医療環境管理士

1. 医療環境管理士とは

内閣府認可である特定非営利活動法人日本医療環境福祉検定協会(NPO JAPAN MEDICAL ENVIRONMENT CARE ASSOCIATION:JMEC)が管轄する民間資格です。
この資格を取得することで、医療現場において感染予防対策に関する専門的な知識やスキルを持つ人、いわゆる「感染対策のスペシャリスト」であることが証明され、指導をする立場として活躍することができます。受験資格は特にありませんが、近年では看護師、医師などの医療従事者が多く受験している傾向にあります。
その6割は30代~40代です。院内感染対策の責任者としてスキルアップを目的に資格取得を考える人が増えてきているといえるでしょう。

2.医療環境管理士の仕事とは

主な仕事内容としては、感染予防のための体制作りや職員へ向けての教育活動などが挙げられます。多職種を交えた病院全体で講師として研修活動を行う、清掃管理会社などの外部から委託している会社と連携することも大事な役目です。
常に最適な状態を保つためには製薬会社や医療関連のサービスを取り扱っている担当者との情報交換、情報収集は欠かせません。
患者と共に働くスタッフを感染症から守るために対策を具体化し、結果を出すことが求められる仕事です。
しかし、これは決して一人でできることではありません。
医療環境管理士として得た知識をしっかり周囲にも落とし込み、浸透させる必要があります。
例えば、実際に感染症の拡大を経験した部署には危機感を感じているそのタイミングで、直接現場まで駆けつけて資料の配布や対策指導を行うと浸透が早く効果的です。このように全員が感染症に対して同じ温度感でいられるような工夫やアイデア力が問われる仕事といえるでしょう。

3.医療環境管理士になるには

【受験資格】
職業/年齢/性別不問
実務経験の有無は問わない
【資格取得までの流れ】
(1) 受験申込み
 方法:インターネットまたはFAX・郵送
 受験料:前払い(21,600円)
(2) 受験票受取
(3) 試験
日程:年2回開催(4~5月・9月~10月)
会場:東京・大阪・福岡
試験時間:2時間
出題形式:筆記試験(選択式100問・記述式3問)
合格基準:70%前後の正答率、試験問題の難易度によって変動あり
《当日の携行品》
・受験票
・身分証明書
・HBの黒鉛筆、消しゴム
(4) 合否通知
(5) 認定講習会申込み
(6) 講習受講
(7) 認定証交付
更新、認定料なし
【資格団体】
一般財団法人 医療福祉検定協会
(HP→ http://www.iryo-kentei.jp/index.php

4.医療環境管理士をとるのは難しい?

医療環境管理士の試験は、医療福祉検定協会が出版している「医療環境管理士 公式テキスト(2冊1セット)」から出題されます。
内容としては感染経路の種類、病原体の種類・可視化について、細菌の種類や形状、ウイルス感染症や真菌にまつわる《感染の基礎知識》から、《感染症予防と対策》《感染・環境管理》における対策や具体例、マニュアル、そして《関係法規》まで幅広く学ぶことになります。
過去問題を掲載している本の販売は現在行っていないため、試験対策は公式テキストを購入し、自分で勉強するという方法になるでしょう。
例年の合格率は50~60%を推移している状況にあることから、決して難しい資格ではありませんが、事前にしっかりコツコツ勉強を積み重ねていく必要がありそうです。

5.医療環境管理士をとる事のメリット・デメリット

感染症の基礎知識から法律的な部分まで専門的に知識を取得できるため、周りからの信頼が厚くなることがメリットのひとつといえるでしょう。
教育、指導にも直接携わることのできる資格なので、自分自身のキャリアアップのためにかなり役立つ資格です。
一方、資格団体側で試験対策の講習などがないため、不明点をすぐに聞ける人がおらず《独学の難しさ》を感じることもあるかもしれません。
しかし、院内で感染症が広がるリスクの軽減を課題としている病院は多く、医療環境管理士は資格手当がもらえる場合もあります。スキル面でも給与面でもランクアップの可能性が高く、やりがいのある分野といえるでしょう。

6.医療環境管理士の現状と今後

近年では、子供から大人までインフルエンザやノロウイルスなどの感染症が非常に増えてきていることが問題視されています。
院内で、その感染症が広がることで患者の病状が悪化、さらに緊急性を要する状況に陥ることも十分に考えられます。
大きな病院であればあるほどたくさんの人が出入りすることになり、リスクは高くなってきます。
個々がいくら気をつけていても、その知識には限界があります
医療現場における清掃技術や設備、医療廃棄物の取り扱いなど幅広い専門知識をもつ医療環境管理士の存在は今後なくてはならないものになっていくでしょう。
看護師+αの資格を取得していることが当たり前になってきている今、ただ資格を取るだけではなく将来自分がどういった分野で活躍していきたいか見極めることも大事です。
しかし、医療環境管理士は分野問わず医療業界全般で需要のある資格なため、何か資格をとりたいけど、自分にとって適切な資格が何か分からず迷っている人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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