1.IMJ(日本統合医療学会)認定師の資格とは
IMJ(日本統合医療学会)は病気の原因を取り除く「原因療法」と症状を和らげたりなくしたりする「対症療法」を統合し、さらにさまざまな医療を融合した「統合医療」で患者に最も適切な医療の提供を理念とする学会です。
「対症療法」は西洋医学を根本にしたこれまでの日本の医療機関で実践されてきたもので、「原因療法」は人間の心身全体を診ることに加え伝統医学や相補・代替医療も必要であるという考えで近年普及が進んでいます。
IMJ認定師は専門分野において統合医療の実践に携わり、認定試験に合格することでIMJから認定されます。IMJ認定医、IMJ認定療法士と呼ばれる資格もあります。
2.IMJ(日本統合医療学会)認定師はどんな仕事?
それぞれの専門分野で統合医療を実践します。対象となる職種は以下のようになります。
◆認定師
看護師、准看護師、保健師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、介護福祉士、 歯科衛生士、精神保健福祉士、救急救命士、社会福祉士、はり師、きゅう師、 あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師など
◆認定医
医師、歯科医師、獣医師
◆認定療法士
カイロプラクティック、ヨーガ、臨床心理士
3.IMJ(日本統合医療学会)認定師になるには
【受験資格】
1.IMJの会員歴1年以上であること(年会費を完納していること)
2.IMJ指定の学会やセミナー等の出席で25単位取得していること
3.IMJ本部主催認定および更新のための教育セミナー(総論・各論)各1回以上(合計2回以上)出席または講師をしていること
4.IMJの学術大会に1回以上出席をしていること
【取得までの流れ】
◆資格試験の申込方法
ホームページから申請書をダウンロードします。申請料20,000円(税込)を振込後、申請書類と付属書類(単位証明書、履歴書、資格証明書、振込控の写し)を郵送します。試験の2週間前に受験票が届きます。 振込先、書類送付先については一般社団法人日本統合医療学会ホームページを参照。
( HP→http://imj.or.jp/ )
◆試験についての詳細
試験地 | IMJの学術大会開催地が試験地となるため年度により異なります。 |
試験内容 | 選択式筆記問題(約30問/90分) |
試験日程 | 10月上旬ごろ |
合格発表 | 未定 |
受験費用 | 10,000円(税込) |
取得後3年ごとの更新となり更新料は10,000円(税込)です。
また、IMJ指導師へのステップアップも可能です。(申請条件あり)
4.IMJ(日本統合医療学会)認定師をとるのは難しい?
まず受験資格の条件である25単位を取得するにはIMJ年次学術大会への参加1回、セミナーやシンポジウムなどへの参加が最低3回、それとは別に認定資格セミナーへの参加が求められるため日程調整が必要となります。
筆記試験は教材2冊から出題され試験範囲が決まっているので対策が立てやすいです。
選択問題のみとなり受験資格を満たすことが出来れば難易度はそこまで高くないと言えます。
5.IMJ(日本統合医療学会)認定師をとることのメリットデメリット
IMJ認定師は西洋医学だけでなく、伝統医学と相補・代替医療、経験的な伝統・民族医学や民間医療など幅広い知識を得ることができます。
統合医療が目指す方向性にある「患者一人ひとりに焦点をあてた患者中心の医療」「一生をケアする包括的な医療」「チーム医療」といったものは病院などの組織で働く看護師が学ぶべき姿勢です。看護師を続けていくにあたって自分が進みたい方向性を確認する機会にもなります。
また、学会やセミナーへの参加で認定医や認定療法士といった同じ志しを持った違う職種の人と接することは大いに刺激を受けることもできます。
デメリットとしては認知度が低いこと、認定期間が3年とやや短めで取得時とほぼ同じ更新条件があることです。
6.IMJ(日本統合医療学会)認定師の現状と今後
前身団体の統合によりIMJが設立されたのが2008年で資格保有者はまだまだ少なく(認定師の資格者としてIMJのホームページに掲載されているのは50名程度)、統合医療の知識を証明するのにぴったりです。
救命救急や外科手術といった臨床現場で必要とされる対症療法と、慢性疾患の治療や予後の療養(予防医療)に効果的な原因療法、この2つを持ち合わせた統合医療は少子高齢化で増大する医療費を削減するとして期待されています。
IMJ認定師は統合医療を推進するために必要な資格と言えます。