認定看護師とは…
特定の分野に対して高い水準の看護技術と知識で看護実践ができる看護師のことです。(社)日本看護協会が実施する「認定看護師認定審査」に合格する必要があります。現在、認定看護師は21分野に分かれています。
認定看護師に求められる役割に『実践』『指導』『相談』があります。
[実践] 個人、家族及び集団に対し、熟練した看護技術を使い高い水準の看護をすること
[指導] 看護実践を通じ、他の看護職に対して指導を行うこと
[相談] 看護職に対しコンサルテーションを行うこと
認定看護師になるには、以下の4つのステップがあります。
(1)看護師免許を持っていること
(2)実務研修が5年以上あること(特定分野の実務研修3年以上)
(3)認定看護師教育機関を修了していること(6ヶ月・615時間以上)★
(4)認定審査に合格すること★
★認定看護師の資格を得るには、(3)(4)の入学試験と認定試験に合格する必要があります。
救急看護認定看護師
救急看護認定看護師は、救急医療分野において活動します。外傷や脳血管障害、中毒症状などの多様な状態の患者さんとその家族に対して看護を行います。
救急医療は、緊急性の高低問わず、事故や災害によって初期段階に実施される医療です。ここで施される医療によって今後の治療が左右されるといっていいでしょう。
主な活動は、救急外来や救命救急センターなど救急医療施設です。院内急変や災害救急医療、産業保険などにも救急看護の知識は求められてきています。
2017年10月時点で、1,205名の登録があります。
◆ 救急看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、救急部門での看護実績を有すること。
2)救急部門において、CPA・重症外傷・意識障害・呼吸不全・循環不全・中毒・熱傷患者等の看 護の中から 5 例以上担当した実績を有すること。
3)現在、救急部門で勤務していること、または救急部門での勤務が予定されていること。
《求められる知識と技術》
● 救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
● 災害時における急性期の医療ニーズに対するケア
● 危機状況にある患者・家族への早期的介入および支援
皮膚・排泄ケア認定看護師
皮膚・排泄ケア認定看護師は、《WOC》創傷(wound)・*ストーマ(ostomy)・失禁(continence)に関わる看護のことを指します。以前は、WOC認定看護師といわれていました。皮膚・排泄ケアは、ストーマケアを基盤に創傷ケア・失禁ケアへと範囲を広げてきました。ストーマケアで開発された知識や技術が褥瘡や慢性潰瘍への対処や予防に活用できたことから皮膚・排泄ケアの括りになりました。外科やストーマケアをする病棟・外来・在宅ケアなどで活動しています。
2017年10月時点で、2,419名の登録があります。
* ストーマ:病気や障害で、人口肛門・人口膀胱(腹壁に造られた便や尿の排泄口)の総称
◆ 皮膚・排泄ケア認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、外科系領域またはストーマケアを行う病棟・外来・在宅ケア領域での看護実績 を有すること。
2)ストーマ造設患者の看護を1例以上、及び創傷または失禁ケア領域の看護を4例以上担当した実績を有すること。
3)現在、創傷ケア、ストーマケア、または失禁ケアを行う病棟・外来・在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 褥瘡などの創傷管理およびストーマ、失禁等の排泄管理
● 患者・家族の自己管理およびセルフケア支援
集中ケア認定看護師
集中ケア認定看護師は、集中治療が必要な重症の患者さんとその家族へ確かな知識と技術をもって看護ができるひとです。ICU(集中治療室)などの集中治療分野での活動となります。集中治療室にいる患者さんに対して重症化を回避する看護をし、合併症が起こらないようなサポートします。集中ケア認定看護師では、命が危険な状態の患者さん本人や家族の方が、回復に向かえるようなサポート技術を学習します。心身ともに受けるショックを少なくてすむように高度な技術を要します。また、集中治療を受けている間でも、早期リハビリが出来るように日常生活の援助の方法なども家族へ指導します。
2017年10月時点で、1,169名の登録があります。
◆ 集中ケア認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、集中ケア部門、または小児集中ケア部門(手術室・NICUは除く)での看護実績を有すること
2)疾病、外傷、手術などにより高度に侵襲を受けた患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、集中ケア部門で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防
● 廃用症候群などの二次的合併症の予防
● および回復のための早期リハビリテーションの実施(体位調整、摂食嚥下訓練等)
緩和ケア認定看護師
