市、直方市、田川市など
※出典:九州大学病院 産科婦人科 村田 将春|福岡県における 周産期医療の特徴と問題点
■筑豊地域の周産期事情
・他の3地域に比べて出生数は少ないが、分娩医療機関も少ないので、産科医の負担が重くなっている。
筑豊地域は、分娩医療機関や産科医といった医療資源が大変少ないエリアです。
産婦人科を標榜する医療機関は11施設ありますが、そのうち分娩を行っているのは7施設のみで、閉院や分娩の中止により分娩医療機関は年々減少しています。
筑豊地域における周産期センターは、総合周産期母子医療センターに指定されている飯塚病院のみで、筑豊地域における母体救急救命を一手に担っています。飯塚病院の年間分娩数は約600例、年間手術件数は約800例と福岡県内の大学病院並みの症例数を誇ります。
飯塚病院に医療が一極集中する筑豊地域では今後、診療所の確保が検討されているようです。
☆まとめ
福岡県における助産師の求人・転職事情はいかがでしたでしょうか。
九州ということもあり、関東地方や近畿地方とはまた違った周産期事情があるようです。
仕事の性質上、片道1時間かけて通勤ということが出来ない助産師さん。
お仕事探しには土地勘が必要になってきます。
知らない土地での転職に困ったら、ぜひ看護師ワーカーをご利用ください。
相談、利用ともに無料ですのでお気軽に♪