精神対話士

1.精神対話士とは

薬の処方を含む医療行為ではなく、対話を通じて「孤独」や「寂しさ」などの心の問題を抱えている人へ精神的な支援を行う者のことを指します。
内閣府認可である一般財団法人メンタルケア協会が実施している講習を修了し、認定試験に合格することで資格の取得が可能です。
現在、心理系の国家資格は医師免許に基づく精神科医師のみで、精神対話士においては民間資格の扱いです。しかし、医療の現場に留まらず様々な施設や学校、企業でも活かせる実践的な資格であり、受験資格において年齢制限・実務経験の有無が問われないことから、様々な業種の人が受験するようになってきました。個々のスキルアップに繋がる資格として近年注目を集めています。

2.精神対話士の仕事とは

通院、入院している患者の中には生きる気力を失っている人、精神的に落ち込んでいる人などメンタルケアを必要としている人が多くいます。そのような状態の患者が前向きになれるような気持ちのサポートをする仕事です。
治療を目的とした対話ではなく、あくまで心のケアとして傾聴する役割を担います。
メンタルケアに注力している施設が増加している現在では、院内に「対話のための空間」を設備しているところもあるようです。病院だけでなく、介護・福祉施設や老人ホーム、学校・児童施設などでも活かすことが可能です。
看護師をしながら精神対話士の資格を取得する場合であれば、普段の看護業務の中で患者やご家族と接する際に役立てるといった活用方法になるでしょう。

3.精神対話士になるには

【受験資格】
・メンタルケア・スペシャリスト養成講座(基礎・実践)を修了した者
・財団法人メンタルケア協会の主催する派遣業務への参加を希望する者
・年齢/職業/性別不問、実務経験不要
【資格取得の流れ】
(1) メンタルケア・スペシャリスト養成講座・基礎課程受講
受講料:133,700円
受講地:北海道・宮城・東京・福井・愛知・大阪・広島・福岡
(2) メンタルケア・スペシャリスト養成講座・実践課程受講
受講料:61,700円
受講地:北海道・宮城・東京・福井・愛知・大阪・広島・福岡
※修了時に必要な講座数を出席し、レポートに合格することで修了認定される
(3) 精神対話士選考試験
受験料:無料
受験地:北海道・宮城。東京・福井・愛知・大阪・広島・福岡
《試験内容》
集団面接、個人面接、基礎課程・実践課程の受講時に提出したレポートにて審査
(4) 業務契約締結
(5) 精神対話士資格取得(5年おきに更新手続きが必要)
【資格団体】一般財団法人メンタルケア協会
(HP→ http://www.mental-care.jp/license/

4.精神対話士をとるのは難しい?

精神対話士の合格率は、近年15%を推移しています。
正直、かなり難易度は高いといえるでしょう。試験内容は面接と受講時に提出したレポート審査となるので、試験前にテキストを読み込む等の勉強方法は通用しません。
しっかり講習を聞き、自分でまとめる力をつけておく必要があります。
しかし、この受験者の中には医療現場に従事したことのない他業種の方や、主婦、学生も含まれています。年齢層も20代~70代と幅広いことを考えると、この合格率は妥当な数字とも言えるでしょう。

5.精神対話士をとる事のメリット・デメリット

精神対話士の資格を得ることでのメリットは、まず活躍の場が広がることでしょう。
いろんなタイプの患者が訪れる病院で、個々に寄り添って心のケアができるのは精神対話士ならでは。患者だけでなくそのご家族への不安解消も看護師の大事な役割です。
他の看護師が気づけないような不安や気持ちの変化に対応できるようになるので相手からの信頼は自然と厚くなります。
しかし、精神対話士としての仕事は治療を目的としていないことから、病院内で専門的に活動することは少ないかもしれません。よって、資格取得後の働き方としては大きな変化は見込めません。
ただ、資格を取得することでコミュニケーション力が高まり、普段接する患者やご家族にとって希望となれることは間違いないので看護師として、女性としての成長が期待できることもメリットとして挙げられますので、自分自身のステップアップのために取得してみても良いでしょう。

6.精神対話士の現状と今後

精神対話士とは、不安や孤独を抱えている相手の話をじっくり聴くことができる資格です。
しかし、看護師不足が問題になっている中、看護師1人にかかる負荷が多く、個々の患者とゆっくり話す時間はとりづらいものです。
現状、精神対話士の資格のみでは医療的な相談を受けることは出来ないため、看護師との両立やバランスが難しいという点においては課題の残る状況ではありますが、病院側のサービスとして、精神対話士とのセッションの時間を設ける等の工夫をする必要があるでしょう。
実際に、人と人の繋がりを重要視する日本で、患者の心に寄り添う看護は今後さらにニーズが高まっていくと予想されています。このような状況から感じ取れるように精神対話士の資格は、これからさらに必要とされる資格になること間違いなしです。

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