緩和ケア認定看護師は、緩和ケアの活動する看護師のことです。緩和ケアとは、命を脅かす疾患を持つ患者さんへ痛みや苦しみを取り除けるよう看護します。また、その家族に対し、疾患の早期から身体的・心理社会的問題・精神的な問題を発見し、障害にならないように予防したり対処したりします。患者さんとその家族に対してQOL(生活の質)を改善するためにサポートをします。
主な活動は、病院や在宅、福祉施設などのがんや終末期医療に携わる分野で行います。
2017年10月時点で、2,211名の登録があります。
◆ 緩和ケア認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算 3 年以上、緩和ケアを受ける患者の多い病棟、または在宅ケア領域での看護実績を有すること。
2)緩和ケアを受ける患者を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、緩和ケアを受ける患者の多い病院、または在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 疼痛、呼吸困難、全身倦怠感、浮腫などの苦痛症状の緩和
● 患者・家族への喪失と悲嘆のケア
がん化学療法看護認定看護師
がん化学療法認定看護師は、がんに罹った患者さんが化学療法の治療を選択した際に関わります。がん治療は、まだ治療法が確立されておらず複雑です。化学治療を行う場合、より専門的な知識をもった看護師が必要とされ認定看護師が誕生しました。主に、がんの化学療法を受けている患者さんに関わる病棟や、外来・在宅ケアなどで活動します。
2017年10月時点で、1,530名の登録があります。
◆ がん化学療法認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、がん化学療法を受けている患者の多い病棟・外来または在宅ケア領域での看護実績を有すること。
2)がん化学療法を受けている患者の看護(がん化学療法薬の投与管理の実績があることを必須とする)を、5 例以上担当した実績を有すること。
3)現在、がん化学療法を受けている患者の多い病棟、外来で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● がん化学療法薬の安全な取り扱いと適切な投与管理
● 副作用症状の緩和およびセルフケア支援
がん性疼痛看護認定看護師
がん性疼痛看護認定看護師は、がんが原因で起こる痛みや苦しみを軽減する看護を行います。“がん性疼痛”は、がんによって伴う痛みのことをいいます。がん性疼痛は4つに分類されており、1つはがん自体が原因の痛み。2つめは、寝たきりなどのがんに関連する痛み。3つめは、手術や抗がん剤の副作用などのがん治療に関する痛み。4つめは、別の病気によっておこる痛みです。
がん性疼痛看護認定看護師は、がんが原因で起こる痛みや苦しみを軽減する看護を行います。医師とともに、がん患者のケアを周囲と連携しながら看護をします。
主に、がん患者の治療をする総合病院の内科、血液科、呼吸器科、神経内科などの病棟や、外来の緩和ケアチーム、化学療法センターとなります。大学病院やがんセンターなどの大規模病院も活動領域にあたります。
2017年10月時点で、768名の登録があります。
◆ がん性疼痛看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、がん患者の看護実績を有すること。病棟での看護実績を有することが望ましい。
2)病状の進行等に伴って生じる持続的な痛みを有するがん患者の看護を*5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、がん患者の多い病棟・外来・在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。
* 10例程度の経験があることが望ましい。ただし、教育課程への提出事例は5事例でよい。
《求められる知識と技術》
● 痛みの総合的な評価と個別的ケア
● 薬剤の適切な使用および疼痛緩和
訪問看護認定看護師
訪問看護認定看護師は、訪問看護に関して優れた知識と技術をもった看護師のことです。培った看護知識以外にも、在宅ケアでも病院と同等の看護が受けられるかが必要となってきます。訪問看護認定看護師の役割は、地域に密着しながら病院と地域を連携し、QOL(生活の質)の水準を維持することを目指します。
主に、一般的な総合病院が活動の場になります。総合病院の内科などで訪問看護、ケア部門に所属します。また訪問看護ステーションで、より訪問看護に特化した医療機関での活動も見込めることでしょう。他には、長期療養型の病院や特別養護老人ホームなどの介護福祉施設なども活動できます。超高齢社会に向かう今ニーズは高まっています。
2017年10月時点で、584名の登録があります。
◆ 訪問看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、在宅ケア領域での看護実績を有すること。
2)医療処置及び管理を要する患者の在宅における看護(退院支援を含む)を5例以上担当した 実績を有すること。
3)現在、在宅ケアに携わっていることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理
感染管理認定看護師
感染管理認定看護師は、在宅から急性期病棟まで、全ての医療関連施設を利用する人々から感染源から守るための対策を行います。感染症が発生した場合の対応やマニュアル作成、状況を把握することや職員への指導を行います。
主な活動の場は、急性期病院、慢性期医療施設、外来クリニック、透析センター、外科センター、在宅医療など医療を提供する感染から守るために様々です。
2017年10月時点で、2,744名の登録があります。
◆ 感染管理認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、感染管理に関わる下記のような活動実績を有すること。
最新知見や自施設のサーベイランスデータ等に基づいて、自身が中心となって実施したケアの改善実績を1事例以上有すること。医療施設において、医療関連感染サーベイランス(血流感染、尿路感染、肺炎、手術部位感染)について計画から実施・評価まで担当した実績を1事例以上有することが望ましい。
2)現在、医療施設等において、専従または兼務として携わっていることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 医療関連感染サーベイランスの実践
● 各施設の状況の評価と感染予防・管理システムの構築
糖尿病看護認定看護師
糖尿病看護認定看護師は、糖尿病の治療に関する全般に幅広い専門知識を持っています。慢性疾患である糖尿病は、家庭での療養が重要となります。患者さんにとって、自己管理を続けることは大変な労力がかかります。糖尿病治療に必要な生活習慣の改善、食事・運動・服薬・インスリン注射などの指導を行います。
主に、病院やクリニックが職場です。最近では、糖尿病専門の外来や生活習慣病に特化した病院が増えてきています。介護老人福祉施設をはじめ糖尿病に関して知識が必要となってきていますので、活躍の場は増えていくことでしょう。
2017年10月時点で、863名の登録があります。
◆ 糖尿病看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、糖尿病患者の多い病棟、または外来での看護実績を有すること。
2)インスリン療法を行っている糖尿病患者または合併症のある糖尿病患者の看護を、合わせて5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、糖尿病患者の多い病棟・外来・在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 血糖パターンマネジメント、フットケア等の疾病管理および療養生活支援
不妊症看護認定看護師
不妊症看護認定看護師は、不妊治療について専門的な知識や技術を持っていると認定されたひとのことです。不妊症に悩むカップルに行われた不妊治療に対して、治療と精神面をサポートします。デリケートな問題の不妊治療は、必ず妊娠に成功する保証はなく精神的負担が大きい部分もあります。不妊に悩む患者さんが多い中、不妊症看護認定看護師はまだ数が少ないことが現状です。不妊看護認定看護師をとることで、納得した治療が提供できるよう指導を広めることができるようになります。
主に、不妊治療を行う一般病院の病棟や外来、クリニックが職場となります。不妊症治療専門クリニックも増えており活躍する場は多いといえます。
2017年10月時点で、171名の登録があります。
◆ 不妊症看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、不妊症患者の多い病棟または外来等での看護実績を有すること。
2)不妊症患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、不妊症患者の多い病棟・外来等で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 生殖医療を受けるカップルへの必要な情報提供および自己決定の支援
新生児集中ケア認定看護師
新生児集中ケア認定看護師は、ハイリスク新生児に対して、容態の変化や重症化を防ぐ個別のケアを十分に行える認定資格です。新生児の集中ケアの質と向上を図るべく指導にもあたります。集中ケア認定看護師を、より新生児に特化したものです。障がいが残らないよう容態を安定させ、身体・神経学的に学びます。また、生まれたばかりの新生児の危機に直面した家族へのケアも行います。
主に、新生児を対応するNICUが活動の場です。
2017年10月時点で、390名の登録があります。
◆ 新生児集中ケア認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、新生児集中ケア部門での看護実績を有すること。
2)在胎32週未満の早産児あるいは疾病を持つ正期産児の生後1週間以内における重症集中ケア及び親・家族の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、新生児集中ケア部門で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● ハイリスク新生児の病態変化を予測した重篤化の予防
● 生理学的安定と発育促進のためのケアおよび親子関係形成のための支援
透析看護認定看護師
透析看護認定看護師とは、透析治療に関する全般に幅広い専門知識を持っています。透析とは、腎臓の役割である血液をきれいにする働きを代わりに行う治療のことです。長い治療期間が必要な患者さんに対して、安全に自己管理が続けられるように支援するために作られました。透析治療をする前の患者さんや、その家族からの相談を受けるなどの役割もあります。主に、病院にある透析室や透析センターなどで活躍しています。人工透析を行う専門の現場で活動するのでより専門的な知識を求められます。
2017年10月時点で、240名の登録があります。
◆ 透析看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、透析看護分野(血液透析療法)での看護実績を有すること。
2)透析導入期・維持期の血液透析患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。腹膜透析患者の看護実績を有することが望ましい。
3)現在、透析部門に勤務していること、または透析部門での勤務が予定されていること。
《求められる知識と技術》
● 安全かつ安楽な透析治療の管理
● 長期療養生活におけるセルフケア支援および自己決定の支援
手術看護認定看護師
手術看護認定看護師は、周術期(手術前・中・後)の分野で高度なサポートができると認定された看護師です。手術看護の看護師さんは、患者さんが主体となって手術が受けられるように、適切なサポートをすることにあります。
手術前・後に患者さんの元へ訪問し、病棟の看護師と情報交換も行います。患者さん本人の状態確認をします。直接患者さんと対応することで、手術に対する不安を軽減できるようにメンタルケアも行います。手術中は、機械の安全管理や合併症の予防など安全管理に努めます。
手術看護認定看護師の主な活躍の場は、オペ室があるような規模の大きい医療機関です。総合病院・大学病院・特定機能病院などです。緊急指定病院や救急センターなども活躍が見込めるでしょう。
2017年10月時点で、536名の登録があります。
◆ 手術看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、手術看護分野での看護実績を有すること
2)手術看護における器械出し看護師・外回り看護師の実績を有すること。
3)現在、手術看護部門で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)
● 周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践
乳がん看護認定看護師
乳がん看護認定看護師とは、乳がん治療の領域で高度な知識と技術があると認められた看護師のことです。乳がん治療や看護に関する専門知識や経験を活かして、患者さん本人やその家族に対して適切なサポートを行います。乳がんの治療には様々な選択肢があります。手術や放射線療法、薬物療法などを組み合わせます。
看護師として治療方法の説明をし、患者さん本人に理解をしたうえで治療に取り組めるようにします。
また、乳がんの手術による乳房切除や化学療法の副作用などのメンタルケアやアドバイスなど乳がんに対する幅広い知識が必要となってきます。
乳がん看護認定看護師の主な活躍の場は、乳がん治療をする病棟や外来です。他には、がん治療連携の病院や特定機能病院が挙げられます。
2017年10月時点で、342名の登録があります。
◆ 乳がん看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、乳がん患者の多い病棟または外来等での看護実績を有すること。
2)乳がん患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、乳がん患者の看護に携わっていることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 集学的治療を受ける患者のセルフケアおよび自己決定の支援
● ボディイメージの変容による心理・社会的問題に対する支援
摂食・嚥下障害看護認定看護師
摂食・嚥下障害看護認定看護師は、さまざまな要因で摂食・嚥下に障がいを持つ患者さんへ高度な知識と技術を持ったと認定された看護師のことです。摂食・嚥下とは、食べ物を口にいれ咀嚼し飲み込むまでを指します。加齢や脳卒中・神経疾患が要因で、口腔や咽頭がうまく機能しない患者さんに対して、口腔ケアや食事介助を行います。
摂食・嚥下の障がいとなる原因を観察し、個々にあった適切な看護を行います。またその家族へも、嚥下訓練や摂食嚥下でおこる予防ケアなどの指導も行います。
摂食・嚥下障害看護認定看護師の主な活躍の場は、大きな病院などの病棟や外来での勤務と言えます。
介助が必要な介護老人福祉施設や在宅ケアの分野でも活躍が見込めるでしょう。
2017年10月時点で、733名の登録があります。
◆ 摂食・嚥下障害看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、摂食嚥下障害患者が多い保健医療福祉施設、または在宅ケア領域での看護実績を有すること。
2)摂食嚥下障害患者を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、摂食嚥下障害患者の看護に携わっていることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 救急時の子どもの病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
● 育児不安、虐待への対応と子どもと親の権利擁護
小児救急看護認定看護師
小児救急看護認定看護師は、救急外来を受ける子どもの患者さんに対し活躍できます。救急外来を受診する小児患者のほとんどが6歳以下といわれています。
その子どもの何割かは、重症化の可能性が含まれています。小児科医不足が指摘される中、重症化を防ぐ初期段階に確かな知識と技術を持った看護師が必要とされ、“小児救急看護認定看護師”は誕生しました。
小児救急看護認定看護師は、治療に対し不安に思う子どもに対するメンタルケアや、その家族に対し子どもの事故予防や子どもの虐待や育児放棄の対応など多岐に渡ります。
小児救急看護認定看護師としての主な活躍の場は、小児医療を行う医療機関です。救急外来や小児病棟、1次救急の小児外来なども小児救急看護の能力は発揮できます。
2017年10月時点で、1,003名の登録があります。
◆ 小児救急看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、救急看護分野または小児看護分野での看護実績を有すること。
2)小児救急患者・家族の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、救急看護または小児看護に携わっていることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 救急時の子どもの病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
● 育児不安、虐待への対応と子どもと親の権利擁護
認知症看護認定看護師
認知症看護認定看護師とは、認知症ケアに対し高い水準の看護と知識を持った看護師のことです。認知症ケアに対する患者さん本人とその家族へ、QOL(生活の質)の維持や患者さん本人の尊厳を尊重する看護が提供できるとされています。現在65歳以上の高齢者は全体の約15%を占めていると厚生労働省から発表されました。適切なケアと知識を身に着けることで、他の看護師さんへの指導をし、看護の質を高めています。認知症は高齢者に対し身近な障がいとなりつつある中でニーズが高まっています。
認知症看護認定看護師として働くには、認知症ケアが必要となるような特定機能のある病院やがん診療連携拠点の病院などが挙げられます。看護師として介護老人福祉施設で働くこともできます。在宅ケアでも活躍ができるでしょう。
2017年10月時点で、1,003名の登録があります。
◆ 認知症看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等での看護実績を有すること。
2)認知症者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等で認知症者の看護実践に携 わっていることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 認知症の各期に応じた療養環境の調整およびケア体制の構築
● 行動心理症状の緩和・予防
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師とは、脳卒中によって起こった機能障害のある患者さんへ優れた知識と技術を認定された看護師のことです。脳卒中が起こった後、重症化を防ぐために自己管理が重要となってきます。QOL(生活の質)を向上させるには、脳卒中後に早期のリハビリを促すことも重要とされています。脳卒中後の生活をいかに早く立て直すか、患者さん本人その家族へ指導も必要となってきます。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師は、主に病院の病棟勤務となります。外来、在宅ケア、リハビリ室なども脳卒中リハビリテーション看護としてのニーズは高まっています。
2017年10月時点で、679名の登録があります。
◆ 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、脳血管障害患者の多い部署での看護実績を有すること。
2)急性期にある脳血管障害患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、脳血管障害患者の多い施設等で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● 脳卒中患者の重篤化を予防するためのモニタリングとケア
● 活動性維持・促進のための早期リハビリテーション
● 急性期・回復期・維持期における生活再構築のための機能回復支援
慢性呼吸器疾患看護認定看護師
慢性呼吸器疾患看護認定看護師は、慢性的に呼吸に疾患がある患者さんに対して優れた知識と技術をもっている看護師のことです。呼吸に必要な“肺”は、機能が一部でも損なわれると治りません。そのため、慢性呼吸器疾患は、回復が見込めても完治は難しい疾患が多いです。専門的な知識と経験で、患者さんとその家族に対して長期的な自己管理のサポートを行っていく必要があります。
主に、呼吸器疾患患者が多い病院の病棟で活躍できるでしょう。呼吸器科の外来や在宅ケアなどにおいても呼吸器疾患看護としての技術を生かすことができます。
2017年10月時点で、272名の登録があります。
◆ 慢性呼吸器疾患看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、慢性呼吸器疾患注)患者が多い病棟を中心とした看護実績を有すること(その間、外来、IRCU、または在宅ケア領域での実践を含んでよい)。
注:COPD、間質性肺炎、気管支喘息、気管支拡張症、肺結核後遺症、非結核性抗酸菌症、肺線維症、睡眠呼吸障害等。神経・筋疾患による呼吸障害を含む。以下、慢性呼吸器疾患と省略する。
2)慢性呼吸器疾患の増悪期から回復期にある患者の看護を5例以上担当した実績を有すること(入院から退院まで担当した経験、またはそれに準じる内容であること)。
3)現在、慢性呼吸器疾患患者の看護に携わっていることが望ましい。
※2017年度から基準が変更されました。
《求められる知識と技術》
● 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた呼吸器機能の評価及び呼吸管理
● 呼吸機能維持・向上のための呼吸リハビリテーションの実施
● 急性増悪予防のためのセルフケア支援
慢性心不全看護認定看護師
慢性心不全看護認定看護師とは、心臓に疾患がある患者さんに対し高い看護知識と技術があると認定された看護師のことです。“慢性心不全”とは、心筋梗塞や不整脈によって心臓に関して、呼吸困難や夜間の頻尿の症状が起こります。高度で最新の医療機器で治療が必要な場合が多く、再発や再手術の可能性も高い疾患です。慢性心不全看護認定看護師として、再発予防や管理などを患者さん本人やその家族へ相談・指導を行います。また一人だけで行えませんので周囲にいる看護師への指導も重要となってきます。
主な活躍の場は、病院やクリニックの循環器科・循環器内科です。循環器センターや保健所や老人福祉施設なども活躍が見込めるでしょう。
2017年10月時点で、349名の登録があります。
◆ 慢性心不全看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、心不全患者の多い病棟での看護実績を有すること(その間、外来、在宅ケア 部門での看護実績を含んでよい)。
2)心不全の増悪期から回復期にある患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、心不全患者の多い病棟或いは外来、在宅ケア部門で勤務していることが望ましい。
※2017年度から基準が変更されました。
《求められる知識と技術》
● 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた生活調整及びセルフケア支援
● 心不全増悪因子の評価およびモニタリング
救急看護認定看護師
がん放射線療法看護認定看護師とは、がんの治療法の中にある“がん放射線療法”の分野に活躍する看護師のことです。がんの治療法は複雑で、治療法の一つに、“放射線療法”があります。がん放射線療法は、機能温存が可能なため注目度の高い療法です。がん放射線療法看護認定看護師として、放射線療法を受ける患者さんやその家族のへ心理的な面などをサポートし、専門知識を活かし安全に治療を終えられるように看護をします。
がん放射線療法看護認定看護師として技能を活かすには、主にがん放射線治療に携わる病院やがんセンターが職場となるでしょう。がん放射線という特定の治療のため、大きな病院の病棟や外来でも活躍が見込めます。
2017年10月時点で、254名の登録があります。
◆ がん放射線療法看護認定看護師看護認定看護師の実務研修内容の基準
1)通算3年以上、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟・外来・治療部門での看護実績を有すること。
2)がん放射線療法を受けている患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
3)現在、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟・外来・治療部門で勤務していることが望ましい。
《求められる知識と技術》
● がん放射線治療に伴う副作用症状の予防、緩和およびセルフケア支援
● 安全・安楽な治療環境の提供